【論文紹介#2】動物福祉のための最適な猫への給餌方法

Feeding Cats for Optimal Mental and Behavioral Well-Being.
M. Delgado and L Dantas.
Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2020; 50(5): 939–953.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7415653/

すんごいかいつまむと、
・猫が肥満になるのは、自由に食事を摂れることが大きな要因である。もちろん退屈だったり多頭飼育のために食事に執着したりすることが原因ともなり得るし、原因となる疾患を有することもあるが、自由に食事にアクセスできることの影響は大きい。そのため、決まった時間に決まった量を決まった回数与え、食事量をコントロールするのが良い。このコントロールのために、自動給餌機を使うのもアリ。フードパズル(フードを入れることが出来る知育おもちゃ)を活用することで肥満の治療に役立てることもでき、フードパズルをペットボトルで自作し活用している飼い主もいる。
・猫が現在の食事内容や食事方法を気に入っているかを確認するために、複数の食事ややり方を試すとよい。例えば、ドライフードを2種類置いてみて食いつきを比較したり、器を複数試してみるのが良い。まだ答えの出ていない問題が2つあり、1つは食事中に器に猫のヒゲが接触することを嫌がるかも知れないことで、そしてもう1つは食事場所を飲水場所の距離を離した方が良いかもしれないことだ。前者を検証するために床に食事を置いてみるのが良い。後者についても実際にやってみるのが良かろう。

※他にも動物行動療法に関しても触れているので興味があればご覧ください。最近はReadableなど安価で和訳してくれるサービスもあるので、これらを活用するのはオススメ。

「コメント」
臨床医やってると本当に思うけど、猫の肥満は解決できないことがすんごい多い。そもそも完全室内飼いだと、どうしても運動不足になる。飼い主が熱心に猫と遊べてるならいいけど、大抵は大して遊べてないことが多いように思える(あくまで主観)。家が広くて猫が縦横無尽に駆け回ってたり、食事を摂る量がそもそも少ない猫だと痩せ型か筋肉質だったりするけど、そんな猫はホントに少ない。食事量のコントロールである程度肥満に効果はあるだろうけど、運動量の確保は難しいだろうなぁと常々思う。EneALAなどのサプリメントが効果的だと嬉しいんだが、まだ語れるほどの経験値はないので僕から伝えられることは無いです(無念)。

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