牡鹿戸 2021年4月27日 23:04 彼にとって、自分自身をえぐるのは刃を研ぐ作業と一緒なのだろう。生きることは草薮を薙ぐこと。他人が馴らした道を歩けない者は、鬱蒼とした緑の薮を進むしかない。切れる得物は持ち手をも傷付ける。それでも彼は生きるしかない。自分を傷付けるほどに彼の周りは拓けてゆく。 1