Death Must Die @ 2024-04-25

さて、本日のゲームはDeath Must Dieだ。もう少し後にプレイする予定ではあったが、「Death Must Dieは以前よりつまらなくなった」というネガティブな意見が目に入ってしまい、一体どういうことかと居ても立っても居られなくなってしまったのだ。急遽、自ら新アップデートの内容を試してみることにした。

・・・ここでやや余談になるが、Survivorslikeジャンルにおいて新アップデートがコミュニティに受け入れられないという事態は決して珍しいものではない。私が知っているだけでも、例えばSoulstone Survivorsの事案が記憶に新しい。

だがこちらの変更は後にコミュニティからのフィードバックを元に再修正が行われ、無事に再適用が行われたようだ。

では余談終了。本題に戻るぞ。Death Must Dieでも同様の事案が起きてしまっているのか、それとも単なる思い違いか、私自身が確かめてやる。

Boonの仕様変更

まずは大きなところから行こう。Death Must Dieは某ギリシャ神話の地獄から脱出して地上を目指すゲーム同様に、神様の恩恵「Boon」を賜ってキャラを強化していくシステムを採用している。このシステムに今回テコ入れが加えられた。Boonに種別の概念とスロットの概念が追加されたのだ。

こんな感じで、「Attack」「Dash」「Strike」「Cast」「Power」「Summon」「Passsive」の全7種類にBoonが分類されることになった。AttackとDashは全キャラ共通で1スロットのみ、Passiveも全キャラ共通で何個でも装備できるが、Strike・Cast・Power・Summonの4枠はキャラごとに装備できるスロット数に制限が加えられることとなった。魔法使いはSummonとCastの枠が多く、戦士はStrikeとPowerの枠が多い、といった具合だ。

これはある意味先祖返りである。大本のHadesのBoonも、通常攻撃、強攻撃、ダッシュ、ショット、Ult、そしてパッシブスキルの6枠に分かれていたからだ。

Boon種別の細分化に伴い、装備やPassiveから得られるボーナス効果もまた細分化されることになった。装備品にAttack Damageと書いてある場合はAttackの攻撃力にのみ影響するし、Cast Durationと書いてある場合にはCastのDuration飲みに影響が及ぼされる。全種別に効果がある場合は単にDamageだのAreaだのといった書かれ方をするようになった。明確でわかりやすくて良いと思う。

この変更の方向性自体は良いと思うのだが、一方で明示的な難点もある。本作Death Must Dieは同一種類の低レベルBoonを多数装備するより、一つの高レベルBoonを狙って作るほうが圧倒的に強い。つまりスロット数が3個あろうが4個あろうが、結局1スロットしか使わないビルドのほうが戦闘力が高くなってしまっている。これではスロットの概念の意味がまるでない。細かいことを付け加えるなら、スロット数により装備できるBoonが制限されるのに、既存の最大3柱制限は撤廃されていないのも気になってしまう。選んだ神様次第ではスロットを埋められない場合もあるし、逆にスロットが溢れてしまうこともある。

パッシブスキルツリーの登場

もう一つの大きな仕様変更はパッシブスキルツリーだ。これまでは5人のプレイアブルキャラクターに各5種類のTrait的なものが用意されており、その中から一つを選択して装着できるというような仕組みになっていた。これが綺麗サッパリなくなり、ハクスラゲームなどでおなじみの古典的なパッシブスキルツリーに置き換えられたのだ。

仕様自体はDiablo 2の頃からある非常によくあるパッシブスキルツリーだ。
無論、6クラスすべてに独自のツリーが用意されているぞ。
スキルポイントは7分、14分、20分に登場する各ボスを倒すと得られる。Survivorslikeのアンロック要素は大抵の場合上限なくすべてのスキルをアンロックできるようになってしまっているが、本作Death Must Dieではそのへんバランスが考えられており、最大でも36ポイントしかツリーに振り当てることができない。これにより取捨選択とビルドの妙が残されている。

パッシブスキルツリーは私の大好物であり、当然大歓迎なのだが、その一方でスキルポイントをアンロックしていくのが苦痛極まりない。最低でもボスを一人は倒せないと全くアンロックが進まない上、序盤のポイントはそれほど面白い効果がないので、当面の間はスキルツリーの面白さを完全に享受できない時期が続くだろう。対する以前のTraitはボスが殺せなかろうがアチーブメント条件さえ満たせればアンロックが可能だったため、比較的早期に効果を得ることができた。

パッシブスキルツリーの導入によりTraitが失われたことで、例えばSkadiなどはお手軽にHPがモリモリ回復する強キャラだったのが、全くなんの取り柄もないお姉さんになってしまった。代わりに狼をペットとして連れ歩けるような能力が追加されているが、正直この狼が弱くて使い物にならん・・・

Act2とTier2アイテムの追加

ここまではゲームの仕様変更の話で、ここからは待望のコンテンツ追加になる。Act 2つまり2つ目のマップが実装されたのだ。それと同時にアイテムのTierと呼ばれる強さも一つ上のものが登場するようになった。

今度の戦場は砂漠だ

コンテンツ追加の自体は誰しもが歓迎するもの・・・のはずなのだが、おそらくこのAct2こそが最も賛否両論分かれる内容になってしまっている。

登場する敵があまりにも簡悔精神に溢れてキモい連中ばかりなのである。

  • 一直線にレーザービームを放ってくる猫

    • バグか仕様か定かではないが、画面外のこちらの攻撃が届かないところから撃ってくることがあるので始末に終えない

  • 自分の足元に突然登場するスラム攻撃(音なし、きちんと予告円を見てダッシュしないと被弾確定)

  • デバフ効果持ち

  • ダッシュ2回では絶対に追いつかれる超速度で体当りしてくるキモいボス

  • 近接攻撃では絶対に追いつけない速度で逃げ回りつつ、煽るようにゲラゲラ笑いながら爆弾を投げてくるキチガイ絨毯野郎

Act 1はどちらかというとSurvivorslikeよりのゲーム体験だったのだが、Act 2では明らかにアクションゲームをやらされている感覚がある。Survivorslikeを名乗るにはあまりにも敵の数が少なくなってしまっているのも個人的には大いにマイナスで、なんというか、以前からHadesを強く意識した作品だったのは間違いないが、ゲーム性までHadesに寄せようとしてしまっているように思えるな。「以前よりつまらなくなった」と考えるゲーマーが現れるのもまるで無理のないことだろう。

この先の舵取りにも注目だな。すぐ直せそうなつまらん問題点にぐらいは、さっさとパッチを当てて欲しいと思っているところだが。アイテムTier導入のせいで、Act1を走る意味がなくなってしまっているのは本当に勿体ないぞ。