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西宮ストークス観戦記#28 @群馬1

天皇杯のために2週間ぶりの試合。この観戦記の更新も久しぶりです。対戦相手は群馬クレインサンダーズ。東地区の首位争いを演じる相手にアウェーで挑みます。強豪相手の初戦はなぜか強い西宮ストークス。

群馬は新外国籍選手のギャレット・スタツ選手が加わったばかり。昨シーズンまではFE名古屋でプレーしていた安定感のビッグマンです。ただ、個人的にはこのチョイスは謎。今ひとつ波に乗れない群馬が何かを加えてくることは理解できるのですが、走力のないインサイドアタッカーというのがね。今季の群馬はちょくちょく観るけど、クゥソーもロスコ・アレンも外寄りにポジショニングすることが多く、それほどインサイドを重視しているとは思えなかっただけに意外でした。果たして吉と出るか凶と出るか。というか、試合に出るのか。

で、蓋を開けてみると群馬のスタートはクゥソーとアレン。なんだ、担がれたのかな。対する西宮はon1で谷口選手がスタート。群馬の機動力を警戒しての起用でしょうか。

◉タイムシェアする群馬

松崎選手のスティールから幸先よく先制した西宮。動きがよく、群馬のディフェンスを遅らせることに成功し、ブラッドさんがゴール下で手堅く得点します。6点リードでもなんかスッキリしないのは、打てるのに余計なパスをしてもったいぶってるように感じるところ。パス回しは「目的」ではなく、シュートのための「手段」なんだけどな

対する群馬はオフェンスに苦労している印象。シュートが入らないというより、そのプロセスでのミスが多い。ロスコ・アレンに上手くボールを渡せず、佐藤選手のスリーも不発。それを受けてかいつも通りのローテーションなのかはわかりませんが、群馬はどんどん選手を入れ替えていきます。さすがタイムシェアの群馬。西宮もここぞとばかりに選手を休ませて、ベンチメンバー中心の5人に。すると途端にオフェンスが組めなくなり、互いにドタバタしながらも群馬に同点を許します。勝負どころはまだここじゃないと思っていそうなフィッシャーHC。最後の岸田選手のスティールはクール。得点には繋がらないものの、浜高選手など戦う姿勢を十分に見せて1Q終了。

◉インサイドのファウルトラブル

エンジンが先にかかるのはどっちかな? 西宮だった。激しく寄せてくる群馬ディフェンスをかいくぐり、劉選手のインサイドを中心に得点。1分半で7-1のランを見せます。劉たんはこんな感じで試合の中での「アクセント」として使えるといいよね。相手が慣れる前に得点を量産。長い時間はまだ無理かもしれない。アジア枠を早く適用してほしいな。

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いいセットがあった。パスコースを塞いでくる群馬の裏をかいたプレー。ベースラインカットした道原選手から、岸田選手のコーナースリーに繋げた。この一つ前のオフェンスは同じような形で、トップでボールを持った谷口選手からローポストの劉選手へ。それを警戒してか高めに守ったアレンの逆にカットした。ナイス。

流れの掴めない群馬でしたが、クゥソーのローポストからの展開や、ロスコ・アレン個人技などで繋ぎながら反撃の機会をうかがいます。そうするうちに西宮のファウルが嵩み、ボーナススローなどで群馬が逆転。西宮の8点リードから、反対に群馬の4点リードへと変わり前半が終了します。

西宮はインサイドがファウルトラブル。谷口選手に続き、ブラッドまでベンチへ下がらざるを得ず、リードを失ってしまいました。フィジカルなゲームは群馬が仕掛けた罠のようでもあり、それに安易に乗せられてしまったのか、単に審判のコールに対応できなかっただけなのか。でもやっぱり群馬は悪いなりにゴールへアタックを続けてたよね。

◉一進一退は続く

後半開始1分で松崎選手が2ファウルした時は、ああこれで終わったかなと思った。標的になりがちなブラッドさんのインサイドを使いつつ、道原選手のドライブや、要所要所でスリーも沈め、しぶとく付いていく西宮。谷さんのきれいなコーナースリーで再びリードを奪います。

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これがそのスリー。インサイドから一度逆サイドへ振って、岸田選手が果敢にドライブしてからの素晴らしいパス。道原選手の展開(2枚目)も良かった。今日はわりとポストプレーから逆サイドへワイドに展開できていて、そのあたりはこの2週間の間に改善した点だろうか。

スリーで逆転した後は、ブラッドさんのインサイドへパスを通して加点。こうした緩急の使い分けができている時は、西宮にとっていい時間帯。今日は岸田選手が素晴らしい。

群馬はいいオフェンスの時間帯が長く続かないという印象。決め手がないというか。それでもディフェンシブな戦い方で接戦へと持ち込めるのは、やっぱり強いチームなんだと思う。4点リードで4Qに突入したものの、安心感はまったくないな。

◉フリースローが分けた明暗

西宮ストークスは3Qをリードで終わると負けなしという記録が継続中だそうです。その記録を伸ばせるでしょうか。

このQも西宮のやることは変わらなくて、ブラッドさんを使おうという姿勢は変わらない。ただ、それだけではダメということもわかっていて、道原・谷・岸田あたりは特に攻める意識が高い。インサイドへカットしたり、動きも豊富。松崎選手がもうちょいシュートに繋げられればなあ。シーズン序盤のあの積極性はどこへいったんだ。ペイント内で止まるシチュエーションが目立ちます。

群馬も試合巧者ぶりを見せつつも、やっぱり今日はシュートが入らず。ロスコ・アレンが躍動し、クゥソーも中でいい仕事をするものの、西宮を完全に上回れるかと言うとそうでもない。だからやっぱりスタツの加入は疑問で、どこを変えたいのだろう。ロスコ・アレンに伸び伸びやらせるならポストプレーは不要だし、今さらゴリゴリインサイドのハーフコートオフェンスをやるとも思えない。うーん。

さて、試合はと言うと、フィジカルな展開の中で互いにミスをし、ファウルでフリースローを与え合いながら、西宮が劉選手のフリースロー2本で5点差とし、これで逃げ切ります。それまでまったく入らなかったフリースローが、最後の局面で決まるんだもんな。今日はフリースローが勝負を左右した感じはありました。両チームの外国籍選手が外し合い。

オフェンスのミスで簡単に失点してリードを広げられなかった感のある西宮と、とにかくシュートがリングに嫌われまくった印象の群馬。どちらもパッとしないと言えば確かにその通りというオフェンスで、接戦にはなったものの、本来の出来からは遠そう。

西宮にとってはファウルトラブルを乗り越えて悪いなりに勝てたわけで。バーンズ先生の不在が続く中、日本人選手の意識改善の兆しも見える。とりあえずこの勝利は忘れて、明日に期待したい。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。



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