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「STAP細胞の特許を米国が独占」は誤り

[2023/12/31更新]
「STAP細胞の特許を米国が独占」は誤り。それは共同出願者の理研が権利を放棄したから。申請された特許は補正再申請も含めて、全て拒絶されている。補正再申請では、ただの製法特許に変わっており、もはやSTAP細胞の特許申請ではなかった。

【解説】
 Business Journalの記事が、米国が日本を出し抜いて単独出願したように誤解され、「やっぱりSTAP細胞は本当にあったんだ」「日本は騙された」「小保方さんがかわいそう」とネットで拡散されたもの。
 この特許は、もともと日本の理研と米ハーバード大が共同で2013年に国際特許出願したもの。その後、理研が権利放棄した為、米ハーバード大(ブリガム・アンド・ウィメンズ病院※バカンティ教授が当時所属していた病院)の単独出願になっただけ。
 国際特許出願WO2013/163296がこれにあたるが、米国でFINAL REJECTION(最終拒絶)されており、日本でも拒絶(2017年)、再申請(2018年)されたが、これも拒絶されている。
 これを不服として内容を補正した分割特許が再申請(2020年)されたが、それも再び拒絶されている。このとき、STAP(刺激惹起性多能性獲得細胞)細胞の「多能性」を消し、ただの「Oct4発現細胞」の製法プロセス特許に内容を補正しているので、もはやSTAP細胞の特許でもSTAP細胞の存在を証明するものでもない。

◼️Business Journal(拡散された記事)
現在、記事は削除されアーカイブでのみ確認可。
https://archive.md/G2X6H

◼️特願2015-509109
 (国際特許出願WO2013/163296)
2015申請 2017拒絶 2017補正申請 2018拒絶
詳細は特許情報プラットフォームを参照ください。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JPA_H27516812/4E2592853EBF98176ACF6581FBDA4DA6/00/ja

◼️特開2020-182480 査定不服 (手続補正)
 (分割出願2020-122035)
2020申請 2021拒絶 2022補正申請 2022拒絶
元のSTAP細胞特許からOct4発現細胞に変更し分割特許として再トライしたもの。この段階で当申請はSTAP細胞特許ではなく通常細胞の生成プロセス特許に変貌している。結果は新規性が無いとの理由で拒絶されている。
詳細は特許情報プラットフォームで「特許2020-182480」を検索ください。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/