一瞬が永遠になる浅田真央アイスショー「Everlasting33」
※筆者の本業はアイドルオタクです
※ショー本編およびパンフレットのネタバレもあります
浅田真央さんにできないことってなんですか?悪事を働くとか?
せめてマジックカットなのに開封に手間取ることとかあってほしい。まぁ、浅田真央さんが苦戦するマジックカットなどは滅んだほうが良いのだが。
浅田真央さんの2作目のアイスショー「BEYOND」にドハマリしてしまった本業アイドルオタク(推しメンは=LOVEの髙松瞳ちゃん)の私は、およそ1年前の「BEYOND」千秋楽公演が終わってから「次はマオリンクのこけら落としかな」と思いながらアイドルオタク生活に戻ると思いきや、急角度でアマチュアスケーター(高橋星名くん)のオタクにもなってしまうなどしていた。
次のショーはまだ先かなというところに飛び込んできた「Everlasting33」の報は普通にびっくりした。もうやるんだ、え、6月?すぐじゃん。浅田真央さんのバイタリティを甘く見ていました。
そこからあれよあれよと言う間にチケット先行が始まり、開幕を迎え、たった15公演が間もなく終わろうとしている。
たった15公演しかないが、恐ろしく濃密でハイカロリーなアイスショー、今からチケットを入手するのはちょっと難しいのだが、なんと6月16日(日)、16:30開演の千秋楽公演の配信(見逃し有り)がある。今からでも間に合う!ということで「Everlasting33」の私的なおすすめポイントを紹介します。
①浅田真央さんのプロデュース力
浅田真央さん、1曲目で観客に「ショーのあり方」を示すのがうますぎる。「BEYOND」の1曲目「Sing Sing Sing!」ではエンターテイメント色が濃く打ち出されていたが、今作の「Dance of Curse」では重厚でラグジュアリーな世界観が即座に伝わる。どういうスタンスで鑑賞したらよいか、1曲目で示してくれるのは観客に対して親切だと思う。
それから各メンバーに割り振るソロ、衣装がぴったり。浅田真央さんのアイスショーのいいところのひとつが、衣装がすべて良いところにある。しっかりした生地、各人に合うデザインと色、非の打ち所がない。衣装にも浅田真央さん本人がとってもこだわってくださっているのがびしばし伝わってくる。とても15公演しか着ない衣装のクオリティではない。最高です。
②スケート靴を脱いでの豪華コラボ
タップダンスでHideboHさんとコラボ、コンテンポラリーでSeishiroさんとコラボしているのだが、スケート靴を履いている浅田真央さんが素敵に無敵なのは当然として、スケート靴を脱いでも凄い。
事前に「スケート靴を脱いで踊る」ということを知ったときは、スケート靴の脱ぎ履きは大変と聞くし、コラボは続けて行われるのかなと考えていたが、なんと全然間に浅田真央さんのソロが入る。その上、Seishiroさんとのコラボは浅田真央さんはスケートでの演技から始まって途中でスケート靴を脱いで陸でのコラボになる。スケート靴の脱ぎ履きって結構大変と聞いているのですが……?
HideboHさんとコラボではキュートで愛らしい浅田真央さんが、Seishiroさんのとコラボでは力強くも優美な浅田真央さんが見られるので、氷ではなく陸でのダンスという点は同じであるが、まったく異なる姿が見られる。
ちなみに私はコラボの中では「トッカータとフーガ」が好きです。すごい人とすごい人がそれぞれ自分のジャンルで勝負しているのに調和が取れていて、ビックバンが起きている。Seishiroさんの
コレオが好きな人にはぜひ見てほしい作品だった。
③浅田真央さんと柴田嶺さんによるエアリアル
意味がわからないかもしれないが、エアリアルがある。しかもスケート靴を履いた状態で。スケート靴の重みはどこに行きましたか?
