[2024/9/21更新]
「新型コロナワクチンは過去45年間全てのワクチン被害認定数累計を超える」はミスリード。新型コロナワクチンのように、まだよくわからない新規のワクチンで、かつ接種数が多いものは、副反応の報告が増え、認定数も増える。一方で、過去45年分のワクチンは、実績のあるものが多く、副反応の知見が蓄積され評価が確立しているので、報告が少なくなるというだけのこと。総数ではなく個別で、実数ではなく率で比較すれば、新型コロナワクチンはやや多い程度であるとわかる。
【解説】
健康被害救済制度の認定数が、新型コロナワクチンだけで過去45年間の全てのワクチンを超えたことから、大量の健康被害が起きているのではないかと、サンテレビが報道したもの。
過去45年間と比較して、新型コロナワクチンの被害認定数が多くなる理由を以下に示す。
①新型コロナワクチンのような新規のものは、知見が蓄積された既知のものに比べ、副反応の評価がまだ確立していないので、報告数が増える傾向がある。
これはウェバー効果(Weber effect)と言われるもので、新しい医薬品やワクチンが市場に出た最初の1~2年は報告が増加し、その後、徐々に減少する。
②過去45年間の既知のワクチンは、過去の実績から副反応の知見が蓄積されているので、ワクチンの副反応ではないと判断され報告が少なくなっているものが、かなりの割合を占めている。
③接種回数が多いと報告数も増える。報告数が多いと認定数も増える。
過去の総数ではなく個別で、実数ではなく率で、同じ新規のワクチンと比較すべき。
2009年に流行した新規の新型インフルエンザワクチンとの比較を以下に示す。
副反応疑い報告数の比較については以下の記事を参照ください。
【追記】
ワクチンや治療薬の有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。