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非DJによるDJ論

たびたび話題になるDJ論は、なぜか論争に発展してつまらない結果や妙なモヤモヤを残し通り過ぎていく。これも曲と曲を繋ぐと良いとかイマイチという気持ちがもたらされるDJという行為によるもの故か。

All That You Are / Craig Conner,Julie Wemyss,John Leslie Long

思うにいいDJというのは

定義づけられないもので、その時代、場所、その時の気分、それぞれで変わったりする。あとで聴き直してみたらひどかった、しかし、その場ではそれが大正解だった、なんてよく聞く話だ。DJが爆発的に増えたいま、わたしの主観でいいDJだと思うパターンを(脳内)整理したいと思う。

わたしの目として。

クラブイベントを絵描きに例えるとわたしはキャンパスで。そこに彩色された結果どんな絵になるのか、と考えている。べちゃべちゃと塗りたくっている時が楽しかったり、描かれている途中はわからなかったことが描き切ってから見えてきたり。画材はDJ、VJ、箱、イベント、お客さん、そして自分自身。絵の好みはフライヤーを見て判断。お酒でも飲んで楽しく描こうという感じ。知らない画材は前評判や選曲、ジャンル、出演イベントからどんな絵を描くか推察。実際は人物や性格に寄ったりもするが、そのDJはどこに向けてどんな曲をかけるのか、そこに人間性が出るからだ。

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パターン①

お客さんの顔を見て選曲をやさしくすることも大切だが、必要なときに必要ないじわるも描いてる中では必要に思う。後のカタルシスのために仕事をこなすDJというのはストイックに見えてこれも大変よろしい。またそれは時間帯にもよる。何時にどんなプレイをした、それが後に影響することもあるためだ。

パターン②

どんな時間にも自分のスタイルができるDJもいい。選曲のセンスは時間帯によってかなり出ると思う。初めて聴いたひとにも引っかかるようなプレイをしている姿が格好いい。

パターン③

格好いいといえばルックスもあると思う。これが結構面白いのだが、ルックスによって左右するDJの良さというのは確かにある。チャラそうなひとがチャラい曲かけると盛り上がるのだ。逆にストイックな曲をかけるのも乙なのだが、見た目通りのプレイを期待するひとは少なくないだろうし、またおそらくそれは世間一般である。逆にパッとしないルックスほどセンスが光るのは、そのDJの発する心の光のようでとてもきれいに見えて心地いい。

パターン④

技術的に魅せることも大切だ。聴き手には伝わりづらかったりするのだが、パッと例を挙げるとトラブルの対処だ。配線の接触不良か、スクラッチライヴが片方動かないというというところで曲を途絶えさせることなくCDJに切り替えたときの「これがDJだ」感は未だ忘れられない。

パターン⑤

昨今のDJ機器の進化はDJ自身のフィジカルでのパフォーマンスを要求するようになった。しかし、DJっぽい動きをすることの威力というのは絶大で、身体もエフェクタのひとつとして使うことが当たり前になりつつもある。笛を吹いたり大きい光るうちわを振り回したり、これはあかんでしょ!wということも結果として面白かったり「様」になっていれば盛り上がるのは明らかである。グラスの飲み方ひとつでもカッコいいDJもいるのはその音楽に乗っている姿が様になっているからだ。

パターン⑥

いま注目しているのはDJ個人の影響力で。というのは、そのDJの友人が音楽に詳しくなると、よりミックスアップして新しい景色が生まれるような気がしているからだ。ひとりのDJというか音楽オタクが周りに及ぼす影響力、感応する仲間、ひとはひとによって磨かれる論だ。まだまだ若く粗削り故に、わたしとは違った軌道と時間軸でわたしたちの世代のアンセムを賛美してくれるDJがどんな絵を描いてくれるんだろう、と考えている。成長性もいいDJの資質だと思う。これは未検証なので共感しなくて大丈夫です。

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結局、

誰かを思いながら散文的に並べてみた。このようなことをきっかけにあのDJが好き、ハマった、という人もいるのではないだろうか。気をつけてほしいのは、どれかひとつがDJ論ではない。これらは誰かを好きになるきっかけではあってもDJ論ではないからだ。枠が大きすぎて人間をたくさん敷き詰めてやっと答えが出るようなものなのではと思う。なので実はなんもわからんぐらいが丁度いいかもしれない。

わたしはわたしの好きなDJが好きで、その時いいと思ったらいい。誰でも大好きとか、DJやっていればそれでいいというわけでは一切ない。しかしわたしなりに考えているうちに結構幸せさせてもらっている。みんなの好きをたくさん集めて、それが増えたら良いなと思いこのテーマを書こうと思った次第。みんなのDJ論に幸あれ。

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最近おもしろいなと思った話。

本当かどうか怪しいのだが、一部で好きなひとや作品などをイメージしたSpotifyのプレイリストを作る文化が流行ってるらしい。好きな漫画のプレイリストを友達に教えてもらったのだが、その友達の感性をいかんなく発揮したもので、わたしは泣くまでいった。そのひとの感性や視点を覗かせてくれるみたいですごくおもしろかった。同時にDJもそうだよなと。本当に必要なのは愛だけなので、良い作品、そういった事象に出会ったらやってみたい。

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