[2023/7/19更新]
何度も繰り返し拡散するデマである。
最初のデマが根拠とした調査書は信憑性に欠け、Reuters,APなどがFALSEと判定している。
その後、寄生虫や5G磁性体などの荒唐無稽な派生デマに発展するが、いずれも根拠不明。
直近では、FDAが開示したPfizer社の機密文書に記載があるという言説が拡散したが、これは誤読で、製品の評価過程で使用されただけである。
【解説】
1. 最初のデマ
スペインAlmería大学のCampra教授が、Pfizer製ワクチンを光学および透過型電子顕微鏡で観察研究したところ、酸化グラフェンが含まれていたと発表したもの。調査サンプルが出所不明(匿名からの送付)、論文ではなく非公式な報告書、依頼者がデマブログ創設者Ricardo Martín氏、Almería大学からは否定される等、信憑性に欠ける。
2. その後の派生デマ
酸化グラフェンは超電導磁性体に応用される素材であることから、5Gマイクロチップや、接種者の身体が磁性を帯びる等の根拠とされたり、寄生虫だと主張する写真と組み合わせたり、様々なデマが派生した。
3. 最近のデマ
最近では「FDAが開示した機密文書にはmRNAワクチンに酸化グラフェンが含まれていると書かれている」という誤った記事が拡散している。文書を読めば誤りだとわかるが、酸化グラフェンは、ワクチンのS蛋白を顕微鏡で評価する過程(低温電子顕微鏡)で使用されただけである。この文書でワクチンに酸化グラフェンが含まれるとするのは誤読である。既にAPがファクトチェックでFALSEと判定している。
4.ファクトチェック
【追記】
ワクチンの有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。