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OW2 - 何もしていない時間は悪じゃない

お疲れ様です。
おさしみです。

毎週更新を 2 ヶ月弱続けてきましたが、仕事が忙しくついに途絶えました。
ぼちぼち頑張ります。

さて、今回は中級者帯で見るような気がする、「なにかしなきゃ」と焦る人について書きたいと思います。

他のゲームに比べてハイペースで進行するゲーム性に加え、お互いの体力やアビリティを削り合って差を作っていくことが重要とされるこのゲームにおいて、「何もしていない時間」が悪だと感じる人は多いように思います。
しかし、実際は「なにもしなくていい」「そこにいればいい」「生きてさえくれればそれで良い」「推しが今日も元気で嬉しい」ということは多いです。
何もしていないようで実は盤面に影響を与えている、ということもままあります。

この記事では、なにかしなきゃ症候群のみなさまへの処方箋として、様々な角度から「なにもしないこと」について語りたいと思います。
お付き合いお願いいたします。


なにかしなきゃ症候群とは

まずは「なにかしなきゃ症候群」について自分の所感を語ります。
自分ではそうとは思っていなくても、実はそうだった、という自覚症状のないケースもありますので、以下の症状がないかご確認ください。
もし、該当する症状が多ければ、急いで医師にかからず、この記事を落ち着いて読み進めてください。

なにかしなきゃ症候群の症状例

  • 体力が少なくても敵を撃つ

  • 敵に狙われていても身を隠さない

  • 自分が死にそうでも味方のヒールが最優先

  • 味方とやたら固まりたがる

  • ポジショニングをめったに変えない

以上が上げられます。
自分がどんな状況であれ「メイン・サブ攻撃」に該当する行動をし続けたがる傾向にあります。ダメージヒーローやタンクヒーローなら攻撃、サポートヒーローならヒール行動を優先したがるということです。

味方と固まりたがる、ポジショニングを変えない、というのもそれに起因しています。
敵に狙われて分断されている間は攻撃や回復ができませんので、そうならないようにそもそも分断されないように固まるということ。もしそれでウィンストンのビリビリや、ファラの爆風ダメージを喰らおうとも「攻撃・回復し続ける」という当人の優先案件は達成されているわけなので、違和感を持たないのです。
ポジショニングを変えないことも似ており、ポジショニングを変える、リポジショニングの間には少なからず味方や敵から射線が切れる時間があります。その間には当然、攻撃も回復もできないわけですから、それを想像してリポジショニングを嫌うということですね。

感染者のマインド推測

自分も前までは「なにかしなきゃ症候群」に感染していました。なんなら今でも時たま焦ったときに発症してしまいます。
持病のようになっていて発作が起こっているとも言えますね。

そのため、感染者の方の心持ちもわかります。

  • ダメージ・ヒールの数字を比較して、周りのプレイヤーにおいていかれないようにしたい。

  • スタッツが悪くなり「〇〇 gap」「〇〇 diff」と言われないようにしたい。

  • ヒールが間に合わず回復要請連呼されたり、「sup?」と言われたりしないようにしたい。

  • チームに自分も戦闘に参加しているアピールをしたい。

  • 敵と比較して自分の影響力が小さくならないようにしたい。

などなど。
とにもかくにも周りの目を気にしすぎちゃうのが日本人らしさが出ていますね。

会社とか学校とかで求められる「『仕事・勉強頑張っている感』を出す能力」がここで発揮されちゃってるケースがありますね。
担当業務が早く終わったので別の人の仕事をもらって進めます。宿題終わったので予習がんばっています。実は「なにかしなきゃ症候群」の人がやっていることは同じなんですよね。

処方箋

患者の皆さんの症状確認と問診がおわったところで、処方箋出していきますね。
マインド的な話から、実際の戦術的な話まで。
患者を長居させるわけには行きませんのでサササッといきましょう。

