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【資料】ウクライナ政権

「ウクライナ政権はナチズム」「アゾフ大隊はネオナチ」なのか、「ウクライナがナチズムだとするのはロシアのプロパガンダ」「ロシアは反ロシア的なものをナチズムと言う」なのか、食い違う主張があるので事実を検証する。

【参照】
在日ウクライナ大使館
https://japan.mfa.gov.ua/ja
在日ロシア大使館
https://tokyo.mid.ru/web/tokyo-ja
在ウクライナ日本大使館
https://www.ua.emb-japan.go.jp/itpr_ja/ambassador.html
在ロシア日本大使館
https://www.ru.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
アムネスティ日本
https://www.amnesty.or.jp
外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html
日本国際問題研究所
https://www.jiia.or.jp

【ウクライナ政権の歴史】
ロシア,ポーランド,ドイツ等の周辺国家の侵略からの、100年以上に及ぶ独立闘争の歴史である。占領下の避難や移住により、多民族がモザイク状に分布する国家となる。西部(親欧米派)と東部(親露派)の紛争はロシア・ウクライナ紛争として現在も継続している。

◾️1917年
ロシア革命
ウクライナ人民共和国(中央ラーダ政府)独立宣言
◾️1918年 
ロシア(赤軍)の東ウクライナ侵攻
ウクライナ国(へーチマン政権)発足
西ウクライナ人民共和国(対ポーランド)独立宣言
ウクライナ人民共和国の臨時政府(対ロシア)
ポーランドの西ウクライナ侵攻
◾️1922年
ソ連邦の構成共和国となる
◾️1932年〜
ホロモドール(ソ連の農業政策による大量餓死)
◾️1941年
ドイツがウクライナ(ソ連邦)に侵攻
◾️1945年
国連加盟(ソ連邦構成国では異例)
◾️1954年
ロシアがクリミア州をウクライナへ移管
◾️1986年
チェルノブイリ原発事故
◾️1990年
共和国主権宣言
◾️1991年
国民投票(90%が独立を支持)
ソ連邦から独立宣言
国号をウクライナに改称(現ウクライナ)
初代クラフチュク大統領政権(独立派)発足
ソ連邦解体
◾️1992年
クリミア州議会が独立を決議
クリミア共和国宣言(ウクライナは無効を決議)
ロシアがクリミアのウクライナ移管を違法と決議
◾️1994年
クチマ大統領政権(親露派)発足
ブダペスト覚書(核兵器放棄、英米露と安全保障)
◾️1996年
ウクライナ憲法でクリミア自治共和国を認める
◾️2004年
オレンジ革命
不正選挙の疑い、決戦投票のやり直し
◾️2005年
ユーシチェンコ大統領政権(独立派)発足
◾️2010年
ヤヌコーヴィチ大統領政権(親露派)発足
◾️2014年
ユーロ・マイダン革命
ヤヌコーヴィチ大統領が露へ亡命
ポロシェンコ大統領政権(独立派)発足
クリミア危機(ロシアがクリミアに侵攻)
クリミアで住民投票(国連は無効決議)
クリミア自治共和国が独立宣言
ロシアのクリミア併合(国連は違法な占拠と決議)
分離主義派が武装蜂起(現在東部2州の3割を占拠)
東部2州の各地で政府軍と親露派が軍事衝突
オデッサの虐殺(親露派の労働者32人以上が犠牲)
ミンスク1議定書(停戦協定),ミンスク合意(覚書)
ドネツク空港の戦闘(停戦協定違反)
◾️2015年
ミンスク2議定書(停戦協定)
デバルツェボの戦闘(停戦協定違反)
◾️2016年国連人権高等弁務官報告(東部紛争地域の調査)
◾️2017
国際司法裁判所がウクライナの提訴を却下
◾️2019年
ゼレンスキー大統領政権(独立派)発足
エリゼ会談(停戦履行と捕虜解放の共同声明)
◾️2022年
ロシアがウクライナ東部2州を国家承認
ロシアのウクライナ侵攻(国連は非難決議)
安保理がロシア非難決議を否決(ロシアが拒否)
国際司法裁判所がロシアに侵攻の即時停止を命令
ブチャの虐殺(民間人400人以上が犠牲)
国連人権理事会がロシアの理事資格を停止
NATOがスウェーデン、フィンランド加盟に合意
ロシアがアゾフ連隊をテロ組織に認定
国連人権高等弁務官報告(ロシアの人道法違反)
ウクライナの国外非難難民1,000万人超え
ロシアのウクライナ4州併合(国連は無効決議)
国連人権理事会がロシアの戦争犯罪を認める
国連人権高等弁務官報告(ロシアの民間人拘束)

