Mercedes-Benz A 200d @ 2019-10-23

【優】以前、私はここをクルマブログにするつもりはない、といったと思うが、もちろんありゃ嘘だ。せっかく買ったし後世のためにも色々書いておこう。全体的に非常に満足しているが、インフォテイメント周りに関して言えば正直アウディやらBMWを買ったほうがいい。あとドイツ人は全員ボッタクリだ。

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パワートレイン: 優

本車A200dは名前の通り2.0L直4ディーゼルターボエンジンで、150馬力/32.4kgfmを出力する。現状まだ数百キロしか走らせていないので慣らしが終わっておらず、最終的にどのような評価になるかは全くわからないのであくまで現状のインプレッションでしか無いのだが、第一印象は買ってよかったわぁと思える素晴らしいパワートレインだ。試乗車のときとは異なる感覚だったらどうしようかと心配していたが、完全に無用だった。

このクラスのコンパクトサイズCセグメントのクルマに関しては購入前に一通り、国産も外車も試してみたのだが、その中でも間違いなくトップクラスにきちんとパワーを路面にまでデリバリーしてくれるパワートレインだ。何台も試乗して分かったのだが、パワートレインは数字上の強さと実際の挙動が大きく異ることがある。もっともわかりやすかった例が最近導入されたフォルクスワーゲンのGolf TDIで、こちらのディーゼルエンジンも150馬力の32.7kgfmを発揮し数値上では互角以上に思える。ところが実際に路上に出て目一杯アクセルを踏んでみるとGolf TDIは「はぁ?」と思うぐらい腑抜けたパワーしか出してくれないのである、どう考えてもカタログパワーの半分しかデリバリーしていないとしか思えない。しかもスポーツモードに変更しても全く改善しないのだ!一方のA200dはコンフォートモードですら「お前の思うコンフォートってのはこういうことだろォ?」と言わんばかりにすべてのパワーを地面に叩きつけてくれやがるため、気を抜くとおまわりさんのお世話になりそうなぐらいのスピードまでドカンと加速する。もちろん格上のAMGやらBMW Mスポーツやらアウディ S/RSやら、はてはスバルWRX STIやらと比べたらそりゃゾウガメとチーターぐらいは違うだろうが、一般的にカタログ上で150馬力前後を名乗っているモデル同士の中では一番いいパワーデリバリーだと胸を張って言えるぐらいには良い。後から調べて分かったのだがフォルクスワーゲンは例のディーゼルゲートでやらかして以降パワーを過剰に絞って二度とやらかさないような慎重な味付けにしているらしく、あの事件以降、もはや楽しいクルマとは無縁の単なるヨーロッパのトヨタ自動車になってしまったのかもしれないなと思わざるを得ない。流石にGTIやRは今でもホットだと思うが・・・

閑話休題、そんな最高にイカしたA200dのパワートレインであるが、最大の弱点は極低速域〜低速域である。具体的に言うとクリープ走行は全く問題ないし1速~2速のスタートはビューティフルの一言に尽きる完璧な動作なのだが、2速~4速付近が途端に怪しくなってくる、コンフォートモードでの速度にすると20km/h~40km/hぐらいだ。A200dの8速DCTはこのぐらいの速度域が恐ろしく苦手なようでATのスムーズ極まりない走りができない。もっと早くギアを上げてほしい感じがあるのだが、実際にはエンジンブレーキを感じるマニュアルトランスミッションの2~3速ギアがずっと引っ張られているような走行感覚になってしまう。この魔の4速を超えるとあとは何一つ不満も問題点も感じられないパーフェクトなトランスミッションに逆戻りしてくれるのだが日本の都市乗りだとこのぐらいの速度域がよく使われるので地味に困る。まぁこれは慣らしが終わってないせいかもしれないしウチの子の個体差かもしれないが。

最後にサウンドについて。試乗のときは回りだすとうるさいかなぁと思っていたのだが、他社のディーゼル車と比べても別に全くそんなことはなかった。むしろボンネットを開けて外から直接アイドリング音を聞いてもディーゼルとわからないぐらい丁寧な音がする。アイドリングストップが短いとか以前の記事で書いたのも試乗車が馬鹿みたいにガンガン冷房を効かせていたからで、今の季節であれば5分でもアイドリングストップできそうだ。ディーゼルっぽい汚さもないし、静粛性も良くて社内オーディオも聴きやすいし、それでいていざ行くぞ!となるとそこそこパワーを出してる感ある音を出すのでまぁ気に入っている。もちろん本物のホットハッチのサウンドとは比べるべくもないが、その代わり普段遣いの静かさで勝る。

