欲しいものと本当に欲しいもの
「あなたの欲しいものは何ですか?」
こう質問されたら、何と答えますか。それはモノでしょうか、コトでしょうか、それともアリヨウでしょうか。そして、ここが今回の一番大事なところなのですが、あなたが「欲しい」と答えたそれは、あなたの本当に欲しいものですか。
欲しいものは沢山ある
僕はイベントなんかを主催すると、可能なら集まった人たちに参加の動機をききます。自己紹介なんかもしてもらうのもいいけれど、かえってその人にとっての本筋から外れていくようで、あまり意味を感じないからです。
その点、参加の動機、つまり「何が欲しくてきたの?」というのは、もっとも核心をついた質問だといえます。
でも、質問そのものが核心をついていたとしても、人が自分が本当のところで何を求めているのか、意外と知らないようです。
頭の欲しがるものと身体の欲しがるもの
「なぜ、それをするのですか?」
という質問に、理屈で答えているうちは、本当に欲しいものを自分でもなかなか自覚できません。周囲に対して取り繕っているという場合もあるでしょうが、自分でも分かっていないのでなんとなくの理由でお茶を濁すしかないという場合が殆どではないでしょうか。
なんでも脳科学の分野では、人が行動するときは、顕在意識よりも少し前に、潜在意識がそれを決定していると言われているとか。
でも、そんなの脳科学からアプローチしなくても分かりますよね? 内省してみて、正直なぶっちゃけた自分の本音を向き合うと「これが嫌なんだ」とか「こうしてほしいんだ」というような、自分の願いに行き当たります。あんまりかっこよくないかもしれませんが、実感があるなら、それこそが「欲しいもの」ではなく「本当に欲しいもの」です。
自分でも自分が分からない。そんなの普通です。だからこそ、「うん、それが欲しいんだね。でもさ、本当に本当のところで、何が欲しいの?」と自問し内省することは、自分の本当の願いとつながる大切な手段ではないでしょうか。