株式公開買付(TOB)リリース記事の読み方と投資家としてとるべき対応を知る

高配当利回りで人気のNTTドコモ株が親会社のNTTによって完全子会社化されることになりそうです。今回初めて自分の保有株が株式公開買付(TOB)の対象になった方は、いったい何が起きるのかわからずおろおろされたかもしれません。

自分の保有株でTOBを3度ほど経験し、かつて証券アナリストを生業としていた頃に仕事で株式公開買付→完全子会社化についてちょっと調べてレポーティングした経験から、少しここにコメントさせていただきます。ホルダーさんのお役に立てたら幸いです(残念ながら私はドコモ株を持ってないんです しくしく)。

さて、このnoteの目的は9/29の記者会見後にリリースされた文書を読み解くことです。今回のようなリリース文書はTOB→完全子会社化を想定されている場合、フォーマットはよく似ていますので、ここで読み方を知っておくと、今後同じような発表がなされたときに慌てなくてすみます。

まずTOBとは何者かを踏まえましょう。

ある株式会社の株式の買付けを、「買付け期間・買取り株数・価格」を公告し、不特定多数の株主から株式市場外で株式等を買い集める制度のことで、日本では公開買付けをTOB(take-over bid)と言うことが多いです。 金融商品取引法に定められた手続きであり、一定の大規模な株券等の買い集め行為に対して、公開買付けを実施することを義務付けています。

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