見出し画像

アイドルオタク、アマチュアスケーターのファンになる(予告編)

浅田真央さんの最高アイスショー「BEYOND」が終わり、これでしばらくは知らない土地の知らないリンクに自主軟禁される日々ともお別れだなと思っていたはずが、人生何が起こるかわからないもので、その後も知らないリンクへの「行かされ」が発生している。(※オタクは自ら望んで足を運んでいます)
本当は「BEYOND」の円盤と写真集の感想を書くはずだったのだが、円盤を一通り見た結果控えることにしたので(理由はお察しください)、代わりに「BEYOND」後のオタクの現状をお伝えするとともに、自分の行いを反省と達成感を込めて残していくことにした。今回はその予告編である。


私は指原莉乃さんプロデュースのアイドルグループ「=LOVE(イコールラブ、通称イコラブ)」およびそのメンバーである髙松瞳ちゃん(宇宙一かわいい)のファンであるが、2022年の終わり頃からアイドルオタクにプラスして浅田真央さんの最高アイスショー「BEYOND」に通い詰めることになってしまった、幸運なのか不運なのかわからないがまぁ謎の存在になっていた。
noteではアイドルオタクの話はあまりしていないので、アイドルオタクといっても大してオタクでもないのにインパクトを狙って主語を大きくしているのでは?という疑惑が生まれないように言っておくと、ツアーがあれば北海道から沖縄まで飛び回り、シングルがリリースされれば3桁枚は積んでいるタイプのオタクである。ちなみに3桁枚というのは詳細を誤魔化したくて枚数を濁しているのではなく、3桁を越してからは数えるのが自分でも怖くなっているから自分でも何枚積んでいるのか把握していないだけである。

話はそれたが、そんなどこに出しても恥ずかしいアイドルオタクの私は、もともと年に1回アイスショーに行くか行かないかというくらいウルトラライトにフィギュアスケートを楽しんでいたが、「BEYOND」に通ううち、もしかしたら自分で気付いていなかっただけで私はスケートを観るのが凄く好きなのかもしれないと思って、2023年は色々なアイスショーを観てみようと思い立った。おおよそなんとかアイスとか名の付いたアイスショーをいろいろと観て、「来年も観たいな」と思ったり思わなかったり、合わなさすぎて怒りを発生させたり、ほんとうにいろいろあったが、基本的にはアイスショー自体が特別好きというわけではないかなという感想に至った。

とはいえ、楽しいこと、美しいもの、かわいい人が好きで、それらを満たしてくれるエンタメのひとつではあったので、2023年ほど節操なく鑑賞することはないかもしれないが、引き続きライトに楽しんでいきたいなと思っていた。

思っていたのだが、ドリームオンアイスで出会ってしまったのである。私の目に一際光輝いて見えるスケーターに。


それはまだ「BEYOND」の千秋楽公演が発表されていなかった幸福絶頂の頃のことであるが、スターズオンアイスでイリア・マリニン選手を拝見し、演技から伝わる若さとエナジーが健康に良かったため、いつもの友人(山本恭廉さんのファン)と「イリア・マリニンさんから若者の風を感じて健康になろう」というコンセプトでドリームオンアイスのチケットを取った。

2日間2公演のチケットが2枚ずつ取れてしまったが、取った後に「BEYOND」の千秋楽公演期間と丸かぶりしてしまい頭を抱えたが、ベルギーの至宝ルナヘン様のご出演が発表され、ルナヘン様が好きな友人が別にいるため、どちらか1公演はその子を誘えばいいなと思って私は2公演とも行くことにした。今から思えばここが人生の分岐点であったので、イリア・マリニンさんとルナ・ヘンドリックスさんには感謝してもしきれない。

そんな経緯で2公演のチケットがあったが、私はこれまで相当漠然とスケートを観て楽しんでいる人間だったので、ドリームオンアイスの出演者の半分くらいの選手は別のアイスショーで観たことがあって、半分くらいは名前を聞いたことがあるようなないようなというアバウトな状態で当日を迎えた。「BEYOND」の昼公演からハシゴして自分の初回公演に行ったため、開始前から満たされた状態だったが、最初のグループナンバーでイリア・マリニンさんがめちゃめちゃ盛り上げ顔なのに手拍子がズレている(表拍が裏拍になっていたかその逆かだった)のを観測し、開始早々に健康になるのを感じた。(残念ながら途中で直っていた)

ドリームオンアイスは演技前にスケーター自身の声でナレーションが入る愉快な仕様で、トップバッターがどう考えても子どもだろという声でレ・ミゼラブルをやると話すのを聞きながら、「中学生にレミゼは難しいのでは?」と若干不安を感じていた。私はかつていわゆるグランドミュージカルのオタクをしていた時代があり(制作と趣味が合わなくなったこと、当時推していた女優さんといわば音楽性の違いにより解散し、グラミュオタク時代は終わった)、レミゼも両手両足では収まらない回数は鑑賞していたし、映画も何度も見たし、原作ももちろん読んだことがあるが、本質的に理解できるようになったのは社会人になってからのような気がする。
そうして私にとって懐かしくもほろ苦くもある「Look Down」が聞こえてきて、雷に打たれてしまった。

やっと会えた 𝓜𝔂 𝓲𝓭𝓮𝓪𝓵
君こそ 𝓔𝓺𝓾𝓪𝓵 𝓵𝓸𝓿𝓮

失礼いたしました。イコールラブが出てしまいました。(イコラブのデビュー曲)

美しいスケート、発展途上ながらも意思を感じる表現、私の一等星と出会ってしまった。
一等星の名前は高橋星名くんと言うそうだ。たかはしせなくん。覚えた。そして一生忘れない。名は体を表すにもほどがある。

スケートだけで刺さってしまったのだが、演技後に子犬の尻尾かという勢いで客席に手を振っており、会場中が祖母の空気に包まれていた。そのまま半ば呆然としている間に前半が終わり、製氷中にいつもの友人(山本恭廉さんのファン)に「高橋星名くんが刺さってしまった」という連絡をした。「星名くんはふつうに試合で観られるから行こう!?」と言われたのだが、当時は「試合はちょっと……」と返していた。当時の私に今の惨状を見せてあげたい。
そのまま後半を楽しんで、周回でルナヘン様に一途にバナーとベルギー国旗を出し続けた友人がルナヘン様からキュートな爆レスをいただいて「儲かってしまった」と言い残して帰るのを見送り、自分も帰路につきながらいつもの友人に「高橋星名くんのバナー持ちたいかも」とLINEして、色々あって最終的にバナー作るのはタダだし(印刷はタダではない)作っても出すかはわからないし、と思いながら就寝直前のほぼ0時に急いで紙バナーのデザインを作ったことを覚えている。
結局その友人と行った自身2回目の回でバナーを持ち、それを目にした高橋星名くんがこれまた勢いよく手を振ってくれてオシマイの大人になってしまい、隣にいた選手をびっくりさせることになった。(ちなみに私はびっくりさせてしまったことに気付いていなかったので、隣の友人が教えてくれた話)


というわけで私は、髙松瞳ちゃん(アイドル)と高橋星名くん(アマチュアスケーター)の兼オタ(兼任オタクの略)という世にも奇妙な存在になってしまったのである。
アイドルオタク業務を疎かにすることなく、試合もそれなりの数観に行き、我ながら呆れ半分、よくやったな……と自画自賛したいような気持ち半分といった状態なので、今後はハードスケジュールな兼オタの思い出を振り返っていく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?