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東証大引け 5日ぶり反発 好業績銘柄に物色、上海株高で安心感

11/11の東京株式市場で日経平均株価は5営業日ぶりに反発し、前日比171円08銭(0.59%)高の2万9277円86銭で終えた。前日の米株安の流れを受けて朝方は売りが先行したが、ほどなく上昇に転じた。上げ幅は一時200円を超えた。日経平均は前日までの4営業日で700円近く下落したこともあり、好業績銘柄などを中心に値ごろ感に着目した買いが入った。午後にかけては、株価指数を算出する米MSCIによる構成銘柄見直しの発表などを12日に控えて様子見ムードが広がった。

 一部の米ドル建て債券で利払いの猶予期限が迫っていた不動産大手、中国恒大集団の債務問題を巡る懸念が残るなか、日本時間11日の上海株式相場が朝安後に上昇に転じたことで買い安心感が広がり、日経平均が上げ幅を拡大する場面があった。原油先物相場の落ち着きや外国為替市場で円相場が円安・ドル高に振れたことも支援材料となった。

 10日に発足した第2次岸田文雄内閣で経済対策が進展するとの期待も出ている。市場では「給付金案を巡り公明党に譲歩させるなど、力強く政策を進める面もある。今後の政策次第で海外勢から日本株が見直されるとの期待が改めて出ている」(国内シンクタンク)との指摘があった。

 半面、前日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る高い伸びとなったのを受け、米国での早期利上げの懸念が再燃したことは重荷となった。「最高値圏にある米株が調整して東京市場にも波及する懸念も出ている」(国内運用会社)との声も聞かれた。

 JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比56.51ポイント(0.31%)高の1万8148.69だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、6.34ポイント(0.32%)高の2014.30で終えた。

 東証1部の売買代金は概算で2兆4883億円。売買高は11億9030万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は860と、全体の約4割にとどまった。値下がりは1233、変わらずは90銘柄だった。

 ファナックが大幅上昇。東エレクやレーザーテクが朝安後、上昇に転じた。三越伊勢丹も高かった。一方、資生堂、アサヒが大幅安。INPEXも売られた。

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