【優】Captain of Industory @ 2022-06-02
If you're into "Factory" style games (Factorio, Satisfactory), I can heartily recommend Captain of Industry, which just released on Steam today. Tutorial's a bit weak right now, but if you understand
— Mike Laidlaw (@Mike_Laidlaw) May 31, 2022
factory-style games, it'll click fast. https://t.co/C7a8b2ZgNk
汝!我らが主、全ての始祖、真祖たるFactorioの名を称して私にゲームを推奨するのであれば、それ相応の覚悟はできているのだろうな?過去一体、どれほどの愚鈍共が我らが主を模倣しようとし無残な死に様を晒してきたことか。さあ主の名を汚すものよ、我が審判を受けよ・・・
あ、何これ、やだ、超イケてるじゃない・・・神ゲーの予感・・・
お値段3200円は確かに強気だが、Vampire Survivors 10個分の価値は間違いなく存在する。
長所
本作をFactorioに直接例えるのは実は適切ではない。私が思うに本作はTransport TycoonとAnnoの最も面白い部分だけを抽出して間の子を作り、そこにFactorioを適切に組み合わせたようなゲームだ。要するにクソ面白い。
実際のところ、Factorioのフォロワーも、Transport Tycoonのフォロワーも、Annoのフォロワーもそれなりに世間にはあふれていると思うのだが、いずれも「何かが違う」「何故かすぐ飽きる」「これなら元となったゲームをプレイしたほうが面白い」と思ってしまうのである。本作が決定的に違うのはそこで、AnnoらしくもあるがAnnoではなく、TTらしくもあるがTTではなく、そして当然FactorioらしくもあるがFactorioではない、いずれの雰囲気も感じられるがいずれとも決定的に違う、独自性を持ったゲームに仕上がっている点なのだ。
しかもそれが正しく仕上がっている。どれほど独自性があってもつまらない仕上がりでは話にならないが、本作はAnno要素もTT要素もFactorio要素もいずれが欠けても成立しない。住民の幸福度こそが研究速度であり、トラックによる物流こそが本作の主幹兵站輜重であり、ベルトコンベアとパイプを組み合わせた大規模高効率の自動化工場がなければ本作の需要を満たす生産は成り立たない。すべての島内資源は有限であるから、船舶を修理し外海に旅立ち交易相手を見つけない限り必ず破滅が待ち受けている。トラック輸送とパイプ輸送とベルト輸送のバランスが実に優れている。大体においてこの手の自動化工場ゲームというのはベルトコンベアが根幹を成すわけだが、本作ではあくまでトラックこそが根幹であり、ベルトコンベアはその補助に回る形になる。そのためFactorioだと思って片っ端からベルトコンベアとパイプだけで工場を組もうとすると容易に破綻するのだが、一方でTransport Tycoonのように車両メインでプレイすると車両のメンテ代や燃料コストが馬鹿にならない。そして当然だが車両はベルトコンベアやパイプを容易に通り抜けられない。このあたりの特性を活かしながらうまく使い分ける必要性があり、本作の独自の面白さにつながっている。
そして何より忘れてはならない、本作の面白さを決定づける独自要素として、採掘と埋め立てを挙げずにはいられない。本作の資源はマップ上に転がっている石ではない、地形や地面そのものである。そう、地面をショベルカーで掘り返して、出てきた土がそのまま資源になるのだ。その逆も然りで、土を好きな場所に盛り土できるだけではなく、住民が出す粗大ごみや鉄精錬時に出る金屎スラグも全て土砂ゴミとしてどこかに捨てなければならない。当然何も考えずにそこら中に積み上げると工場の建設用地が圧迫されていくし、鉱山だって何も考えずに掘り進めるとショベルカーが地面に埋まってしまうから、きちんと現実世界の露天掘りのように通路を確保しながら円形に掘り進まなければならないのだ。本来工業系ゲームの採掘は機械を一つ置いて終わりの軽視される要素であったのが、本作では採掘こそが面白さの一端となっている。
余計な戦闘要素が皆無。噂によると海賊が攻めてくると聞いていたのだが、今のところ嘘である。海賊との戦闘は存在するがあくまで船舶性能の数値上の話であり、外洋航海時に船舶に武器を研究開発して持たせておかないと海賊のいるエリアを通過できないとかその程度の要素でしか無い、要するにただのプログレッションバリアだ。AnnoでもFactorioでもそうなのだが、別に私はRTSをプレイしたいわけではないのだから、戦闘なんてこの程度の要素で構わない。実に歓迎したい。
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短所
本作には明確な長所と面白さが存在する一方で、明確な問題点も少なからず存在するのである。
最大の問題点は最序盤が恐ろしく難しくて不親切な点だ。チュートリアルはGif画像とテキストのみで構成された大変不親切なものしか用意されておらず、おまけに初手から取れる行動が比較的に多く用意されているため、そもそもまずどこから手を付ければ良いのか、何を建設して何をすれば良いのかすらさっぱりわからないのである。ダメ押しトドメに本作の序盤にはそれなりの時間制限があり、じゃがいも畑の研究と生産が遅れると住民が飢えて死んで詰むし、最初に貰える資源が枯渇する前に生産設備が作れないとこれまた詰むし、燃料が切れても整備不良を起こしてもやはり詰む。Factorioの序盤もちんたらトロトロしているとBiterが襲ってくるがそれよりも遥かに詰みまでの時間が短く、かつモンスターに襲われるのと違い「何故詰んだかが明示的ではない」ため後学に活かしづらい。非常に危険である。
マップがランダム生成ではなく毎回固定なのも気になる。現段階で5マップも用意されており、1マップで最低でも数十時間は遊べるだろうから不足するとは思えないが、この手の工業系ゲームは無限時間遊ぶことを前提に作られる必要があると私は考えており、最終的にはランダム生成のマップがどうしても必要になるはずだ。
パイプやベルトコンベアの設置がやや不親切、しかもレスポンスも悪い。十字路を作りたいときにひと操作余計に必要だったり、クリックしてワンテンポ遅れてから反応する。他のUIUXに問題が少ないため、余計に気になる。
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総括。とうとう私を満足させる「Transport TycoonとFactorioのマッシュアップ」に最も近い存在が誕生した。思い返せばキリがない。Rise of Industory。Voxel Tycoon。いずれも全く話にならない、プレイしても大して面白みを感じることもない凡作であった。だが本作は違う。「Transport Tycoonなのだから線路と列車がなければならない」だとか「Annoなのだから道路と公共事業がなければならない」といった思い込みを見事に破壊し、それらのゲームからFactorioと見事に噛み合う部分だけを切り出して昇華させ、さらには地形を文字通り削り取りながら採掘する全く新しい体験と組み合わせることで、人類にとって未知なる面白さに達することに成功したのだ。これこそがゲームを作る人間のセンスであり、ゲームという芸術品の最も美しい瞬間であろう。
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本作のベルトコンベアは魔法の力で無限に動くのではなく、動くたびに電気を消費するため、FactorioやSatisfactoryのように脳死でベルトを引きまくるのは得策でない。
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