足回り: 優

繰り返しになるが現状まだ数百キロしか走らせていない個体なので慣らしが終わっておらず、最終的な評価はまた変わってくるかもしれない。したがって何の参考にもならないと思うが一応記載する。

正直私はカージャーナリストでもレーシングドライバーでもなんでもない一介のおっさんなのでクルマの足回りが硬いだの柔らかいだのしなやかだのレーシングラインを思い通りに捉えるだの何だのソムリエみたいな気の利いたことは一切言えないし、比べられるほど他のクルマを乗り回したこともないので何とも言い難い。一つ言えるのは死ぬほど安定している。シートは明らかに硬めだし車高も115mmしかないのである程度サスペンションセッティングは硬いはずなのだが、別に多少舗装が剥げている路面を走っても不快だとは全く思わない。悪く言えば普通で他の日本車に乗ってるときより動きは少ないけど感じは同じみたいなそういう感じで感動もなければ不快もないという感じ。これが高速道路に上がってくると話が変わり、明確に素晴らしい。

ハンドリングはというと、車体全体で1510kg、前軸荷重960kg (車検証記載) とかいう軽快さのかけらもない重さと破滅的に終わってる前後重量バランスのためレーシング走行は試してもいないがまず不可能だろう。実際YouTubeに上がっているムーステストの動画では74km/hですらひどいアンダーステアでかろうじてクリアするのが精一杯という有様である。

この74km/hという数値は価格的に格下のトヨタ・カローラやらマツダ3やらと比べても明確に劣る。ただし弁護させていただくと破滅的に重すぎる前軸荷重のせいで先にタイヤが負けているだけでサスペンションの動きはほぼ完璧に落ち着いており、カローラやマツダ3のように後ろがビヨンビヨンするもなんとかクリアというような落ち着きの無さは一切ない。要するに足はよくできていると言いたい・・・のだが、うん、駄目だな。前重すぎ。

しかし実際に路上で転がしてみると、前軸車重1トン弱の重さにも関わらず電動パワステが良くできていて低速域ではホンダ・フィットと取り間違えるような軽々ステアリングだし、高速域になると両手を離していても永遠にまっすぐ進めそうなほどの安定感を見せてくれ、コーナリングでも嫌な感じは一切なく変なロールもなく、とにかく下手くそでも安心して乗れる。私のようなド下手くそが安心して乗るという意味では最高に向いている。スポーツ走行がしたいとか、飛び出してくる巨大シカを華麗に回避したいとか、崩落するトンネルから生きて帰りたいとかなら、こんな重くて高いボッタクリカーをドイツ人から買うよりスバルを買ったほうが安くて遥かに高性能だろう。

ブレーキは慣らしが終わっていないせいか試乗車より明確に効かない。効かないと言っても馬鹿みたいによく効くのだが、試乗車のわずかでも踏み込んだらガックンと止まるほどの驚異的な性能は見られない。逆に言えばブレーキ踏圧の調整が簡単で乗りやすく、案外コレでもいいかもしれない。

ウェットとアイスは試していないのでわからないが、とにかく車重が馬鹿みたいに重い上にバランスが悪すぎるので一切期待はしていない。雨が降ったらノロノロ運転、雪が降って凍ったら家から出ないのが一番だろう。一応タイヤはハンコックとかいう韓国メーカーのVentus V12 evo 2とかいうやつでウェットでも性能が良いらしく、韓国メーカーと聞いたときはメルセデスも堕ちたもんだなオワコンドイツ人めと思ったのだが調べてみると値段の割には死ぬほど評価がいいタイヤらしい。実際走っていても駄目なタイヤ感は一切しないし、むしろ気に入っている。この先どうなるかは知らないが。

