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『絶対アイドル辞めないで』を歌うアイドルの構図について思う

こんにちは。
前提として、この記事を書いている私は2次元も3次元も女子も男子も、アイドルを応援しているし、現場にも足を運ぶ、ちょっと偏屈女オタクです。
イコラブも、結成当初から緩く追いかけていて、好きなのは齋藤樹愛羅さんです。
そんな私ですが、いまTwitterでバズりまくっている『絶対アイドル辞めないで』をきいての感想を書きたいと思います。
読みたくない人や途中で気が合わないかもと思った人は読まずにそっとブラウザバックしてください。

まず、タイトルをきいていちばんに思ったことは「エグい」「グロい」です。
わかる、キャッチーだしサムネ可愛いしメンバーももちろんかわいい、だけどタイトルが全オタクの願いであるからこそ、エグいと思ってしまいました。
私だって推しは可愛いしアイドル辞めないでほしい、好きなメンバーがアイドルを卒業した時は目がパンパンになるまで泣いたし卒業公演のチケット取れる前から博多への航空券と宿押えたし、アイドルである未来をずっと描かせてあげられなかったことに対する苦しさもあった、だけどこれをアイドルが歌うことに対する抵抗感があったのです。

まず、アイドル辞めないでって願うことって、アイドルにとっての選択肢を狭めることになります。
彼女達のこれからの人生、何があってもアイドルであってほしい、って願うことで、それって本当に彼女たちにとっての幸せなのか?と思うのです。
まだ年齢もそんなにいかないうちから、アイドルかわいい!なりたい!くらいの気持ちでとりあえずアイドルになってみたら、めちゃくちゃ大変で勉強も出来なくて学校行事も欠席したりで普通には送れなくて……
それでも私達に幸せを届けてくれるアイドルさんが、例えば次の夢をみつけた時、快く見送ってあげたい……
だから私は「絶対アイドル辞めないで」とは思うけど本人には伝えたくないです。

それを本人達が歌うということ。
もちろんアイドルとしてどうみられているか、考えながらの活動のはずだから、いろんな計算があってのこの歌なんでしょうが、すごくむねが痛くなってしまいます。
この歌があるからオタク達も軽率に「アイドル辞めないで!」ということができてしまうし、それがおたくからの愛という見え方も分かるのですが、やっぱり言葉の力を信じてしまう私なので、アイドルさんの心の心配をしてしまいます……
もう辞めたメンバーがいるグループでありながら、辞めるということがそこまで形を持たないグループではないながら、結構登るところまで登っているアイドルが、「辞めないで」と言われること、人によっては辛くならないのかなぁ……とこっそり思っています。

あと、これはイコラブちゃんに存在する特殊事情かと思いますが、この作詞、プロデュースをした人間が「元アイドル=アイドル辞めた人間」であるというところもグロいです。
もちろん、指原もアイドルをしていて、しかも頂点を極めたと言っても過言ではなくて、そんな人がアイドルとしてどう生きるかとか、どう生きてきたとか、哲学を持っているに決まっているのですが、そんな人が、自分が守らないといけないアイドル達に「アイドル辞めないで」と公に歌わせる、というところにちょっと怖さを感じています。
もちろんさしこちゃんも好きだし、私の推しのみぃちゃんとも仲良しだから関わりもあって、好きだな〜と思っていろんなものをみてるし、本人がアイドルオタク出身であることもわかっています。
アイドルオタクからみて「アイドル辞めないで」と思う気持ち、アイドルとして「辞めないで」と言われる気持ち、どちらも分かるさしこちゃんがこれを書いて、歌わせるというところがすこしビックリだったのかもしれません。
もちろんプロデュースとしてこういう歌を歌わせるとはねるだろうなと思ったこともわかるし、絶対意図してやってるのも分かってる、だからこそ、彼女達のフォローもきちんとしていてほしいな……と思います。
もちろんさしこちゃんならしているだろうし、アイドル辞めないで!といいつつ、辞めたい、という相談には真摯に乗っているんだろうなという予想はしつつ。

そんなこんなとうだうだ書いてる私ですが、曲を聴いて、MVをみて、この曲にぶち上がり大好きになっている自分がいちばん嫌なのかもしれないです。
こんなキャッチーな曲で、キラキラしてて、アイドルへの愛に溢れていて、ダンスもかわいくて、幸せで、気持ちを代弁してて……
好きにならないわけがない。
この「アイドル辞めないで」という気持ちをアイドルの輝きにのせて肯定されるような気持ちになってしまっているのが苦しいです。
だって私はアイドルが好きなんだもん……
この二律背反な気持ちに、自分のアイドルオタクとしての辛さを感じてしまって、よりこの曲に物申したく(?)なってしまうのかもしれない、これがオタクという生き物なのかもしれないですね……

歌詞だって「空で輝いて 星は街じゃ輝かないの」とか「ただのエゴとわかってても君はキラキラ衣装が似合う!」とか、アイドルを応援する人のことがわかっている人じゃないと書けない歌詞で最高なのに「好きな人がいるのなら内緒にして」「神様は将来と指輪をどこかに隠してね」「君の夢がアイドルじゃなくても覚悟してるから」とかアイドルとして以外の可能性を否定するような歌詞に胸を痛めたり、その口で「おとぎ話」「夢よ覚めないで」と歌う……
こんなに情緒を不安定にされることある?というような苦しさに襲われます。
かわいい子を素直に可愛いと応援する、この刹那、一瞬が愛しいと思ってアイドルを応援してるので、アイドルは自分の心の中で永遠であってほしいと思っているんだなぁ、彼女達の人生は彼女達に選んで進んでいってほしいと思ってるんだなぁと改めて認識をした、そんなきっかけになりました。

話は変わるのですが、PVみてきゃーたんの3番手には心を震わせました。
最初の頃は後ろの方で一生懸命だった子が、こんなにバリバリ前の方で歌い踊って自信たっぷりで、かわいくて愛しくて……成長と感慨を感じました。
もうイコラブちゃんに序列なんてあまり関係ないのかなぁなんて思うのですが、推しが前の方で輝いてるのを嬉しそうにしてるのをみるのは、やっぱり格別だなと思うのです。
こんなにエグい、辛いといいながら曲を聴いて最高な気持ちになって、推しの序列を喜びながら歌詞の一部を深読みして苦しくなる、これがオタクとして生きる私の生き辛さ……

これからも推しは輝いて、幸せでいてほしいと思いながら、絶対アイドル辞めないでほしいと思いながら、自分の人生に責任を持てるのは自分だけなのを忘れないでほしいと思いながら、本当は私が望むことは推しの絶対的幸せなんだなと改めて思いながら、複雑な気持ちで明日からもアイドルを応援していきます。
これからも私はアイドルがすきです。大好きです

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