日本人マインドをとっぱらおう

先ほど、日本人マインドが出ていると申したのでそこから考えましょう。

日本人マインドを除いて仕事や勉強を考えてください。めんどくさい上司や先生、親はいません。
担当業務が終わってノルマが達成されたら、もう帰っちゃいましょう。それかのんびりコーヒーでも飲みましょう。
宿題が終わったら友達と公園でサッカーかスリーブ入ってない輪ゴムで止めた、砂まみれのトレーディングカードゲームをしましょう。

体調が悪かったら有給取りましょう。学校に電話しましょう。
パフォーマンスでない状況で行ってもしょうがないし、出先で重症化したらそれこそ一大事です。

もし学校で体調が悪くなったら。
病人を保健室に運んで、ベッドに寝かせて保健室の先生呼んできて。親に電話して迎えに来てもらって。クラスメイトが教科書等をカバンに詰めて帰り支度をする。
大変だ。
家で勝手に倒れたならこの手間はすべて発生しないわけです。

OW2 でデスすることも同じです。
残された人々、周りの人々が被害を被るわけです。

体調悪いなーと思ったら家で大人しくしててください。
OW2 も同じです。しんどい状況だなーと思ったら安全な場所で大人しくしててください。
明日の宿題やらなきゃ、得意先に連絡しなきゃ、これだけは・・・みたいなことせず、布団かぶって目瞑ってください。

「ちょーっとだけ弾、撃っちゃおうかな」とかやめてください。
そんなの誤差です。
そんな誤差で大惨事を引き起こすくらいなら、期待値含めてやらないほうがマシです。
健康になったら頑張りましょう。

デスを舐めない

先の学校で悪化したら、職場で深刻化したら、という話を OW2 に戻して深堀りしていきましょう。

当然ですが、デスしている間は何もできません。
せいぜい味方を応援したり、味方のプレイに一喜一憂したりするくらいでしょう。

「何もできない」ということを軽く捉えていませんか?
何もできないということは何もできないということなのです。

体力が少しでもあり、生きているだけで敵は「貴方が何をするか」について注意を割く必要があります。
敵からしたら体力を減らした敵が「いつ」「どこに / だれに」「どうやって」しかけてくるかの予想は非常に難しいです。
少なくとも敵を倒せば、デスタイマーと自分の地点までの距離から敵の到着までのおおよその時間を算出できます。さらに、敵リスポーン側からやってくることもだいたい予測がつくので、不確定な要素は非常に少なくなります。

これまでの記事でも何度か話題に上げていますが、「敵のヘイトを買う」というだけでも立派な仕事です。
「体力を減らした」という理由で貴方を追いかけてくる敵がいるかもしれません。そこで敵が深追いすれば味方が攻勢に出られるチャンスになるかもしれませんし、貴方を追いかけている間その敵は残りの味方に手出しをしないということにもなります。

「体力を減らしたけど逃がした!」という敵に対して「追いかけようかな」「無理はしないでおこうかな」という判断をしている時間、使用している脳のキャパシティは上位帯に行けば行くほど命取りになっていきます。
その判断をする間もなく、逃がしたはずの獲物がひょっこり顔を出し、さらに倒し切ることができたら儲けものですよね。

生きてさえいればなにか強力なアビリティをピンポイントで使ったり、チャンスが突然転がり込んできたりするかもしれません。
クールタイムの上がったアナの阻害瓶を敵にぶち込んだり、回復待ちの間隠れていた貴方に気が付かなかった敵を裏取りできたり。

貴方がダウンすることで、残りのメンバーが狙われやすくなりチームも辛くなります。
特に、ダメージであれば相方のダメージヒーロー、サポートであれば相方のサポートヒーローが狙われやすくなり、彼ら彼女らも満足なダメージディール、ヒール供給ができなくなってしまいます。

生きていることはそれだけで様々なチャンスにつながりますが、デスしてしまったら本当に何も生みません。むしろ、チーム全体の動きを阻害するまであります。デスは影響力 0 に見えてチームのマイナス方向に働いてしまいます。だったら 0 のほうがまだマシですよね。

