2023.6.1.
木曜日
明日は大雨だそうだ。
夜、自転車に乗って出かける。
草の匂いがする。
ほそくみじかい雨粒がこっそり顔を濡らしていく。
肌寒さを感じるのに、頭を反芻するのは
蒸しっぽいゆらゆらした夏のことばかりで
張り付いたTシャツで聴いたバンドのこと。
電気の着いていないくもりの部屋で流れた汗が光っていたこと。
青色にも灰色にもみえた天井のこと。
溶けたアイスと高架下の温度も、
給食の匂いがした牛丼屋も、
君の焼けた首と同じ湿度の入道雲も
ながいながい雨が上がれば
来るだろう それらは 全て
夏というものがそれらを統べて
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