Fae Tactics - エンディングまで @ 2020-11-05

【可】最初にレビューした地点ではもっと面白いゲームだと期待していたのであるが、進めれば進めるほどどんどん萎える。正直こんなゲームを真面目にプレイしていたから私の胃潰瘍が悪化したのではないだろうかと思う程度には満足できなかった。確かにストーリーは悪くないし世界観設定なども良くできているしゲーム自体も決してクソゲーではないのだが、あらゆる点を細かく外しまくっているし、何よりパズルゲーみたいに開発者の作った意地悪で理不尽なマップを解かされている感が最後まで我慢ならなかった。

長所
・ストーリーは2000円のゲームなりに楽しめた。ベタで王道かもしれないがまぁよくできているし、伏線もきちんと全て回収されるし、サブクエストも面白いし、世界観設定も良くできているし、不満はない。
・日本語翻訳のクオリティも最後まで問題なかった。僅かに一人称がブレたりなどあったが、ほとんど気にならない。英語版より日本語版のほうが楽しめるだろう。

短所
・戦闘自体がとにかく楽しくない。まず属性相性ありきだし、かつ正面から闘うとひどい確率ゲームに苛まれる。回避、パリィ、呪いの付与、いずれも運要素でしかない。当たれば敵を撃破できて一気に有利になる場面だが、回避されると次の敵の行動で回避後確定クリティカルとかいうふざけた特性のせいで反撃を食らって即死して終わる、みたいなひどい展開に何度も出くわす。それを避けるために背後を取って殴らなければならないのだが、全体的にユニットの足が遅いし、高さ方向の移動能力に欠けるし、なにより9割以上のストーリーマップは敵側が有利な配置で道も狭く相手の背後に回り込むことが飛行ユニット以外では不可能という有様で、一体全体どこにタクティクス要素があるのか・・・と思ってしまうことが無数にある。
・成長要素についても全く落第点。最大の問題点が攻撃や防御といった選択肢に最大20レベル分のポイントまでしかつぎ込めない点で、その上敵ユニットのレベルは常にこちらのメンバーのレベルと同じになるため、相対的に見て全てのポイントを攻撃力に割り振れるレベル20の地点が最も自軍の攻撃力が高く、そこからレベルを上げれば上げるほどこちらの攻撃力は変わらないのに敵が強くなる・・・みたいな成長させるほど満足度が下がるという意味のわからない展開になってしまうのである。武器の選択肢についてもあまり有用とは思えなかった。1キャラにつき3種類の武器が用意されているのだが、大抵の場合一部の異常に凶悪な武器を脳死で使うか、または相手のボスに属性を合わせて使わざるを得ないため、全く自由に成長育成ビルドしている感は無い。
・ただでさえ楽しくない戦闘と成長している感のない成長要素に対して敵は異常に理不尽な性能で襲いかかってくる。中には画面端から移動しないため決して背後攻撃が不可能な敵だとか、背後からの攻撃の効果を無効化するなどという頭キチガイな特性を持った敵だとか、おまけにクリティカルダメージを通常ダメージに変換するとかいう全てのゲームルールの根幹を無視するような特性を平然とボスが携えている。対抗するには相手のボスが召喚するモンスターを倒すだとか、特定の味方を生き残らせ続けるだとか、そういう特定のギミックをクリアし続けなければならないみたいな要素さえある。
・上記書いた内容全てが合わさって、結局なんというか開発者が作った意地の悪いパズルゲームのマップを開発者が意図とした通りのビルドでクリアしなければならない、みたいな感覚しか受けなかったし、最後は結局ランダムに左右されてしまう。少なくとも私がタクティクスオウガをプレイして最も感動した要素である、自由度、といったものは最後の最後まで微塵も感じられなかった。

正直なところ、ラスボスを倒してエンディングを見るところまでプレイした結果、最初に思っていたよりも遥かに微妙なゲームであるという結論に達してしまった。別に悪いゲームではないしクソゲーでも断じて無いと思うのだが、このゲームに2000円も払う価値がありますか、と言われたら私は即座にノーと答えるし、私の友人にももはやお薦めはできない。他に2000円で素晴らしいゲームなんていくらでもある。何ならもう2000円積みましてディスガイア5に手を出しても良い。そのほうがおそらく2倍の値段以上の満足度が得られるだろう。

結局、最後は余りにも理不尽でつまらなくなってしまったので、以下のネタバレ攻略を見てそのとおりにクリアした。

この攻略だけ見ておけば、ほぼすべての要素についてキチンとカバーされているのでオススメだ。ただしエンディングのネタバレすら書いてあるので気をつけてほしい。私は正直ネタバレ見て終わりでもいいかと思う程度には萎えていたので全く気にもしなかったが。