私もパック・大地もパック
電動顔剃り
土曜日の朝は忙しい。洗面を終えるとすぐにリビングの明るい太陽が当たるところで顔剃りをしていただく。前までは顔剃りは安全カミソリでおこなっていただいていたが、あるヘルパーさんが電動の顔剃りを紹介して下さり、それは優れものであり、安全カミソリよりも綺麗になる。
顔を剃ると肌が白くなる。鼻毛切りも、電動のを買った。これもまた、優れものであり綺麗になる。これを買う前は手動でとても痛かった。若いヘルパーさんが来るといろいろ情報を教えて下さるので、とても助かる。
母が「ブラボー」と言ってくれるかな
顔剃りは、前からヘルパーさんがしてはいけないと決まりがあったらしいが、私は頼んでいた。普通のカミソリは危険だが、鶴のマークの付いたカミソリは安全だ。
母は、私の若い時、安全カミソリがあることを知り使ってみた。すると私が動いても、カミソリで肌が切れなかった。「こんないいものが出来たんだね。かあさん安心して死んで行けるよ」と言ってカミソリを胸に抱き涙をこぼしていた。それだけ母は、私の顔が毛深かったので心配していたのだろう。
今ある電動顔剃りを母が見ると、なんて言っただろうか。「ブラボー」と言って、また抱きしめたのだろうか?美の進化は凄まじいものである。最近聞いた話であるが、機械でクリームを塗り、マッサージをしてくれるものも出来たという。ヘルパーさんが「おこなってくれる店に行かないかい」と進めてくれたが、1回3万円だという。そのことを聞き私の心は後退りした。しかし、心の奥底では(一度でいいから行ってみたいな)と思った。
ヘルパーさんには、やってもらえないことがある
今私は、気が合うヘルパーさんばかりに来ていただいているので、生活が楽である。頼んだことは、大抵のことはおこなって下さる。しかし、ヘルパーの規則書には、やってはいけないことがあふれるほど書いてある。
私が結婚し子供を産んだ時、夫と子供の物は洗濯をしてはいけなかった。食べる物も、私の分だけであった。まぁ大変であった。ヘルパーさん達はウインクをして「洗濯物は洗濯機が洗ってくれるの!みんなの物洗うよ!」と言って下さった。食事も3人分作ってくださった。臨機応変におこなって下さった。でも、甘えてばかりいると、図々しいと思われるので、夫の洗濯物は別のかごに入れ、自分で洗ってもらっていた時もある。お互いに気配りをしなければ、ケアは成り立たない。
お弁当のパック
大地という子供が生まれた時、一人のヘルパーさんは私が子どもを産むことに、疑問を持っていた。「育てられるのかい」と暗い表情になった。
しかし、大地が病院から家に戻ってくると、そのヘルパーさんが「大地君!!大地君!!」と言って離さなかった。私は、洗面をやり、洋服に着替えたかったのだけど、実現するのに時間がかかった。
大地が2歳の時、玄関にあったヘルパーさんのお弁当を食べてしまった。顔中に米粒とおかずをパックしていた。ヘルパーさんと私はそれを見つけて驚いた。ヘルパーさんは、すぐに大地を抱き「美味しかったかい?大地君。今度作ってくるからね」とささやいていた。そして本当に次の週から大地のお弁当を作ってくれるようになった。私はヘルパーさんに何でも食べていただき、お詫びをした。大地のパック事件はそれで終わった。温かな思い出である。
講演会のお知らせ
11月18日(土)にいちご会では『虐待はなくならないのか?』の講演会をおこないます。ぜひお時間のある方はどうぞいらして下さい。今年の北海道は施設や老人ホームなどで、虐待のニュースが多く流れていた。
今は静かだが、静かの裏側で虐待はおこなわれている。私達は何で虐待が起きるのかを語り合わなければいけません。無責任に地域で生きることは許されないことです。
一番の虐待は戦争です。ロシア・ウクライナそしてまたイスラエル・ガザ地区で、立派な住宅地に爆弾が落ち、小さな子どもの命が奪われている。
私は、平和の部屋でテレビを観ていると、映画のワンシーンを観ているような錯覚に陥る。日本も世界も、虐待に狂っているようだ。物価が高くなり、大変だが、ほんの少しでもユニセフに寄付してください。小さな子供達におもちゃや、カップラーメンを食べて欲しいです。
日本もいつ、あの戦争に巻き込まれるかわかりません。戦争は遠い事ではなく近いのです。平和で生きられることに感謝しましょう。
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