さとみっち

しょもうない日常のひと手間🥹

さとみっち

しょもうない日常のひと手間🥹

記事一覧

最後の晩餐

20日付で閉店になった職場の慰労会が、近所の和食料理店で行われた。 平素から仕出し料理なども受け付け、大宴会ができるカラオケ付きの大広間で、魚を中心とした贅を尽…

さとみっち
2週間前
1

今日から俺は

無職です。 遡ること6月15日(土) 朝っぱらからスーツ姿の男性たちとバックヤードですれ違う。何やらものものしい雰囲気を醸し出す連中の正体は本部の人間だとすぐにわか…

さとみっち
2週間前
3

髙橋健太郎

パリオリンピックバレーボール男子、日本が準々決勝でイタリアに3ー2で敗れた。とにかく男子の前評判はすさまじく、神7ならぬ神14(今回選抜を逃したラリー選手小川選…

さとみっち
1か月前
2

星降る街2024

昔話をしよう。 「星降る街」という朗読劇に出会った。東京で舞台製作関係の仕事をしている親戚からの有難いお誘いに乗った。夏まっさかりの都会を三重の田舎のおばさんが…

さとみっち
1か月前
2

続・コーヒー依存症

一念発起によるカフェイン断ちを敢行してから早いもので二週間が経った。 あらすじという程のものではないが、前回はカフェインの離脱症状で偏頭痛と吐き気に見舞われて苦…

さとみっち
2か月前
3

コーヒー依存症

カフェイン断ちを決意しました。 決意というか、ゆるゆるっと、膝カックンされてそのまま走り出すような程度の勢いではじめてついに二日経ちました(三日坊主まであと一日…

さとみっち
3か月前
1

この世には2つの悲しみがある、花粉と花粉だ

花粉症にはつらくて悲しい出来事が二つある。 一つは単純に症状の苦しさ。何をしても手つかずで落ち着かない。著しい集中力の低下。頭がぼーっとして常に風邪っぽい。くし…

さとみっち
4か月前
4

目薬の話

不器用な話をする。 この世には、目薬を差せる人間と差せない人間の2種類に分けられる。そして私は見事に差せない側に分類されている。 小学生の頃、マイポシェットから…

さとみっち
5か月前
1

MIENEXTAGE2024「旗揚げ公演」

MIENEXTAGE2024「旗揚げ公演」開幕! 私にとっても恒例イベントになってきた。この挨拶文も前に書いた気がする。感想文も毎回同じようになりがちだけど、パワーある劇団の…

さとみっち
6か月前
6

※ネタバレ【映画】ある閉ざされた雪の山荘で

『ある閉ざされた雪の山荘で』 簡単なあらすじ。演出家・東郷陣平率いるストイックな(こじらせ高尚様)劇団「水滸」の最終オーディション会場の別荘に集められた7人の俳…

さとみっち
7か月前
5

『マリッジ・ブルー?』

演劇集団Cブレンド公演『マリッジ・ブルー?』を観賞した。 私が普段主として見る演劇は、狭い箱に精一杯の私物と自腹感満載のセットを並べて、演技の上手いおじさんたち…

さとみっち
9か月前
5

ゴジラ-1.0

ゴジラ-1.0を観ました。戦後ボロボロになった日本がさらにゴジラに襲われてズタボロになるという意味でマイナスがタイトルなんだと、観賞後に家族から教わりました。なるほ…

さとみっち
10か月前
4

伊坂幸太郎【モダンタイムス】

渡辺拓海はごく普通の性格で、ごく普通ではない妻とごく普通の生活を営むごく普通のシステムエンジニアである。前任の五反田先輩の失踪により、急遽後輩の大石と共に『株式…

3

最後の晩餐

20日付で閉店になった職場の慰労会が、近所の和食料理店で行われた。

平素から仕出し料理なども受け付け、大宴会ができるカラオケ付きの大広間で、魚を中心とした贅を尽くした料理でもてなされる。特に売りは超巨大エビフライ、らしい。

私は小さい頃から仕出し系が苦手なので、贅を尽くした食事やまして巨大エビフライにもまったく食指は動かないのだが、8年間共に働いた仲間との最後の別れだから喜んで行ってきた。

もっとみる

今日から俺は

無職です。

遡ること6月15日(土)
朝っぱらからスーツ姿の男性たちとバックヤードですれ違う。何やらものものしい雰囲気を醸し出す連中の正体は本部の人間だとすぐにわかる。なにしろ私の勤める店は、毎日がコピーアンドペーストでできているんじゃないかというくらい同じ流れ、同じ作業、同じメンバーで構成されているからだ。男性といえばたった2人の管理職と夜しか現れないバイトくらいのものである。関係者然としてウ

もっとみる

髙橋健太郎

パリオリンピックバレーボール男子、日本が準々決勝でイタリアに3ー2で敗れた。とにかく男子の前評判はすさまじく、神7ならぬ神14(今回選抜を逃したラリー選手小川選手含む)とも呼ぶべき色鮮やかで実力のある選手たちが2024を狙い済まして集まってきた。それぞれ言葉を変えて語り尽くせるプレースタイル、名将ブランと絶対エース主将石川のうしろをカルガモのように付きながら、のびのびと個性を爆発させる若者が強い結

