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10.18 @奈良2|先達はあらまほしき

GAME1では手痛い逆転負けを喫したストークス。アウェーとはいえ連敗して帰るわけにはいかない。最もケアすべきなのは大塚選手をのびのびプレーさせないことだと思いますが、この試合はどうかな。

前半
この試合はPG松崎でスタート。前の試合に続いて劉選手も先発です。その立ち上がりはいいとは言えず。オフェンスでは劉選手のインサイドでの合わせを使おうとする西宮ですが、ハンドリングミスなどで上手くいきません。ここは劉選手個人の問題が大きいので、スキルアップできればバリエーションが増える。シーズンが始まってからの6試合、徐々に劉選手の存在感は増してきていて、チームとしてそこを使う意識も感じられます。

それでつまずいたのか、西宮は最初の5分間無得点。最初の得点はAJのフリースロー。AJのインサイドで最初のフィールドゴールで得点したのは残り2分を切ってからでした。ただ、それが致命的な出遅れにならなかったのはディフェンスが継続して安定していたため。時折スコーンと抜かれてレイアップに行かれたりはするものの、足はよく動いていて簡単に得点を許す場面は少ない。そうこうするうちにシュートも入るようになってきて、4点差まで詰め寄って1Q終了します。

2Qの西宮は、1Qでファウルを2つ犯したAJだけでなく、劉選手もベンチに下げてスーパースモールラインアップ(渡邉・道原・浜高・谷・福田)でスタート。するとディフェンス面での連係がさらによくなり、西宮が一気に逆転します。動ける選手ばかりになってマークマンの受け渡しがスムーズになった効果があったと思うのですが、狙い通りなのか単に上手くハマっただけなのか。

実はこの時間帯、奈良も外国籍選手はラキーム・ジャクソン1人でした。そのジャクソンもファウル2つで早々に交代。すると奈良は代わりに藤高選手を加えて、両チームとも「オンザコート0」になります。なんで奈良はゼロにしたんだろう? オマラちゃんはファウル2つ持ちだから無理だとして、マーカス・ダブを出しても良かったんじゃないか。あるいは西宮のスモールを見て休ませようと考えたのか。

いずれにせよ日本人選手層の勝負なら西宮の勝ち。ボールを奪ってから攻撃へ素早く繋げる今シーズンのいい時の形が出てきてエンドワンを連発。外国籍選手がいないのでオフェンスリバウンドも奪いまくってました。福田選手のリバウンド力も光った。

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9点リードでオフィシャルタイムアウトに突入。でも、外国籍選手やスターターが戻ってくるとあっという間に追いつかれるのはGAME1と同じ。薦田選手や種市選手ら奈良のシューター陣にスパスパ決められました。そう簡単にはいかないか。30-30のタイスコアでハーフタイムを迎えます。

後半
ところで、昨日の奈良の勝利の立役者・大塚選手ですが、この試合ではさすがに西宮も対策を講じてきました。マークマンは基本的に今野・渡邉らディフェンスの強い2人で、高めの位置からプレッシャーをかけて自由にさせません。

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これによって奈良のオフェンスは流動性を欠き、個人技による得点が目立っていました。だから、力強いプレーは随所に見られるものの継続性がない。ハーフコートのオフェンスではオフボールの選手の運動量が少ない奈良。そもそも時間をかけたオフェンスは指向していなさそうというのもあるけど、その事情はGAME1でも大して変わらなかったと思う。特に終盤は大塚選手がほとんど全部自分でクリエイトして、ボールを動かし、パスを出して味方を活かしていました。パスの供給源となる動きを封じられたことで、チーム全体としての連係も薄れてしまった感があります。

試合はと言えば、GAME1と同じように行きつ戻りつの展開だったものの、3Q終盤から西宮が一気にギアチェンジ。疲れの見え始めた奈良からスティールを奪って速攻を量産し、10点リードにして3Qを締めると、その勢いを4Qも継続して点差を広げていきました。天晴れだったのは岸田選手。昨日のお返しとばかりに大塚選手からスティールを奪って得点するなど、このQだけで7得点。奈良にタイムアウトを取らせて、どうだとばかりに相手ベンチに目をやるあたり強心臓ぶりをうかがわせます。まだまだ判断の悪い場面も見られますが、乗せると勢いづくのが魅力。

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戦術面の細かい対応は大切ですが、それは相手に合わせるということでもあって、視野狭窄に陥ってしまうリスクもある。それをやりながら、自分たちのバスケットボールのクオリティや強度を上げて1勝できたのは良かった。もっと大切なのはこれを継続できるかどうかという点ですが。

【試合のターニングポイント】
→3Q 3:09|今野選手のディフェンスリバウンドからのボールプッシュ

リバウンドをもぎ取り、コートの中央を力強いドリブルで駆け抜けてゴールまで。その迫力に相手はたまらずファウルで止めるしかありませんでした。リードをしてもまたすぐに取り返される中、流れは自分たちで持ってくるものだと言わんばかりのボールプッシュ。力感溢れるこのプレーで「スイッチ」が入ったのか、それをランに繋げて試合を決めました。

今野選手はこのフリースローを2本沈めて交代。状況判断もさることながら、プレーでメッセージを示すというベテランならではの貢献の仕方でもありました。先達はあらまほしきことかな。試合の中には流れを変えるためのプレーというのが確かにあって、何が正解はわからないけれど、誰かがやらなければいけない。



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