【ウクライナ政権】
2019年大統領選挙の変化について
https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Eyes/2022/ISQ202220_004.html
https://www.ua.emb-japan.go.jp/files/000504844.pdf

◾️ポロシェンコ大統領
「改革の戦略2020」を掲げ、制度改革を通して生活水準を欧州平均に引き上げながらEUとNATO加盟を目指した。「改革の戦略2020」は60のプログラムから構成され、西欧から多大な支援を獲得したが、その後、オリガルヒ(ウクライナの政商)との癒着、政治の汚職の問題が発覚。ミンスク合意は国民の理解を得られず、ドンバス紛争は継続し、経済も落ち込み、国民の支持を失った。
◾️ゼレンスキー大統領
汚職や戦争の継続に伴う生活の逼迫と、国民の既成政治への不満を上手く結びつけ、既成の政治をオリガルヒと癒着する「民衆の敵」に仕立てたポピュリズム政治で台頭。現職のポロシェンコとの決選投票で7割以上を獲得し圧勝。”Demydova 2020”を掲げ、現政権の汚職を痛烈に批判し、政府の安定や正義などを訴えた。財務相や内務相を除くほとんどの閣僚を一新。現与党「国民の僕」を率いる。2019年の議会選挙で過半数を獲得し第一党となる(得票率44%。親露派の野党第一党「生活」は13%)。2020年の地方選挙では敗北し支持率が凋落したが現在は政党支持率1位を維持。
◾️ウクライナ右翼
現在のウクライナの代表的な右翼政党である「祖国」は2019年の議会選挙で得票率8%に留まる。

【アゾフ連隊】

◾️活動
2014年、親露分離主義の反政府勢力と戦闘。マリウポル、マリンカ奪取、停戦後2015年、前線を正規軍と交代し引き揚げウルズフに転地。その後、市民へ戦闘訓練を行うサマーキャンプを展開。2015年、キエフに動員センターと訓練施設を設置。2017年、治安維持の為オデッサに300名を派遣。
◾️組織
2014年、特別任務巡回警察(内務省管轄の志願民兵)として発足。同年、国家警備隊に編入。2015年、正式に連隊に格上げされ正式名称は特殊作戦分遣隊。現在は国家親衛隊隷下の準軍事組織(民間契約兵)。ウクライナ軍は徴兵制をとらず全て志願兵で組織。
構成は現在22ヶ国の混成部隊。規模は2014年400〜600人、2015年900人、2017年2,500人以上、いずれもボランティア志願兵。ネオナチ思想者は全体の約10-20%と軍広報は説明。2017年の人員増は街頭パトロールを目的とする国家民兵(準軍事集団)を組織した為。
◾️国際批判
2014年、ネオナチ思想と戦争犯罪疑惑を理由に米国がアゾフ連隊への軍事援助を禁止(2015年に撤回、2018年に再度禁止)。2015年、カナダが軍事援助を禁止。2016年、国連人権高等弁務官がアゾフ連隊の戦争犯罪を報告(同報告は分離主義過激派やロシアの戦争犯罪についても報告)。 2019年、米国務省が外国テロ組織に登録。
◾️政治活動
2014年、司令官ビレツキー他3名がウクライナ議会当選(2019年落選)。同年、副司令官トロヤンがキエフ州警察長に就任(2021年罷免)。同2014年にアゾフ市民軍団発足。2016年、政党「国民隊」を創設。政策は民族主義による東欧の結束。2019年選挙では、自由・祖国などと共に、極右政党は悉く敗退し影響力を失った。

【ウクライナ東部の地政学的推移】
https://www.cnn.co.jp/world/35184073.html

◾️ロシア侵攻前の分離主義者の実効支配地域

2022/2 CNN 

◾️ロシアの侵攻地域

2022/4 BBC

◾️ロシアが併合を宣言した四州

2022/9 読売