時間軸とチームリソースで考える

めちゃくちゃ胡散臭い図を用意しました。こちら。

OW の行動を時間軸に表してみたもの

かなりご都合主義でとても簡略化した図です。

攻撃中は 1 秒あたりに 20 ダメージ与え、同時に 20 ダメージ受ける。また、隠れているときは 1 秒あたりに 20 ヒールもらうという仮定をしましょう。
体力は最大 200 で 80 になったら攻撃を続けるか、攻撃を中止して隠れるかを判断します。
1 メモリは 2 秒を表しています。
青い四角は貴方がダメージを出している時間です。

当然、実際の数字はこんなものじゃありませんし人や状況によってばらつきもあります。
この仮定の中で、体力が減っても攻撃を続けた場合と大人しくしてる場合でダメージの差は出るでしょうか?
感染者の方のマインドである「1 秒でも長くダメージを出さないとダメージ量でおいていかれる」という心配は不要なのではないか、という提起です。

青い四角だけ詰めてみたが・・・?

ダメージを出している時間だけを詰めてみると双方でほとんど差がないことがわかると思います。
むしろ、都度隠れてヒールを待ったほうが僅かですがダメージが出ていますね(そうなるように仮定や作図をしたので当然なんですが)

さらに前述の通り、図の下列 B さんは黒い四角の部分でも、敵の判断を迷わせる材料になっていたり、ヘイトを買っていたりと影響力を出しています。
ヘイトを買っている間に味方のダメージヒーローが攻撃を続けてくれれば、実質ずっと攻撃していることになります。味方のサポートヒーローがヒールを続けていれば実質・・・ね。略。

さらにさらに、B さんの黒い四角の時間。B さん自体はダメージを出せていませんが、味方ヒーローが 120 ヒールすることでサポートのウルトチャージに繋がります。
死んでしまうと当然ヒールもクソもないので 120 ヒール分のウルトチャージチャンスを失ったことになります。

こう考えると、B さんは黒い時間もしっかりとゲームにプラスの影響力を出していますが、A さんはそうではありません。
影響力の話で言えば実質、A さんの青四角と B さんの全四角の比較になるわけですね。すごい。

リスクリターン・コストリターンで考える

体力の少なくなったヒーローに何ができるでしょうか?
メインをちょーっと撃ってみたり、残ってるアビリティを苦し紛れに使ってみたり。
所詮その程度です。

体力が少ないという時点で取れる選択肢は非常に少なくなります。
例えば、ラインハルトのハンマーダメージは一発 100 ダメージですが、大体のヒーローは 250 ヘルスなので 3 回まで耐えることができます。
ハンマーの速度が 1 秒に 1 スイングだとすると、残り体力によって 1 - 3 秒の間で行動可能時間が変化します。
バティストがわかりやすいでしょうか。1 秒だとしゃがみによるジャンプのチャージは間に合いませんが、2 秒あればハイジャンプで逃げ切ることができるかもしれません。
キャスディなら 3 秒あればファニングを 2 回叩き込んで敵に致命傷を追わせられるかもしれません。

感染者のみなさんが取っているその行動、本当にデス、つまり 15 秒近くの影響力 0 (マイナス)の時間に見合ったリターンを得られていますか?
自分のデスに見合うだけのリターンは単純に考えたら、敵のデスくらいしかありません。

敵が積極的に自分を殺しに来ている、もう逃げられない、そういう状態で最大のリターンを取ろうとすることは決して間違いではありません。
しかし、まだこちらが生存できる選択肢がある中でやぶれかぶれになってしまうのは非常にもったいないです。

眼の前の数十ダメージ、数十ヒールをとる対価として貴方自身のデスを支払うのは非常にもったいないです。
数秒我慢すればその後の時間で十分なヒールができますし、いろいろな選択肢を取ることができます。
投資みたいなものですね。

持ってる株の価値がちょっと上がったからすぐに売っちゃおうとするか、もっと上がるまで待つか。
めったなことでは価値は下がらない株だったら、基本的に待ったほうがお得なのはおわかりのことと思います。
OW も同じなんですよ。待ったほうがお得なことが多い。