内装・外見: 優

AMGライン装備であるという前提こそあれど、個人の主観や好みもあるけれど、やはり文句なしにウチの子が一番カッコいい。どの角度からどのように見てもいい。中も外も全部いい。語彙が失われてしまう程度にはいい。アウディの最新モデルの八角形グリルもいいけど、フランス勢の個性的で最高にイケてるデザインもいいけど、そういうのが全部忘れ去られてしまう程度にはカッコいい。友人も皆お世辞だろうがべた褒め絶賛してくれている程度にはカッコいい。

以上、何の参考にもならない個人の感想です。なるほど親が我が子が一番可愛い可愛い言う理由がよく分かった。

運転支援装備: 優

買う前にもちょっとだけ試したのだが、買った後に一番最高に気に入っているのがこの各種ADAS (Advanced Driving Assistance System) の性能である。特に全車速対応・渋滞自動再発進可能・LKAS (Lane Keeping Assistance Sytem) 付きのACC (Advanced Cruise Control) があまりにも良すぎて自分でアクセルとブレーキを踏んでステアリング操作をするのがバカバカしくなるレベルだ。・・・なんか横文字ばっかりで申し訳ない。

購入する前は高速道路で渋滞しているときに楽するもんだろぐらいにしか思っていなかったのだが、購入した後は高速道路は当然として一般道でもほぼ常時ACCに任せっぱなしなぐらい便利だ。よくマツダだのスバルだのが運転する喜びを〜みたいな売り文句を言うのだが、現実問題いつでもどこでも渋滞している日本の都市部のクソ路上において運転する喜びもクソもあるか寝ぼけてんのかボケと思わざるを得ず、そのような喜びのない箇所で喜びを感じるにはACCは絶対必須装備だ。なにせ何もしないでも全車に絶対追突しない上に絶対レーンからはみ出さないで走行してくれるんだからその楽さといったら天にも登る心地だ。ACCへの切り替えもキャンセルも手元でワンプッシュでらくらく、いつでも解除して通常モードに戻せるし、すぐにACCに戻すこともできる。ACCへの移行もスムーズかつ一瞬で行われ一切のストレスがないし、前に他車が入り込んできても直ちに認識してスムーズに減速し私自身にも後ろのクルマにもストレスを与えない。運転する喜びを〜とか現実を見てない世迷い言をのたまっている暇があったら他社もACCがいかにスムーズでストレスのない挙動で動くかを競うべきで、そのほうが現実問題明らかにドライバーにとって有意義だ。

数少ない欠点としてはLKASの挙動が良くも悪くも非常にマイルドで本当にちゃんとアシストしてくれているのか不安になる点が挙げられる。例えばアウディのLKASは有効になっていると非常に強力に、なかば強制的に力強くハンドルを操作してレーンからはみ出さないようにしてくるのだが、これにはこれで問題点があり例えば駐禁標識すら読めない路駐のクソどもを横に避けるときなどどうしてもレーンを逸脱しなければならない場合、ウィンカーを上げないとアウディのシステムは相当逆らわない限りレーンから外に出させてくれない。コレは逆に極めて危険な挙動であり、その点ドライバーの意思でシステムに逆らう必要が出てきたら比較的容易に逆らえるメルセデスのシステムは理にかなっておりドライバー中心のシステムになっていて好感が持てる。

その他の問題も、例えばハンドル手放し判定が厳しくちゃんと握っていてもハンドル操作が一切ないとすぐに警告が出てくるのでわざと左右にハンドルを振ってやる必要があるとか、渋滞再発進の際に前車がある程度離れるまでスタートしないので完全に自動任せにできず自分でアクセルを踏んでスタートする必要があるとか (ただしスタート指示を与えたらその後は完全自動で任せられる、あくまでスタートのタイミングだけをアクセルで指示する感覚だ) 、逆に前が詰まりすぎているときにアクセルを踏んでスタート指示すると慌ててガックンブレーキで停止しやがるとかそういう些細なものばかりだ。概ね最高の出来栄えで、私のドライビングスタイルを完全に変えてしまった革命的なシステムだと思う。まぁ多分他社のADASも大体似たようによく機能するんだろうとは思うが、少なくともメルセデスのADASに関しては完全に信用できると思える出来栄えだ。

