「2回接種者で死亡リスクが増加。打てば打つほど感染しやすくなる」は誤り
「2回接種者で死亡リスクが増加。打てば打つほど感染しやすくなる」は誤り。英国サーベイランスレポートの解釈の曲解が拡散したもの。2回接種で止めた層の死亡率が高く見えるのは、感染したり、医師に追加接種を止められたり、接種後時間経過したケースがこの層に集中するから。
◾️北海道の医師が拡散した動画
https://nico.ms/sm40030018
【解説】
以下は動画が解説する死亡率の比較
・未接種者(全体の20%) 死亡39人
・2回接種者(全体の16%) 死亡39人
・3回接種者(全体の60%) 死亡34人
未接種者の死亡率を1とすると
・2回接種者 1.25倍
・3回接種者 0.29倍
2回接種者の死亡率が未接種者より高く見えるが、ここでの2回接種者(16%)は、何らかの理由で3回目の接種を止めざるを得なかった集団であることに留意すべき。感染したので接種を受けれなくなり感染が悪化して死亡したとか、基礎疾患が悪化したので接種を止められた後に死亡したとか、3回目に辿り着けずに死亡する要因がバイアスとして作用している。感染率の比率が次第に増加するのは、ブースター接種が進むほど、これらの要因の人が取り残され比率を増す構造がある。また、ブースター接種しない人が時間経過で抗体が減少したことも要因である。そもそもバイアスを補正しないで統計の生データから結論づけることに無理がある。「追加接種を途中で止めると未接種者より死亡リスクが高まり、追加接種の無限地獄になる」とする話は、バイアスを無視した曲解である。
◾️英国スコットランド 接種回数別の死亡率
英国でも2回接種後の死亡が同様のバイアスで跳ね上がっている。
◾️参考: wakuwaku3氏のツイート
中身見てみましたけど3回目接種が終わったら2回目接種に取り残された人で死者が多いやんけという話ですよね?単純に残された人は感染して接種できなかった入院中の人なので死にやすいのは当然という事かと思いますしこの現象,毎回みられるのでずっとそう指摘していますが。https://t.co/i77RWYKNvl
— wakuwaku3 (@covidacc) February 17, 2022
件の鹿先生が広めている2回接種が未接種者よりコロナ死頻度が高いという噂も
— wakuwaku3 (@covidacc) March 21, 2022
コロナ死以外の死亡数に比べてどれだけコロナ死が少ないかという観点でみると
未接種者80代は1月はコロナ死因の死亡は32%,2回接種者は19%,3回接種者は9%なので2回接種者は未接種者より大幅にコロナが死因になりにくいです pic.twitter.com/5L7TRLh3Fz
彼らが広めた噂はbiasを補正しない野良統計上は正しい国も一部ある事は確認できます(図1
— wakuwaku3 (@covidacc) August 16, 2022
がまず集団の3回接種時に危篤or感染療養中の2回接種者は当然3回目は打てないのでこのbiasがあります(図2
また英国は接種開始後1年経過し未接種者から非常に不健康な方の多くが流出した事が確認されています(図3 pic.twitter.com/9Um1ynRDd2
厚労省の接種歴別感染者数の表について、未接種より2,3回接種の感染者数が多くなるケースがあることについては以下を参照ください。
◾️BUZZFEED NEWS(2022/7/22)
「新型コロナワクチン、2回目接種者の方が未接種者より感染しやすい？ 厚労省が出しているデータの落とし穴」
https://www.buzzfeed.com/amphtml/naokoiwanaga/mhlw-covid-19-data-problem
【追記】
ワクチンの有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。