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「トルーマンが日本占領政策を3Sと語った」は誤り

[2024/3/15作成]
「トルーマンが日本占領政策を3Sと語った」は誤り。トルーマンの発言とする事実はない。「ユダヤの3S謀略」の歴史は古く、偽書「シオンの議定書」に端を発し、その後、右翼思想家の安岡正篤氏が著書で米国の日本占領政策だと広めた。最近では、内海聡氏が拡散している出所不明の陰謀論である。

SNSではトルーマンの写真を付けた画像がコピペされ拡散している。

「運命を創る-人間学講話」安岡正篤 (1985:プレジデント社)
https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001777742
米国の日本占領政策が3Sだとする唯一の根拠であるが、伝聞なので証拠能力はない。
「このアメリカのGHQの対日政策というものは実に巧妙なものでありました。この政策に巧妙な解説がありますが、たとえば3R、5D、3S政策というものです。これについて、私に初めて説明した人の名前を今、記憶しないんですが、当時GHQにおりました参事官でガーディナーという(中略)人物からも直接聞いたことがあります。(中略) 3S政策があった。第一のSは、セックスの解放、第二のSがスクリーン、つまり映画・テレビというものを活用する。それだけでは民族のバイタリティ、活力、活気を発揮することがないから、かえって危ない。そこで精力をスポーツに転ずる。これはうんとやらせる。スポーツの奨励ーこれが第三のS。」

「トルーマンの有名な言葉」内海聡
(2018/3/29: X)
内海聡氏は、他の著書やFacebookなどでも、同内容を現在も拡散している。