インフォテイメント装備: 不可

買う前はキレイで最高だなと思っていたが、実際に使ってみると、はっきり言わせてもらうがクソの山である。マジで。わずか数日でありとあらゆる問題点が噴出する有様だ。

・そもそもカーナビの地図が古い。1年前に開通した道が未だにカーナビ上に存在せず、ムカついてメルセデスの販売店に問い合わせたらカーナビ会社の地図作成に1年かかっているとかいう頭が湧いてる答えが得られた。あのパチンコガンダム駅で有名なAppleのクソマップアプリですら今ではほぼリアルタイムに地図が更新されているというのに、カーナビ会社というのは一体全体どういう体たらくなのだろうか。これではせっかくのナビ情報の自動更新サービスが何の意味もない。なにせ最新でも存在するはずの道がないんだから。

・そしてそのカーナビの地図の操作も殺意が湧いてくるレベルのクソ。使っていて一番キレそうになるのが地図の拡大縮小操作で、いわゆるスマホの地図アプリと同じ操作で地図の拡大縮小をするのだがこれが頻繁に地図の回転と誤認され、そのたびにナビ画面を破壊したくなる衝動に駆られる。どこのキチガイが運転中に地図を回転したがると思っているんだメルセデスのアホどもは。試乗中は気にしなかったがこのワイドモニター、縦方向の高さが足りず先を見通すために頻繁に地図を拡大縮小したくなるので、問題に拍車がかかっている。いいから物理ダイヤルかボタンによる拡大縮小操作を今すぐ用意しろと声を大にして言いたい。

・ユーザーインターフェースとして用意されているトラックパッドも最高に使い勝手が悪く、反応がむちゃくちゃでタップの認識も悪くて遅い、設定から調整可能だが調整してもまだ使い物にならない。普段使っているmacbookのトラックパッドを引きちぎって代わりにひっつけたくなる。おまけに私は左利きだからまだましなのだが、右ハンドル故にトラックパッドは左側に用意されており、右利きのドライバーは普段我々左利きの人類が味わっている苦痛を500万円の高級車に乗るたびに味わうことになる。ハンドルに付随している操作用のポッチも (私が手汗をかいているためか) 頻繁に認識しないのでなおさらムカついてくる。唯一の救いはセンターコンソールのディスプレイはそのまま直接タッチパネルとして操作できることで、そのためこのクルマにおいては運転中に身を乗り出してセンターコンソールをタッチ操作するという常軌を逸した操作が必要になる。はっきりいって狂っている。ちなみにこのクソトラックパッドは最上位車種のSクラスですら同じものが使われているらしく、あのジェレミー・クラークソンが使いづらいとキレていたようだ。全く同意させていただきたい。

・ダメ押しトドメに一番ムカついたのが、なんと「Apple Carplay / Android AutoはMercedes me connectオプションをつけてもそれとは別売り3万円」という事実である。流石に看過できずブチキレて販売店に凸ったのであるが、担当営業の平謝りぐらいしか出てこなかったのでおとなしく3万円課金してApple Carplayを有効にせざるを得なかった。確かにMercedes me connectについての説明をどこまで読んでも「Apple Carplayが利用可能」としか書いておらず「オプションを買ったら付随する」とは記載されていないのであるが、こんなもんはっきり言って詐欺のボッタクリ以外の何物でもない。最初っから料金まで書いてあるアウディ、買い切りではなく年間数万円の更新費まで取られるBMWもクソであるが、まさか天下のメルセデス様が後から騙して課金させるとは恐れ入った。私の担当営業がボンクラなだけだったのかもしれないが、事実としてドイツの御三家メーカーはこうして人から金を巻き上げるカスの集まりだということがはっきりした。そりゃ堂々とディーゼル排ガスで不正をやるわけだ、所詮○○の残党は卑怯者の集まりか?それとも3万円ぐらい気軽にペイできない貧乏人は一生トヨタにでも乗ってろというドイツ人様からのメッセージであろうか?

