多目的トイレは美しいけれど困ったものだ(札幌)

札幌市が公共施設を立て替える上で障がい者トイレを改修すると考えていると聞き、これは私たちの出る番だと思い、市役所の担当者が来て話し合いをしています。
なかなかやる気のある女性担当者(Mさん)と出会い、私は気分がいいです。
前向きに働いている姿は、とても美しいです。
話し合いをしたあとに、その人に宛てたメールを掲載します。

ご担当者(M)様

いつもお世話になっております。
昨日は福祉課と教育委員会の人たちを誘ってくださり、ありがとうございました。
Mさんは区政課施設整備計画担当という長い肩書があったのですね。
作業着を着て、ピアスをたくさん開けている姿お似合いでした。
障がい者トイレを新しいものにしようとする意気込みを感じました。
久しぶりに輝いているお役人にお会いしたと嬉しかったです。

建設は障がい者にとって、大切なケアの一部なのです。いくら優れた介助者がいても、部屋の中が整っていないと危ないケアになるのです。
トイレは特にそれが言えます。
トイレはマイホームではありませんから、100%にすることは大変難しいことであります。
でも色々な障がい者トイレを見て歩き、障がい者の意見を聞き、作ることが大切です。

私はMさんにどのトイレを紹介すれば良いのかと考えていました。
すぐそばにあったのです。
私たちが寄付金を呼びかけ、社会福祉法人アンビシャスを建てました。
その時は日本中の施設を回って歩き、メジャーとカメラを用意し
どんなトイレが良いか考えてきました。
アンビシャスには職員のトイレはありません。
同じ人間ですから、トイレを分けることはおかしいと思ったからです。
一つ一つみんなトイレの設計は違っています。
そこに一緒に行ってみましょう。
昨日来た人たちとみんなで行きたいけれど、このご時世あまりたくさんの人と行くのはよくありません。

Mさんからアンビシャスに電話をかけ、見学の依頼をしてください。
設計を考えたのは私と設計者の人ですから、
あなただけで行かないでください。
失敗したところもあります。
20年前に建てたところですから、オストメイトはついてません。
足りないものも今思うとたくさんあります。
札幌市でもあなたのような人に日本中世界中の障がい者の建物を見に行っていただく予算があるといいのですがね。
今はちょと無理かもしれませんが、Mさんはまだ若いです。
これからです。
障がい者の地域づくりの専門家になってください。
あなたのような若い女性が行っていることはすばらしいことだと思います。
与えられた仕事だけ行うのではなく、自分で考えて行うことがお役人にとって大事なことだと思います。

日本のトイレは世界一です。
世界を回ってもウォシュレットはあまりないです。
マドンナは「日本のトイレはすばらしい」と言っていました。
私もこれから固いメジャーを買って、トイレの色々な所を計っていきます。
とにかく、西区役所の障がい者トイレの設計に力を入れましょう。

やはり多目的トイレという言葉には問題があります。
合理的に聞こえますが、赤ちゃんから子供から若い人から中年の人からお年寄りの方まで使うことが大きな店などには無理があると思います。
車いす用のトイレは車いす用にして、ベビー用のトイレも作り、ちょっと幅広くしベビーベッドや椅子もつけ、オストメイトも付けてはいかがでしょうか。
私はある焼き肉店ではベビー用のトイレがあり、
幅が広いので安心して使えるのです。
たくさん安心してビールが飲めるという事は幸せです。

Mさんにたくさんの思いを書きましたが、昨日来てくださった人たちには分かっていただけると思ったからです。
障がい者の生きる場所を考えるのは学識経験者ではないのです。
そこで一緒に生きている障がい者や看護師やリハビリの関係者やヘルパーさんなのです。
日本の長い福祉の歴史で間違いを起こしてきたのだと思います。
一緒に生きている人達がそれらのことをもっと話し合える委員会を作っていかないと日本一の障がい者トイレを目指すことはできません。
札幌から使いやすい障がい者トイレを発信していきましょう。

TOTOが障がい者トイレの研究に力を入れているのですね。
他のメーカーも力を入れているので競争していただくことが大切です。
私はずっと座っているので、腸の動きが悪いです。
排便するのは命がけです。
体中から汗が出てきます。
トイレに行くのが辛いので、(ものを食べるのを止めようかな)と思ったことさえあります。
しかしウォシュレットによっては水圧が強いものがあり、それを使うと肛門に刺激があり時には楽にでることがあるのです。
札幌市の助成金でウォシュレットを頂きましたが、水圧が弱くて一週間便が出ませんでした。
それをメーカーの人に言うと水圧が強いものもあると聞き替えました。
私はまだ働いていますから買えましたが、月給が少ない障がい者の人たちはそういうことがあっても訪問看護師さんに来ていただき週に二回摘便していただくのですよね。
大変なことです。
私もそのうちそうなるかもしれません。
でも生きている限り、トイレで済ませたいです。
ウォシュレットで水圧の強いものは値段が高いです。
段階によって強い弱い中間と、段階を大きく変えられるようなものがあると良いですね。
障がい者用のトイレの手すりの問題も色々あります。
上下に動くと困る、横に開いても困る、手すりがあると邪魔だという色々な意見があります。
それは今の科学技術でスイッチで手すりの高さや角度などを自動で調整できるようになるはずです。
そういうものはTOTOなどの大きなメーカーの会社が考えていってほしいです。
そういう時こそ、障がい者トイレを使っている人、ケアをしている人の意見を聞き研究ができるのだと思います。
MさんからTOTOの偉い方にお会いすることがあったなら、この意見を言っておいてください。
ここまで考えるのは札幌市は無理だと思います。

では、長々と書いてしまいお許しください。
このメールは秘密ではないので昨日来ていただいた福祉課、
教育委員会の方々に送ってください。
宜しくお願いいたします。
                             かしこ


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