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青春

映画「くれなずめ」を見た。


その晩、大学時代の友人と
カラオケでアジカンの「遥か彼方」を熱唱する夢を見た。
何故か肩を組みながら、マイクを奪い合って
馬鹿みたいに騒いでいた。

くれなずめでは
高校の友人同士の青春が描かれていたが、
私にとっての青春は大学生活である。

高校生活も確かに楽しかったが、
大学のサークル以上に濃厚な時間は
後にも先にも無いと思っている。



音楽は好きだが、趣味を聞かれて音楽と答えるのは賢くないな、と最近思う。

大学では軽音サークルに所属していました、
と話すと、
どんな音楽やってたの?と聞かれるが、
いくつかのバンドを答えて、
そこで盛り上がった経験はほとんどない。

ランニング、テニス、キャンプ、、、、
そこまで精通していなくても、
スポーツやレジャーを答えた方がその後の会話が繋がるものだ。


軽音サークルの仲間たちとも、
出会った瞬間から音楽の趣味がドンピシャだった訳ではない。

毎月のようにライブや飲み会をして
同じ時間をたくさん過ごしてきたから
通じる言語が増えただけだ。

コピーバンドを通して
自分の好きなバンドの良さを伝えることのできる環境が
とても貴重なものだったのだと気付かされる。


これからの人生、
まだまだ出会いはたくさんあるだろうが、

Hump Backの月までを歌いながら一緒に号泣してくれる友達や、
パスピエのS.Sでコールしてくれる友達には
もう一生出会えないのだろう。


社会人になって、
趣味にかけられるお金が増えた。
大学時代にはなかなか挑戦出来なかったキャンプを始めてみようと思ったりしている。


それでもやっぱり、
一番好きなものをちゃんと一番好きだと言えるあの場所が、時々恋しくなる。


この恋しさはきっと過去への未練で、
私もある意味、暮れなずんでいるのかもしれない。


戻れないからこそ、愛おしい。
それがきっと青春というものなのだろう。





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