【可】Keplerth @ 2022-06-01
評価に悩んだのだが、評価に悩んだ理由がV Risingが良評価なのに本作が良評価では一貫性がないから、とかそういったくだらない理由である。そもそもV Risingは鉄装備に入るまでがクソつまらないが、そこからは大変面白いという意味で【優&可】評価とでも言うべきであり、一文字ですべてのゲームのすべての面白さを語ろうとする私の試みそのものが間違っているのではないだろうか云々・・・
おっと失礼、Keplerthの話をしないとならないんだっけ?つまらん。以上。
1500円という価格は魅力的だが・・・
長所
我々がこの手のTerraria系ゲームに求める要素は一通り揃っている。探索要素があり、採集要素があり、アンロック要素があり、建築要素があり、町の住民を集める要素があり、もちろん戦闘もあるわけだ。
基礎はよくできているし、バグは特に見られない。こんなグラフィックだから当然とも言えるが、重すぎて動かないということもない。4年間の開発の賜だろう。
ゲームシステム的に目を引くのが遺伝子改造システムで、本作ではプレイヤーキャラクターのアビリティやスキルを遺伝子というシステムで管理している。用意された枠の中にアンロックした遺伝子を並べてキャラをビルドするシステムで、なかなか他に例を見ないめずらしいものだ。
真っ当なマルチプレイにも対応しているので、友人がいればそこそこ遊べる。
何と言っても1500円という昨今のインフレに負けない価格が魅力だ。いくらつまらないゲームでも1500円ならまだ許してやれるという人が多いのではないだろうか。ランチは500円まで、ラーメンは1000円まで。クソゲーも2000円までということである。上で述べた話にも繋がるが、価格が安いというのは友人を誘いやすいということでもあり、マルチプレイをするには悪くない素材だ。
短所
つまるところ、ゲームというのは娯楽であり、娯楽とは時間を費用と対価に受け渡すことで心の動きという快楽を得るものだ。だからちょっと考えてほしいのだが、プレイしてもわずかも心が動かないゲームは娯楽ではないから、ゲームと呼ぶべきではないのではないか?
何時間プレイしても、このゲームには私の心を動かす瞬間が微塵も存在しない。これこそが本作に低評価を与え返金を余儀なくされた最大の理由である。探索も戦闘も建築もアンロック要素も全てが単調で淡々としており盛り上がる瞬間もなければ、怒り絶望悲しみといった負の印象すらも湧いてこない。徹頭徹尾、私の心は死体の生命維持装置のように平坦な一直線と不快なピー音を奏で続けるのだ、このゲームに触れている間はずっと、どこまでも、何時間、どれだけプレイしても。V Risingには少なくとも3時間を超えた先に待ち望んだゲーム体験の革命が待っていたが、本作には3時間プレイしようが4時間プレイしようが、ついぞ革命は訪れなかった。
せっかくの遺伝子改造によるプログレスと強化システムがクソつまらないのが本当に開発者のセンスを疑う。その方法というのが「特定の敵や素材を採集していると落ちることがある特別な遺伝子素材を複数個集めて通貨と合わせて消費することでアップグレード」なのだが、考えてみても欲しい、強化のためだけに欲しくもない素材をランダムガチャだよりで延々と採集し続ける行為の一体全体何が楽しいのだろうか。
この点も最近出てきたV Risingのセンスの良さと対比すれば一目瞭然で、V Risingのアンロック要素はV Blood中ボスとの熾烈な戦いを一度制する戦闘獲得か、ランダムに落ちるレシピを拾うランダムガチャ獲得か、比較的に簡単に手に入る消費財を集めることで引き切りボックスガチャ形式で獲得するという三種類もの開放方式が用意されており、それぞれに面白さと心を揺さぶる軸が用意されているのである。残念ながらコレこそがゲーム開発者におけるセンスの有り無しの好例であると指摘せざるをえない。ゲーム自体のQoL向上が4年前の地点で止まってしまっている。マップの歩き移動があまりにも許されざる次元で遅すぎてストレスばかりが貯まる、遅くても周りの風景に変化があるならまだ許せるがゲーム内で丸一日歩いても興味を惹かれるような面白い出会いは殆どない。アイテム移動や採取採掘のUIUXも不快で、採取はいちいち一つ一つ右クリックしなければならないし、アイテムを売り買いしたら1歩前進しないと地面に落ちたアイテムが自動的にインベントリに入らない。4年間、彼らは一体何を改善してきたのだろうか。
そう、本作は4年間も早期アクセス期間として品質向上に取り組んできたはずなのである。その結果、正式リリース、正式な出荷を迎えたのではないか?つまり4年間もの月日を費やしてこの結果なのである。今後の改善の可能性はゼロだ。未来がない。今から未来がないものにどうして費用と時間を費やす必要があるのだろうか。
総括。こうしてまた私の残念な偏見を補強する残念な素材が一つ増えた。センスのない開発者が何年かけてゲームを作ろうが、つまらないゲームはつまらない、ということである。それどころか4年開発して正式リリースしてしまったがゆえに本格的に逃げ道も言い訳もなくなった気がする。これが早期アクセスならまだ「2年後にはまともになっているかもしれませんね」等と高濃度のCopiumを吸い込むことが可能であるわけだが。
というか出てきた時期も悪い。他に似たジャンルの面白いゲームが存在するときに出てくるのは本当によろしくない。もしこれが他に何も遊ぶゲームがない時期なら、もう少しは評価の余地もあっただろうに。