見出し画像

10.17 @奈良1|あをによし、道険し

年に一度の関西ダービー。今年は奈良で行われます。西宮はようやく新外国選手の1人、デクワン・ジョーンズが隔離期間を終えてチームに合流。ついにそのベールを脱ぎました。

と思いきや、ベールは脱いだけどユニフォームは着ないようで、DJはベンチ外。他のチームはどんどん出場しているのになんで? 書類出すのが1日遅かったとかいう理由だったら嫌だな。ちなみに、現地観戦した方によると「めっちゃいい人」らしいです。写真もなんとなく「うずうず」してる。

画像1

前半
さて、この試合では西宮はスタートを変えてきます。PGを渡邉選手、PFに劉選手を起用。相手の外国籍選手対策と、スクリーナーを増やしてハーフコートオフェンスをスムーズにする狙いでしょう。ちなみに奈良はショーン・オマラもベンチ入りして外国籍選手が揃っています。

しかし、この変更はあまりうまく機能しませんでした。フィッシャーHCが期待していたはずの劉選手ですが、マッチアップしたラキーム・ジャクソンに翻弄されてしまいます。外からドライブを仕掛けられると付いて行けず、インサイドでも押し込まれる。スピードは目をつぶるとしてインサイドではもうちょっと頑張ってほしい。ディフェンスリバウンドにもぜんぜん飛べていない。1Qだけで奈良のORBが6本ってどうなんだ。

画像2

劉選手のところは確かに誤算だったけど、全体的にも攻守の切り替えが遅く、ケレン味のない奈良の思い切ったオフェンスに次々と得点を許します。だから外国籍選手の数うんぬんという問題ではない。完全に受け身。

2Qに入ると改善され、奈良にイージーな得点を許さず、反対に道原・谷らのエース陣がどんどんシュートを決めて追い付き、わりとあっさり逆転します。一旦ベンチに下がった劉選手ですが、再びコートに登場すると見違えるような姿を見せ、スクリーンにリバウンドにと奮闘。PGが岸田選手に代わったことや、浜高選手の運動量もいい影響を与えていた気がします。

福田選手が特に良くて、スリーを2本中2本決めるだけでなく、ディフェンスでは自分よりも大きな相手を頑張ってカバーしていました。おかげでAJが4分も休めたよ。ただ、走られる機会が少なかっただけで、奈良の攻撃を抑えられているとは言えない感じ。やられる時はあっさり。7点リードで終わったものの、流れの中で縮んだり広がったりと、いい時間帯が長く続かないのがこの試合の一つのポイントではありました。

後半
PGは岸田選手がスタートに。あれ、渡邉選手は? そう言えば前半も最初だけしか出ていない。どうしたの。

後半に入っても、試合展開は2Qからのまま。行ったり来たりが続きます。西宮としてはワンストップ&ワンゴールを積み重ねて着実にリードを広げるか、せめてリードを守りたいところ。奈良が詰め寄っては西宮が押し返す展開はよくない。

スクリーンショット 2020-10-18 6.56.15

バスナビさんの新機能、得点差推移を振り返ってもその様子がよくわかります。4Q前半にかけて、追い上げられては押し戻しつつ、それでもリードを少しずつ減らしている様子がわかります。

結局、奈良に逆転されてしまうのですが、その中心は大塚勇人選手。皮肉にも西宮に在籍した選手が攻撃を牽引しました。大塚選手は3Qの残り4分半から登場し、そのまま4Qはフル出場しますが、奈良の追い上げ・逆転は大塚選手がコートに立っていた時間とぴったり重なります。ボールを素早くプッシュして速攻をいくつも生み出し、ハーフコートオフェンスでは空いたスペースに飛び込む藤高選手らに次々とアシスト。ショーン・オマラとのPNRでは楽々とコートのセンターラインを破り、自身もフローターショットなどを見事に沈めます。

不思議だったのは、西宮が大塚選手に対して何の対策も講じなかったこと。後半は岸田選手が長く出場していましたが、松崎・渡邉・今野あたりにマークさせても良かったのでは。奈良の直線的なオフェンスを止めるには、パスの供給源を立たないと。劉選手がインサイドの守備で対抗できず、福田選手を入れるとどうしてもミスマッチになるし…と、奈良のインサイド陣に対抗する術を見つけられなかったのも大きかった。

この試合、特に後半はゲームコントロールの巧みな大塚選手に好き放題にやられたわけですが、数字を見ると奈良のORBが13で、西宮のターンオーバーが14(奈良に対して+7)。つまり相手に「ポゼッションを渡す」機会がとても多かった。そこを突かれてしまったわけですが、大塚選手への対応という局地的な対応はもちろん、それだけではなく、全体的な戦い方の部分でも見直さなければならない部分がたくさんありました。はGAME2ではどのように修正、いやチームを建て直すのでしょうか。

【試合のターニングポイント】
→4Q 9:12|岸田選手のPNRへの対応

4Qの始まり、西宮は大塚&オマラのPNRによって立て続けにセンターラインを割られ、2連続でダンクをかまされます。この時の岸田選手のスクリーンに対するディフェンスはお世辞にも褒められたものではありませんでした。PNRへの対応ですから岸田選手1人に帰責するわけにはいかないけれど、同じプレーを連続というのはいただけない。

悪いなりにも勝てる可能性があった、なんとかそれに持ち込みたかった。4Q開始時点ではまだ4点リードであり、十分に勝てる可能性はあったわけです。それをふいにし、しかもこのお粗末なプレーによって大塚選手を完全にリズムに乗せてしまった感がありました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?