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「コーヒーカップ1杯の唾液を浴びても感染しない」はミスリード

「コーヒーカップ1杯の唾液を浴びても感染しない」はミスリード。慶應大の社会的PCR検査コンセプトにある「コーヒーカップ1杯の唾液を浴びても感染が成立する可能性は低い」を切り取ったもので、大量の唾液を浴びても感染しない弱毒なウイルスだと思わせるミスリードである。

【慶應大プレスリリース】
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2021/3/31/210331-1.pdf

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【解説】
 これはウイルス100万個をどれくらい希釈したら、PCR検査で幾らのCt値になるかを仮説したもの。Ct値37は125mlの唾液で希釈したことになる。
 但し、本研究は社会的検査のCutoff値についてガイドを示したものであって、医療診断検査のCutoff値とは異なるので注意のこと。医療診断検査のCutoff値はCt値40推奨で変更はない。
これについては以下の記事を参照ください。

「厚労省がPCRのCt値を35にこっそり下げた」はデマ
https://note.com/osamu_iga/n/n0101754efb48
◾️公衆衛生が目的のプール検査
公衆衛生の検査なので「他人へ感染するか否か」の判定が目的。→Cutoff値35推奨
◾️医療診断が目的の単体検査
医療診断の検査なので「本人が感染しているか否か」の判定が目的。→Cutoff値40推奨