Playseat Challenge @ 2019-04-14

【秀】日本の住宅事情においてこれより優れたレーシングシミュレーター用シートは地球上に存在しないと断言して良い。軽量・安価・十分すぎる快適性に剛性・十分な調整の自由度、おまけにハンドルとペダルを取り付けたまま折りたたんで収納可能。今年一番良い買い物をしたと断言する。

長所
・私は他に据え置きのレーシングシミュレーター用シートを試したことがないのでそれらと比較するのは難しいが、シートの付いていないハンコン台と比較するとまるで勝負にならない圧倒的なホールド感、剛性、安定感、そしてハンドル位置とペダル位置のフィット感、まさに本物のクルマに相当近い感覚が得られる。
・シート自体の素材もけして悪くはなく、下手な軽自動車なんかよりよほど座り心地が良い。私は2時間ほどぶっ続けでこのシートに座りDirt Rallyをプレイしていたが、体に合わないとか硬いとかそういうことは一切なく、純粋にラリーに没入することができた。
・価格。レーシングシミュレーター用シートが3万円台で手に入るのは正直言って破格以外の何物でもない。一般的なレーシングシミュレーター用シートは下手すると10万円台は覚悟しなければならない。
・軽量 (8kg+ハンコン+ペダル) で折りたたみが可能。無理やり折りたたむとか取り外して折りたたむとかではなく、最初から折りたたんで移動することが前提そのものの作りになっているため、一切の困難なしに移動可能。慣れれば展開、設置まで1分もかからないだろう。専用のレーシングシミュレーター部屋を作ることなど到底不可能な日本の住宅事情において、これはあまりにも決定的になアドバンテージ。

短所
・座席の高さ方向の調整に自由度が少ない。またハンドル位置を自分の方に近づけたり遠ざけたり出来ないため、そのあたりはやや不満が残るかもしれない。
・乗り込むのがそこそこ大変。本物のF1カーによっこいせっと乗り込むような狭さのある感覚が良いといえばよいのだが。どうしても大変なら前のハンドル部分を左を軸に反時計回りに開いて前から乗り込めるが、やや面倒。
・体格の大きい人には不向き。特に横幅が大きい人には致命的に合わない。足が長い人もシートに乗り込む際に苦戦する可能性が高い。
・シフター取り付け設備が別売りで、しかも取り付け位置の自由度は低い。そしてシフターを取り付けるとただでさえ大変な乗り込みがより一層大変になるため、MTシフターとハンドブレーキがないクルマはクルマと認められない人にはおすすめしづらい。
・組み立ては多少面倒。一般的な男性なら可能なレベルだとは思うが、私の場合は調整込みで1時間弱かかっている。

机にハンコンを取り付けてレーシングシミュレーターをプレイしているそこの貴方、嫁さんと喧嘩になろうとも、今すぐ黙ってこいつを買うべきだ。私は少なくとも二度とレーシングシミュレーターを机と事務椅子でプレイする気にはならない。


以下蛇足

やっちまった。私はついにやってしまった。

言うなれば、危険ドラッグ本当に危険。私には家庭がないので嫁さんと泥沼の喧嘩になることがないのだけが唯一の救いであろうか。

きっかけはこの地上最高の傑作シートを偶然Redditのr/simracingで見つけてしまったからだ。私は以前作った自作のポンコツハンコン台である程度満足していたのだが、しかしやはり座席がないため体の安定感がなく、ハンドル位置もペダル位置も体にあっておらず、なにより台に剛性が全く無いので思いっきりペダルを蹴っ飛ばしたりカウンターを思いっきり当てたりするとハンコン台ごと吹き飛びそうになることが多々あったのだ。そんなときに偶然見つけたこのシートは私の興味を引くのに十分だった。もともとハンコン台はともかくシートなんて最初から諦めていたのだが、折りたたみ可能で軽量ということで俄然興味が湧いてきたのだ。