もっとみる

星降る街2024

昔話をしよう。
「星降る街」という朗読劇に出会った。東京で舞台製作関係の仕事をしている親戚からの有難いお誘いに乗った。夏まっさかりの都会を三重の田舎のおばさんがひとりでえっちらおっちら歩いて、合流した友人に汗のにおいが伝わらないか妙なことを気にしながら、見始めたら汗のことは消し飛んで80分があっという間だった。プロの声優の朗読を生で聴くのも、また彼らを生で見るのもはじめてだった。
終わったらぼうっ

もっとみる

続・コーヒー依存症

一念発起によるカフェイン断ちを敢行してから早いもので二週間が経った。

あらすじという程のものではないが、前回はカフェインの離脱症状で偏頭痛と吐き気に見舞われて苦しんでいるところで幕を閉じた。私は患者だった。そういう話だったな。

いくらか軽減されたものの、頭痛はほぼ毎日起きている。寝たきりレベルではなく、頭の横のあたりがツーンとするような不快感がある。

カフェインが締めていた神経が膨らんで、夜

もっとみる

コーヒー依存症

カフェイン断ちを決意しました。

決意というか、ゆるゆるっと、膝カックンされてそのまま走り出すような程度の勢いではじめてついに二日経ちました(三日坊主まであと一日だァ!)

自分で言うのもなんだけど飲み過ぎ。いつから飲みはじめていつから好きになったのかもわからない。そもそもコーヒー好きなのかな?傍にいることが当たり前で手放せないだけなんじゃないか?

飲むものなければとりあえずコーヒー。カフェに入

もっとみる

この世には2つの悲しみがある、花粉と花粉だ

花粉症にはつらくて悲しい出来事が二つある。

一つは単純に症状の苦しさ。何をしても手つかずで落ち着かない。著しい集中力の低下。頭がぼーっとして常に風邪っぽい。くしゃみしまくったせいで赤い鼻たまに鼻血。目が痒くて痒くて指先でアイホールをクリクリ押すだけでは辛抱たまらず、家に着いた途端に思い切り掻いて掻いて掻きまくったときのいっときの開放感そして悔恨。五分で崩れ落ちる化粧。湯水のように減っていくボック

もっとみる

目薬の話

不器用な話をする。

この世には、目薬を差せる人間と差せない人間の2種類に分けられる。そして私は見事に差せない側に分類されている。

小学生の頃、マイポシェットから颯爽と目薬を取り出し、鼻をかむのと同じ気軽さで目薬を差し、上を向き、器用にまばたきする友達をかたわらで惚れ惚れとしながら見守ったものだ。

的確なゴールデンドロップ。透明の一粒が瞳に吸収されていく姿が美しい。また本人の「あ、差しておこう

もっとみる

MIENEXTAGE2024「旗揚げ公演」

MIENEXTAGE2024「旗揚げ公演」開幕!

私にとっても恒例イベントになってきた。この挨拶文も前に書いた気がする。感想文も毎回同じようになりがちだけど、パワーある劇団の方々が毎回趣向を凝らしてさまざまなネタ持ってきてくれるからその心配はなさそうだ。とても助かる。

さて、今回のミエネクはいつもとひと味違う。どう違うのかというと、今まではそれぞれが珠を繋いでひとつのブレスレットを作り、それを

もっとみる

※ネタバレ【映画】ある閉ざされた雪の山荘で

『ある閉ざされた雪の山荘で』

簡単なあらすじ。演出家・東郷陣平率いるストイックな(こじらせ高尚様)劇団「水滸」の最終オーディション会場の別荘に集められた7人の俳優たち。本多雄一(間宮祥太朗)、元村由梨江(西野七瀬)、雨宮京介(戸塚純貴)、中西貴子(中条あやみ)、笠原温子(堀田真由)、田所義雄(岡山天音)+フリーの下っ端俳優・久我和幸(重岡大毅)

7人に与えられた最終オーディションとは、外部との

もっとみる

『マリッジ・ブルー?』

演劇集団Cブレンド公演『マリッジ・ブルー?』を観賞した。

私が普段主として見る演劇は、狭い箱に精一杯の私物と自腹感満載のセットを並べて、演技の上手いおじさんたちと姉が汗をかきながら大騒ぎする舞台である。このほど姉含む女性二人がおじさんたちの世界観から飛び出し、Cブレンドの客演にと有り難くもお声がけ頂いたということで、母と二人行ってきた。本当は父も含めて三人で行くはずだったが、父は前日に高熱を出し

もっとみる

ゴジラ-1.0

ゴジラ-1.0を観ました。戦後ボロボロになった日本がさらにゴジラに襲われてズタボロになるという意味でマイナスがタイトルなんだと、観賞後に家族から教わりました。なるほど、なかなかネガティブで身も蓋もないタイトル。実際そうだったしね。

私のゴジラ史は幼少のみぎりより始まり、父の英才教育の賜物で小学2年生にして「モスラの歌」がフルで歌えるほどだった。今も歌えますよ。
毎年正月の時期になると近所の映画館

もっとみる
伊坂幸太郎【モダンタイムス】

伊坂幸太郎【モダンタイムス】

渡辺拓海はごく普通の性格で、ごく普通ではない妻とごく普通の生活を営むごく普通のシステムエンジニアである。前任の五反田先輩の失踪により、急遽後輩の大石と共に『株式会社ゴッシュ』の案件を任されることに。
ところが、いざ現場に行ってみるとそこは殺風景な貸しビルであり、同じく外部からの雇われ作業員・工藤という青年がひとりきり。簡単なコードを弄るだけだというのにゴッシュとは一切連絡がつかず、連絡を取ろうとす

もっとみる