Grounded @ 2020-07-29

【良】評価が3周する作品だ。体験版の地点では文句なしの期待作、しかし実際に早期アクセスリリースした作品をプレイするとよくある早期アクセスで激しく落胆、ところがプレイの仕方を変えてみるとゲーム自体の出来が良いので中々の良作、結果としてこのぐらいの評価に。現段階ではサンドボックスゲームとして考え、立派な草の建物でも立てて小人生活を楽しもう。

長所
・斬新極まりない世界設定。おそらく蟻ん子サイズの子供になって自宅の庭でサバイバルするゲームは全世界に八百万存在するビデオゲームの類の中でも本作が初めてのはずだ。
・ゲームシステムの完成度。見事な世界観設定がきちんとゲーム内に生かされており、単なる思いつきの一発ネタでは断じて無い完成度だ。早期アクセスだからといって操作感が悪いとか不具合が多いとかそういうことは一切ない。バグ(虫)だらけのゲームだがバグ(不具合)は少ないぞ。
・マルチプレイ。試せていないので詳細は書けないのだが、レビューを見るかぎりちゃんと動作するらしい。マルチプレイのサバイバルジャンルというだけで自動的に楽しいことは間違いない。
・グラフィック。完璧とも言えるぐらい美しいし、DoFの設定もうまく、本当に巨大な庭の中に小さな自分がいるかのようだ。光の反射も美しいし、虫の甲のテカり具合も見事だし、蜘蛛の毛一本一本がきちんと見えてしまうぐらいには良い。アニメーションも少しアニメチックな誇張が入っているがリアルで見ていて美しい。
・建築要素。比較的簡単に使えるし、自由度も高い。そこら中に生えている草を切り倒してどんどん家を建てるのはやはり楽しい。
・研究開発要素。拾ったアイテムをラボで研究するとレシピをひらめくことができる。またぶっ殺した虫のパーツから装備を作ったりなど、サバイバルジャンルのゲームで楽しいと思える探索・強化・生産・建築要素については一通り完成度高く抑えてある。

短所
・ボリューム。正直言って、いくら早期アクセスリリースだからと言っても許しがたいレベルでボリュームがない。思わず「え?もう終わり?」とつぶやいてしまった。言われたとおりにクエストを進める作業は本当にあっという間に終わってしまうので覚悟されたし。
・虫。本作のグラフィックは先ほど申し上げたとおり非常に優れているのだが、その非常に優れたグラフィックとリアルなアニメーションで自分の背丈かそれ以上に巨大な虫たちがそこらじゅうをウロチョロしているというのだからたまったもんではない。虫嫌いの人にとってはなぜこんなゲームを作りやがったのかと開発元に呪詛を投げかけることになるだろう。
・アリ。最初は可愛いやつだと思っていたのだが、こいつらが集団で寄ってたかってあなたの家の倉庫からアイテムを盗み出していくのを目撃した瞬間、きっとあなたも地球上のすべてのアリを根絶やしにしようと心に決めるはずだ。おまけに数が多いだけではなく、一人でも生かして返すと凶悪極まりない強さの軍隊アリが複数攻め込んでくる。断言するが、ロケットランチャーかゴキジェットプロがない限り、あなたに勝ち目はない。
・蜘蛛。遠目で見ている分にはまだいいのだが、こちらに気づいて追いかけてきたときの恐怖感は想像を絶するものがある。バイオハザードでゾンビに追いかけられようが大したことはないのだが、自分の背丈の3倍はある蜘蛛が全速力で追いかけてくる体験は悪夢に出てきそうだ。一応蜘蛛嫌いのために表現を優しくするモードはあるのだが、ぶっちゃけ足の無い宙に浮いたピーナッツのような何かが追いかけてくるだけでも十分過ぎるぐらい怖い。
・要するにまとめると、難易度はMedium設定でも高い。おそらくあなたはあらゆる昆虫の餌にされ死にまくることになるだろう。というか見た目は可愛らしいゲームなのだが、実際にプレイしているとまるで食人族に追い回されるThe Forestのようなゲーム体験になる。マルチプレイ推奨な難易度に思える。
・マルチプレイの際にMicrosoftのXbox Liveにログインさせられる。基本的に最新のWindows 10とかを使っていればMicrosoftアカウントは持っているはずだしログインして使っているはずなのだが、Steam版だと何故かいちいち手動で再ログインを要求されてしまう。おそらくMicrosoftストアから購入すれば自動で連携できるはずだが、このぐらい自動で連携しろ。

今はひたすら庭の草を刈り取りまくって自分の家を巨大化する作業に邁進しているところだ。はやく高床式の立派な御殿を作ってアリが上がってこれないようにしたい。それにしても本作ほどアース製薬の科学力が求められるゲームは中々無いだろう。ゴキジェットプロが今すぐ欲しい。


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こちら、最高設定のグラフィック。奥行き感、空気、光、反射、全てが美しい。文句なしだ。プレイしていて何度も、こういう風景を見るたびに、良いパソコンを買ってよかったと思える気分にさせてくれる。


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ノミの死骸にたかるダニ、そこにやってきた働きアリの群れ。働きアリは食物を探してこうやって死骸を漁ったりしている。AIも見ていて非常に賢い。


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てんとう虫。でかい!なお可愛い見た目をしているが大きさ通りの硬さであり、最初に作れる竹槍程度では何発ぶっ刺そうがまともなダメージは与えられない。殺るなら複数人を集めて刺しまくるしか無い。さながらマンモスに挑む原始人のように。


なお蜘蛛嫌いの人に配慮して蜘蛛のスクショはここに貼らないことにする。結構トラウマになれるはずだ。私ですら蜘蛛嫌いになりそうだ。