スニーキングゲームを思い出す

メタルギアシリーズ、皆さんご存知ですか?
あの声も見た目も渋いおじさんが大活躍するゲーム。

このゲーム

あのゲーム、潜入ミッション中に的に発見されると敵全体の警戒度が上がり、最終目撃地点を敵がくまなく探しに来ます。
これまで巡回警備していた敵の行動パターンが変化します。
そういうように NPC はプログラムされています。
主人公が身を隠してしばらくすると、NPC は勘違いだと思ったのか警戒を解いて各々の持ち場へと帰っていきます。

対人である OW も実は似ています。

人間も NPC と同じ動きをしてしまう

人間も、最後に獲物を見た場所をついつい期待を持って見つめてしまいますよね。
図では、アッシュの体力を削ったキャスディが、最後にアッシュを目撃した場所に向けて銃を構え続けています。
「もし、瀕死の状態で顔を出してきたらしばいてやる」「体力を回復して戻ってきても、出どころはどうせここだろう」こういう目論見があるわけですね。

しかし、当然のことながらずっとそこに銃を構えておくわけには行きません。
図では回復を終えたゲンジがアッシュとは逆サイドから顔覗かせて、手裏剣を投げてきています。
もしキャスディがアッシュを待ち続けていると、体には無数の手裏剣が突き刺さることになります。
それを嫌ったキャスディはアッシュへの警戒を解かなくてはなりません。そして、警戒対象をゲンジへと移すのです。

スニーキングゲームを引き合いに出したのは、身を隠して何もしないことで、貴方への警戒が解かれるということを伝えたかったからです。
お互いに敵は 5 人ずついるわけですから、ある特定の 1 人だけを警戒し続けていると、他の 4 人にあっさりと足元を掬われてしまいます。

上の図では、アッシュの警戒からゲンジへの警戒へと警戒対象を移していますが、その間には当然若干のタイムラグがあります。
判断するまでのコンマ数秒と、エイムを切り替えるまでのコンマ数秒。あわせると 1 秒弱でしょうか。当然、環境やプレイヤースキルで差はありますが、エイムの切り替えがあるので物理的に 0 秒ということはありません。
そのコンマ数秒の積み重ねが、チーム間の体力差やアビリティ差につながっていくわけです。

ゲンジとキャスディで比べると、「よーいどん」が違うわけです。
キャスディにとってはアッシュが顔をのぞかせることが「よーいどん」の合図なわけで、それを待っています。
しかし、ゲンジにとっては自分が顔を出して、ターゲットを定めたらそこが「よーいどん」なわけです。
無情ながら、誰の「よーいどん」が聞こえても走り出さなくてはダメージレースに負けてしまうので、自分で「よーいどん」のタイミングを作れるゲンジ側が有利なのは言うまでもありませんね。

隠れているだけでも、敵の脳のリソースを使わせてチームメイトに良い影響を与えているということです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
この処方箋で症状が少しでも軽くなっていれば幸いです。

ココまで色々語ってきましたが、何を言いたいか一言で表すなら

デスより重いものはない

です。一言か?これ

死んで良いことなんてほぼないです。
すべての行動の判断基準に「その行動で自分のデスよりも大きいリターンがとれるか?」を考えてください。
もし、自分の 1 デスで敵チームの 4 デスくらいをもぎとれるならそれはやってみていいでしょう。
しかし、大抵の場合そんなことは起こり得ないので、一度冷静になって考えてみてください。

生きてさえいればだいたいなんとかなります。
生きてさえいればゲームに関わることができます。
デスしている間は、ゲームの勝敗に関わることを放棄しているものだと思ってください。
自分の手でチームを勝利に導きたいなら、勝敗に関わる不確定要素を少しでも減らしたいなら、できるだけデスしない選択肢を取り続けてください。

というわけで、お付き合いいただきありがとうございました。
治療に向けて一緒に頑張りましょう。

それでは失礼します。
ではでは。

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