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「厚労省がPCRのCt値を35にこっそり下げた」は誤り

「厚労省がPCRのCt値を35にこっそり下げた」は誤り。新規認可されたプール検査のCutoff値を単体検査と間違えたもの。単体検査は従来通り40推奨。公衆衛生が目的のプール検査と医療診断が目的の単体検査ではCutoff値が異なる。感染性を失う回復期や発症前感染の判別の為。

【解説】
プール検査と単体検査の違い
[プール検査]
公衆衛生の検査なので感染性(他人へ感染するか否か)の判定が目的。→Cutoff値35推奨
Cutoff値を35にして、感染性を失った回復期の感染者を除く。
[単体検査]
医療診断の検査なので感染(本人が感染しているか否か)の判定が目的。→Cutoff値40推奨
Cutoff値を40にして、ウイルス排出がまだ少ない発症前感染者を見逃さない。

◾️厚労省: 検体プール検査法指針
https://www.mhlw.go.jp/content/000725922.pdf
◾️厚労省: 検体プール検査の検討
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000720101.pdf

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◾️社会的PCR検査コンセプト(慶應大)
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2021/3/31/210331-1.pdf

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報道1930で「厚労省が退院可能なウイルス量・基準を検討」の報道の際に「Cutoff値は30か?」と解説したのも、感染性を失った回復期の感染者が陽性判定になると退院させ難いことによるもので、プール検査と同じ理屈である。これを「厚労省がPCR検査のCt値をやっと下げた」と言うのは間違い。

◾️報道1930(2021/10/21)
http://jcc.jp/news/17734235/

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