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Jeg heter 桃子

移住してから名前を褒められることが増えた。学校や仕事場で初めての人に会うと必ずと言っていい程名前を褒められる。

桃子

と言う名前は母親が付けてくれた。
小学生の時、自分の名前の由来について親に聞いて調べてくる課題が出てその時初めて母親と自分の名前について話した。
「20歳の頃から最初に産まれた子供が娘だったら桃子にするって決めてたの」
それだけだった。まぁそんなもんかと思いつつそのまま書いて提出した。
その頃は正直自分の名前が嫌いだった。なんだか古臭い気がしたしゴリラとか犬とかインコとばかり同名だし、もっと小さい頃はもものすけやら桃太郎やら呼ばれてずっともっとかっこいい名前だったら良かったのにと思っていた。
そんなまま育ったので特に自分の名前に愛着を持つことなく大人になった。
その後英語を使うようになると『Momoko』って筆記体で描きにくく、サインも o が多過ぎ不格好でそれも気に入らなかった。

そして2年前オスロへ越してきた。新しい土地に飛び込んだので毎日のように人と出会う。

Jeg heter Momoko. Hyggelig

そう言うとみんな私の名前に反応した
Momoko? 超可愛い!なんて意味?素敵な名前だね、歌いたくなる音だね、桃って意味なの?さらに素敵!

毎回こんな感じで褒められるうちに段々愛着が湧いてきた。何がそんなに刺さるのかはさっぱり分からないけどどうやら桃子って凄く良い名前のようだ。
そういえばさくらももこと同じ名前だしゴリラのモモコは子沢山で長生きで立派なゴリラだ。海外で名前の由来を聞かれたときも答えやすいし、もものすけだってお気に入りの絵本だった。

ノルウェーで生活するうち、気付いたら自分の名前が大好きになっていた。

また少し前はTwitterで毎日のように桃の写真が流れて桃の剥き方やらサラダやらケーキやらに使われてるのを見て古臭いなんて言ったけどなかなかお洒落な果物じゃないかとも気づいた。

今はもし将来子供を持ったら私も母のように愛着が持てる名前をつけたいと思っている。植物か花の名前がいい


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