早速調べてみたところ、日本でも取り扱いがあり普通にAmazon経由で購入できることがわかった。しかも3万円台。ハンコン台だけなら1万5000円程度でそれなりのものが手に入るが、その2倍ちょい払うだけで憧れのシート付きが手に入るというのだ。その上作りも良さそうだし、重量もシート付きのくせにハンコン台だけよりも更に軽い。おまけにハンドルとペダルを取り付けたまま折りたたみ可能。唯一気になったのが強度と大きさだが、私はもともとチビでガリガリなので問題になることはまず無いだろうと判断。後先考えずに思い切って注文してしまったのだ。

そして幸か不幸か、大正解だった。

四苦八苦しながら組み立てて早速乗り込んでDirt Rallyを起動してみたが、そのまま2時間ほど現実の世界に帰ってこれなくなってしまった。これは、まずい。麻薬だ。生活が滅ぶレベルでまずい。疲労で倒れるまで永遠に乗っていられそうだ。なにせ、道具側の限界がなにもないのである。どれだけ乱暴にカウンターを当てようが、どれだけ果敢にアクセルを蹴っ飛ばそうがブレーキを蹴っ飛ばそうが、このPlayseat Challengeは一切ビクともせずすべての操作をそのまま受け止めてくれるのだ。一切の何の遠慮もいらない。思う存分果敢に攻めることができるし、好きなだけドリフトの練習もできる。しかも車両代も燃料代も税金もタイヤ代も修理費も保険料も駐車場台も何もかからず、万一事故っても自分は痛くも痒くもないのだ。こんな天国があろうか。いやない。まずい。ただでさえ終わっている私生活が更に終わってしまう。でもあと1レースだけ・・・


ところで蛇足の蛇足になるが、良いレーシング装備が手に入ったら今度は良いゲームが欲しくなるというものだ。そこで私が現在プレイしているレーシングゲームを3作品、このシートでプレイした感覚で紹介したい。

・Dirt Rally
2は未購入だが1で十分すぎるほど面白い。何より死ぬほど安い。もともとこのゲームはハンコンがないと一切まともに遊べないような類のゲームであるが、きちんと固定されたハンコンがついたシートのおかげで信じがたいぐらい遊びやすくなった。特に顕著に良くなったのがターマックラリー、要するにドイツとモンテカルロだ。ターマックコースはダートコースよりサスを硬くセッティングする上に鋭角コーナーが多く素早いレスポンスが必要になりやすい。またドリフトさせるためにもより大きく素早い動作が必要になるためだ。

・BeamNG.drive
安かったし破壊表現が優れているので車をぶつけてぶっ壊す目的で買ったのだが、いつの間にやらそこそこいいレーシングシミュレータになっている。現状他にサーキット走行できるゲームがないのでサーキット走行用に使っているが、FFBが正直イマイチで手応えが薄いのが良くない。それでも普段使っているサーキットの最速タイムが4分54秒から4分42秒まで縮まって大満足。思い切ってテールを滑らせながら回頭させられるようになったので大人しいベタグリ走行ではどうしても速度が出づらかった鋭角コーナーの攻略が良くなったのが最大の要因だ。

・Forza Horizon 4
コントローラでプレイしている間はSimucade的なバランスのゲームだとずっと思っていたのだが、ハンコン+MT+すべてのアシストオフ+運転席視点にしてプレイするとまるで別のゲームと化す。きちんと前輪の感覚がFFBで伝わってくるのだ。コントローラでプレイしている間はまるで気にもならなかったアンダーステアや路面のクレストやバンプによる荷重の変化がすべてハンドル越しに伝わってきて滅茶苦茶面白い。しかしS2ランク以上の車はもはや速すぎて私には制御不能だ。逆にBランクやCランクといった低ランク帯の車が急に身近になり、ちょっと実際の車でドライブに出かけるような感覚で気軽に道を走れるようになって全く別の楽しみが得られるのが素晴らしく良い。今の悩みはForzathonのドリフト。正直私の腕ではマジで無理。

次のセールのときにはAssetto CorsaとProject Cars 2を買おうと思っている。楽しみで仕方がない。