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ここは途上国? 電力不足の日本

暑い夏がやってくると突然言われ始めた「電力不足」。電力が足りないなんて、まるで発展途上国みたいです。人の命や暮らしを守るために、絶対に必要な電力を「足りないかも」みたいに簡単に言っていいのでしょうか。

東日本大震災の輪番停電を思い出す

当時、僕が代表をしているれんげ舎では、カフェを経営していました。飲食店ですから、冷蔵庫も冷凍庫もあります。看板メニューは「瓶詰めプリン」で、消費期限の短い生洋菓子です。デパートなどでも販売していました。

震災直後、東京も停電しました。冷蔵庫も冷凍庫もとまり、大量の廃棄を出しました。輪番停電の話が来たときは、廃業を覚悟しました。小さなテナントですから、予備電源などありません。自分の家なら多少常温保存されても腐っていなければ使いますが、お店ではそういうわけにはいきません。

輪番停電の地域に入っていて、覚悟をしていましたが、なぜか電気は止まりませんでした。おかげで店をその後も続けることが出来ました。今回、日本政府は平然と「電力不足」などと言っていますが、死活問題だと戦々恐々としていた人たちが多いはずです。

「電力不足」は気軽に口にしていい言葉ではない

電力不足だとか、停電だとか、気軽に言っていい言葉ではないと思うんです。さんざん脅かされて、選挙が終わると、原発の再稼働による電力供給安定化の話が出てきました。僕は今回、なんだかちょっと頭にきました。

原発については、賛否両論あります。そして、僕が怒ったのは、原発再稼働の賛否とは無関係です。

「電力足りないと困るよね…? 困るでしょ? 本当に停電するかもよ?
熱中症対策にエアコンは使ってね。コロナがあるから換気はしてよ。あ、でも節電は絶対頼むね!」

みたいなイントロが猛暑のなか延々と続いて、さくっと「原発再稼働するよ?」は、さすがに国民を見下し過ぎではないでしょうか…。

電力不足の理由や程度、とても複雑です。命を守る電力だからこそ、原発の是非に振り回されず、しっかり現状を把握し注視したいと思います。

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