「CDCが感染対策の失敗を認め謝罪した」はミスリード。認めて謝罪したのは、感染対策の運営の不味さであって、今の感染対策の内容を撤回するものではない。動画の曖昧な翻訳が誤解を広げた。
【解説】
東北有志医師の会が電光掲示板で動画を流し話題になったもの。元はYU○氏がABC Newsを翻訳して「CDCが間違えたと謝罪した」と広めた。
ソースのABC Newsを確認すると、これは着任して18ヶ月になるWalensky 長官が4月に所員に対し変革を求めたメッセージ。
長官が認めて謝罪したのは、感染対策の運営の不味さであって、現在の感染対策の内容を撤回するものではない。具体的には「一貫性の無いメッセージが混乱を生んだ」「迅速さに欠けるコミュニケーションが情報の齟齬を生じた」等が課題に挙げられ、ウェブサイトの見直しやスタッフの配置転換等、組織運営の変革を目指すと述べた。
「マスク」や「ワクチン」への言及は過去の発表の「一貫性の無さ」の例として挙げられているだけで、現在のマスクやワクチンの施策を撤回するものではない。現にABC Newsの放送と同日も、CBCは変わらずマスクとワクチンを推奨している。
CDCが「失敗を認め謝罪した」ことは事実だが、それを恰も、現在の感染対策が誤りであったとCDCが認め撤回するかのように思わせる恣意的な翻訳や解説はミスリードである。