[2023/9/24更新]
「治験が終わっていない」は誤り。治験とは承認の為の臨床試験なので承認時点で終了。国内第Ⅰ/Ⅱ相と国際共同第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相で特例承認の審査完了し、現在は第Ⅳ相(製造販売後試験)中。米国はEUA後も第Ⅲ相を継続中だったが、2021/8/23に正式承認された。
【解説】
Pfizer製ワクチン「コミナティ筋注」は薬機法第14条3により特例承認されている。本承認の治験には以下の2つがある。
①海外C4591001(第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相)
②国内C4591005(第Ⅰ/Ⅱ相)
治験とは「治療承認のための臨床試験」の略で、法的には特例承認が下りた時点で治験も終了している(因みに承認後の臨床試験提出は特例承認であっても認められない)。特例承認審議結果報告書によれば、②は「承認後に製造販売後試験に切替えて長期の安全性を検討する」と記され、①は「海外の情報を収集し安全性を継続的に評価する」と記されているように、第Ⅳ相臨床試験(製造販売後試験)を残すのみである。
①が2023年まで継続中とあるので「実質的には治験は終わっていないのでは」と懸念する声もあるが、現在継続中の内容は、②では、JRCTに製造販売後臨床試験として登録された「最終接種12ヵ月後のSAE」のみ、①では、長期安全性モニタリングのみ。「治験」とは日本だけの呼称で、米国では第Ⅲ相も第Ⅳ相も同じ”Clinical Trials(臨床試験)”と呼称する。日本の第Ⅳ相試験(製造販売後試験)に相当するものが2023年まで続くということで、これは治験ではない。
第Ⅳ相臨床試験(製造販売後試験)で今後注視すべきことは、適正使用ガイド「リスク管理計画における重要な特定されたリスク」に記されている。
FDA承認はBLA(生物製剤申請)の承認だから、まだ今もEUA(緊急使用許可)のままで、製剤(製造)が承認されただけだとする意見があるが、これは和訳の意味を取り違えた間違い。
以下は用語解説。
以下の記事でも詳しく解説されています。
【追記】
ワクチンの有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。