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人械#5

目が覚めると、遠い昔の記憶を
夢に見たような感覚に襲われる。
体が重く思うように動かない。
頭が働かない。
ゆっくりと体を起こし、
机の引き出しを開けて体温計を取り出す。
ピッと体温計の電源を入れ脇に挟む。
カーテンから朝日が洩れる。
眩しさに目を細めながら測り終えるのを待つ。
カチッカチッカチッ
無機質な時計の針の音だけがワンルームに響き渡る。
音につられ時計を見ると、時刻は8:00を差していた。
今日は日曜なので大学がない。
不幸中の幸いと言えるだろう。
ピピピッピピピッ
体温計から音がなる。
38.5℃
完全に昨晩のせいだ。
実はかなり冷えていたのだ。
我慢しいな部分は否めない。
ベッドに倒れ込むと
体は動くことを拒否し始めた。
久々にキツイのが来た…。
心無しか頭痛もするように感じる。

そんななか、玄関のインターホンが鳴った。

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