無題

返事が返ってこないことに安心をする
呼吸しないあなたで息ができる
夢でしか出逢えないあなたが
今日は珍しく夜の縁に立っている
名前を付けたら消えてしまいそうなので
永久に呼び止めることができないあなたを見詰めて
夢と現の境目で欄干に手をかけている
あなたの指が私の首を絞めてそしたら朝になっている
いつもそうだ今日もそうだきっと
なんて 言葉にしても諦められないままで
本当はあなたがわたしの手を引いて
この6畳半を空っぽにしてしまうことを夢見ている
欄干から手を離す
今日もまた波打つシーツで眠りにつく

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