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休暇の日にはピザを作る


ケアの上手いヘルパーさんは嬉しい

 土曜日、何をしようかと前の日から考えていた。冷蔵庫にピザの生地があることを思い出し、今日はピザで楽しもうと思った。新しいヘルパーさんは31歳で、洗濯・掃除・着替え・お風呂・調理・・何をやってもらっても上手い!!立ち上がる時も、安定感があり安心だ。最近は色んな心配ごとがあったが、なによりケアの上手なヘルパーさんが来てくれたことが嬉しい。

太陽のようなピザ

 冷蔵庫の中をかき回し、ピザに出来るものを探した。計画性が無かったのでピザが出来るのか不安だった。しかし、トマト・トウモロコシ・玉ねぎ・ウインナー・アボカド・チーズ・ピーマンを見つけて、(あっ!これならできる!!)と思い笑いがでてしまった。ヘルパーさんが野菜を切るのも早い、食材をのっけるのも私の言葉通りにやってくれる。太陽のようなピザが出来上がった。オーブンで焼き、ヘルパーさんが「美味しそうに焼けそうだね」といい匂いがした。オーブンから取り出し、味見をしながらもう1枚焼き始めた。タバスコをたくさんかけた。食べると絶妙な味がした。「ヘルパーさんも味見してよ」と言うと「いや、私は良いです。小山内さん食べて下さい」と言ってなかなか食べてくれなかった。「味見よ!味見!味見も仕事のうちに入るのだから」と言うとやっと細ーく切って食べてくれた。ヘルパーさんは大きな目をもっと大きくして「美味しいーーー」と叫んだ。一緒に作ったものを食べて二人で感動することも大切な心のケアではないだろうか。


タバスコと京子ちゃん

 タバスコというと私は忘れられない思い出がある。もう60年以上付き合っている澤口京子ちゃんと一緒にレストランに行きピザを食べた。京子ちゃんが突然タバスコをピザにバンバンかけ始めた。いつから彼女は辛党になったのか?驚いて私は黙って見ていた。そして彼女は口にピザを頬張った途端「ひえー!これ何よー!!辛くて食べれない!」と叫んだ。京子ちゃんは長い間施設にいたのでタバスコというものを知らなかったのだ。顔を真っ赤にして水を真剣に飲んでいた。「どうして、みっちゃん教えてくれなかったのよ!」と怒られた。「私は、タバスコを知っていると思い込んでいたのよ。だから早く施設を出て来ないとダメということですね」とタバスコ事件は終わった。私の方が早く施設を出ていたのでタバスコがどれだけ辛い物なのか知っていた。でも言って教えていいものか迷っていた。タバスコの字を見ると京子ちゃんの顔が浮かんでくる。

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