「BEYOND」で柴田嶺さんが「真央ちゃんをリフトするということは、国の宝をリフトするということ」とプレッシャーを語っていたが、今回は「BEYOND」のリフトよりさらにプレッシャーがかかりそうなエアリアルだ。柴田嶺さんの実用的にチューニングされた筋肉が光る。
浅田真央さん柴田嶺さんだけでなく、補助の小山渚紗さん山本恭廉さん、そして音楽の調和が取れており、単に新しいこと・難しいことへの挑戦ではない「作品」に仕上がっている。必見といいたいところだが、なんとエバラスには必見のプログラムしかないのである。とはいえ白眉なのは間違いない。
④バレエ初心者でも楽しいバレエメドレー
私はほとんどすべてのバレエ知識を松浦景子さん(吉本のバレエ芸人)のYouTube(けっけちゃんねる)から得ているバレエ素人だが、聞き覚えがある曲が多かった。エスメラルダ、ジゼル、ドンキのキトリなどはけっけちゃんねるの「バレエあるある動画」から学んでいたおかげで見覚えもあったし、衣装も多様で目にも楽しい。「花のワルツ」の衣装がかわいすぎる、「BEYOND」のチャルダッシュの衣装を制作したアトリエヨシノ様様様の衣装であるが、男性の袖から出てるリボン、華やかで可愛くて良いですよね。
なお、「BEYOND」から興味を持ってバレエを観に行ったことがあるバレエ素人からの忠告だが、バレエの予習に熊川哲也さんの映像を見るのはやめたほうがいいです。一度熊川哲也さんを見てしまうと、なにを見ても熊川哲也さんの残像がチラついてしまったので……。
バレエメドレーに関してはあと一言だけ言わせてください。
可憐という言葉が人の形になったら、今井遥さんになる、辞書に書いておいたほうが良い。
⑤浅田舞さんの振付
浅田舞さんは本ショーで6曲の振付を担当されており、今回が振付初挑戦ということだが、にわかには信じがたい。
美しくかわいい「花のワルツ」から、ポップでキュートな「雨に唄えば」があるかとおもえば、渋くダンディーな「ゴッドファーザー」や重厚な「アート・オン・アイス」まである。社交ダンスやタンゴショーなど多彩な活躍の浅田舞さんだが、やはりいいアウトプットにはいいインプットが必要なのだなと思った。
今後は振付師として売れっ子になる未来もありそうだが、それは浅田舞さんが浅田真央さんのショー以外で振付をやる気持ちがあるか次第な気もしており、とはいえ初挑戦でこれを見せられてしまうと否が応でも期待が高まってしまう。次の作品、お待ちしております。
⑥浅田真央さんによる圧巻のボレロ
筆舌に尽くしがたい圧巻の演技(しかも生オケ)なので、見てほしいとしか言えない。柔よく剛を制す、このことです。
この1曲だけでチケット代S席25,000円の価値があるので、他のプログラムは実質タダで見ていることになり、「Everlasting33」は鑑賞すればするほど儲かることになるし、配信だと20,000円近くトクすることになる。見て感じてほしい。
以上6点が厳選したおすすめポイントであるが、なにせ約120分で30曲以上を使用しオーケストラによる生演奏のプレミアムなアイスショー(もはやアイスショーと言っていいかは不明)であるため、兎にも角にも実際に観てほしい。「浅田真央が贈る芸術に酔いしれるプレミアムな劇場型アイスショー」の看板に偽りはない。プレミアムもプレミアムすぎて、オーケストラの生演奏、劇場に仮設リンクを用意し、この曲数この衣装数、豪華ゲスト、なぜこのチケット代で公演が成り立っているか疑問に思うレベルだ。(その鍵はおそらく協賛の会社数にある)
6月16日(日)、16:30開演の千秋楽公演の配信ならまだ間に合います!浅田真央さんの芸術に、酔いしれよう!
なお、ここまで全く触れていませんが、実は1番好きなプログラムは「死の舞踏」です。山本恭廉非凡構文(山本恭廉非凡非凡非凡非凡非凡非凡天才天才天才天才非凡非凡非凡非凡非凡非凡非凡非凡)が理解できること間違いないので、こちらもぜひご注目ください。
最後に本業の推しメンこと髙松瞳ちゃんと、副業のイチオシアマチュアスケーターの高橋星名くんの演技を貼っておきます。