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生前葬への憧れと、止め鋏

死ぬ前に生前葬がしたい。

死んでから友達がすっごい泣かす弔辞を読むとかほんと許せない。そんなのずるい。私も聞きたい。私がその時それを聞けるかなんて約束されてないし。ってかそんなの私が生きているうちに言えよな。

だからといってすぐにでも生前葬を開ける可能性は低いので、大切な友達の誕生日にはちょっと恥ずかしくなるくらいの言葉を送ったりする。ようにしている。最近は。
私が言い残す、伝えたかった言葉を、できるだけ少なくしておきたい。
せめて、その人への感謝においては。


要は、今まで出会った大切な人たちみんなに一斉に会える機会なんて、結婚式と葬式くらいしかないの、どうしても解せないよねって話。


あの時はどうもありがとうってお礼とか、その節はご迷惑をおかけしましたってお詫びとか、死ぬ前に伝えたかったことを沢山抱えながら死んでいくんだろうな人間って、と思う。

そうか、だからみんな結婚式をしたがるのかしら、と思ったり。多分違うかもしれないけど、もしかしたら概ね正しいんじゃないかな。

生前葬する派?しない派?みたいな、
結婚式レベルじゃなくていいから、もうちょっとメジャーになる未来が来ないかしら。


だからか、関取の断髪式にも強い憧れを抱いている。


戦い続けた場所で、
同期、兄弟弟子。家族。おかみさん。
今までお世話になってきた人々。
一言ずつ声をかけられながら、
ファンに見守られながら、少しずつ入れられる鋏。主役の現役人生をドラマチックに語る司会。

育ての親である親方の止め鋏。
現役力士の取り組みで彩られる土俵。


これこそ、生前葬として理想的な姿ではないだろうか。


こんなことをほざいていたら、こんな動画が公開されてた。シャウエッセンも生前葬がしたかったんだな。ますます好きになっちゃう。


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