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参観日の記憶。

今では珍しくないけれど、両親が共働き、しかも住んでいる場所からちょっと遠いところが職場だったので、中学まで祖父母の家に帰っていた。
夕ご飯を食べてテレビを観ながらウトウト眠くなる頃、両親が車で迎えに来て、寝ている間に住処に着いているなんて事がよくあった。

保育園は祖父母の家から近い場所だったので、幼い頃は祖母が毎日迎えに来ていたけれど、年長さんになる頃には自分で歩いて帰っていた。
小学校は祖父母の家からちょっと遠くて、しかも学区外だったので、同級生たちといつも違う方向に帰ることになった。子どもの足では結構遠かったのでいつも空想しながら歩いたりして。

祖父母の家の近くには、同じように共働きの家の子どもたちが預けられている学童保育があった。そこは保育園の頃に一緒だった子たちも多くて、いつも夕方遅くまで遊んでいた。
ひとり、ふたりとお迎えが来て帰ってゆき、残るのはいつも決まった子だった。ワタシは夕飯の午後6時までに帰れば良いから、最後の子まで付き合って遊んだ。それは保育園の頃からそうだった気がする。

母親は看護婦だったので、シフトで日曜が休みじゃない時もあった。また夜勤や宿直もあり、例えば父親が出張で両親とも夜いない日は、祖父母の家に泊まることもあった。
そんな訳で、授業参観日に両親が来れないこともあり、そんな時は祖母が来てくれた。ひとりだけ着物を来た祖母が後ろに立っているのがちょっと気恥ずかしくて。いつしか、学校から保護者宛てに渡すようにと言われたプリントを、隠すようになった。

母や父が来てくれたこともあったはずだけど、今も参観日の記憶は、祖母の姿しかない。

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