これでプレミアムカーを名乗っているんだからスマホ世代にはとてもじゃないが受け入れられる代物ではなく、自動車業界終わってるなという気分さえある。さっさとグーグルだのアップルだのがクルマ作ってしまえばいいのではないだろうか。

ユーティリティ: 可

試乗車のときは狭い狭いと文句を言っていた後席だが、実際に試してみると身長180cmを超える巨漢の男一人と彼の息子とそのチャイルドシートを搭載しても問題なくドライブできたので多分言うほど問題はない。そりゃSクラスやらEクラスやらの後席と比べたら死にたくなるだろうが、まぁ子供が座るぐらいなら100%快適だろう。前席は一切何の問題もないし。荷室についても彼のチャイルドシートをらくらく折りたたんで搭載してまだ買い物袋を乗せられたので、あなたがアメリカ人の血を引いていて週末はコストコでポテチの袋を100kg買うだとか、またはパリピの血を引いていて週末はスノボかサーフィンのどちらかに毎週行くみたいな生活をしていない限りは多分問題ないはずだ。ただし繰り返しになるが後席に足腰の弱ったおじいちゃんおばあちゃんを乗せて毎週病院に行くみたいな生活をしたい場合はプリウスでも買ったほうがいい。

経済性・メンテナンスコスト: 可

まず車両本体そのもののコストについてだが、以前の記事にも書いたが明確にボッタクリである。プレミアムブランド〜というやつはこういうボッタクリ価格に喜んでお金を投げ捨てられるアホの集団 (including 私) のおかげで成立しているのだなと思わざるを得ないが、実際価格体系がボッタクリでも他に代替が効かないサムシングをきちんと提供してくれているので支払わざるを得ないし、支払ってもまぁいいかなと言う気持ちにはなる。

車両本体がボッタクリなら中古で買えばいいじゃんと思うかもしれないのだが、そこがドイツ人の商売の上手いところで、新車で買うと3年〜5年の間は全ての点検と特定メンテナンス要素の交換が無料になるのである。そしてこの手のプレミアムカーはそれらのメンテコストが馬鹿みたいに高い。まずそもそもボンネットを開けるのすら尋常ではない手間がかかるようになっていて、運転席のレバーを引いたら終わりかと思っていたら内側に死ぬほど外しにくい二重ロックが掛かっていて、私のようなメカ音痴が触るとボンネットを開けるだけで一日が終わってしまいそうになる。そしてオイル交換はおろかバッテリー交換すら個人では容易にはできないようになっていて、なぜなら最近の電子化されたクルマでは当然であるがバッテリー交換時にODB2ポートから予備電源を与えないとすべての車載メモリがリセットされてしまうからだ。ODB2ポートから給電する器具も探せばあるが値段がするし、要するにジコセキニンということになる。そんな面倒をするぐらいならメーカー保証に任せたほうがよく、となってくると一切の保障がつかない中古だと維持が面倒極まりないということになる。何でも自分でメンテする必要があった昔とは隔世の感だ。

さらに本車独自のメンテナンスに関する要素としてディーゼルエンジンが挙げられる。すでに散々述べたとおり最高に良くできたエンジンだし出力もフィールもサウンドも何一つ問題がないのだが、これらはすべて高価で消耗品を多用している最先端のディーゼル排気浄化システムに依存している。具体的には10万kmも走ったら触媒システムの総とっかえが必要でウン十万円程は取られることになるだろうし、それ以外にもAdBlueと呼ばれる尿素水を定期的に補充する必要がある。当然走行距離がかさむ中古車で買ってしまうとこれらが恐ろしくなるという寸法だ。本車は新車で買って触媒がだめになったら乗り捨てるというライフスタイルを推奨するために作られているようで、何がエコだと思わざるを得ないが、私としてはそんなもん知ったこっちゃない。

最後に燃費について。これは予想を遥かに上回って良好だ。むしろ最高と言っても過言ではない。こちらを見てほしい。

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郊外で渋滞に15分近く捕まってノロノロ低速運転だのストップアンドゴーを繰り返したにもかかわらずこの数値である。もっともメーター燃費は満タン実計測より大体の場合サバを読んでるし、買った直後の燃費は良い数字が出やすいので1万キロ乗った後ではまた変わるだろうが、それでもWTLC相互モードの申告値より優れている。おまけにこの数値が悪化しづらいのである。軽自動車の詐欺燃費なんて山に行ったり高速に行ったり荷物を載せたりすると一瞬で化けの皮が剥がれるが、A200dの燃費はそういった変動要因に対して強く、エコ運転を心がけたりACC任せで走っていると簡単に高い数値を維持できる。他の維持費がバカみたいに高いので燃料代だけでも安いのは本当にありがたい。