大学に入学する

「大卒」に対するコンプレックスがある。

大学に行ったけど辞めたのは自分だ。役者という仕事に夢中になった20代。まさか自分がこんな風に学びたい気持ちが湧きだすなんて思ってもみなかった。

何気なしに調べたところ、音楽を学べる通信大学は日本で1つ。

大阪芸術大学だった。

名前も聞いたことあるし、お世話になっている役者の先輩方が講師を務められていることもうっすら記憶にあった。

正直「通信学部」なので、学生証にも、卒業証書にも「通信」と記載されるため、少し気落ちしたが、

①学士を取ること

②自由に感じてきたバラバラの音楽のパズルを、ピースは少ないかもしれないが、きちんと1枚の絵にすること。

まずはここが目標である。授業のシラバスを見たところ、もしかしたら私の学びたいことは通信ゆえに少ない気もするが、それでも

「better than nothing.」である。(これは好きな言葉)

0から一歩踏み出したのだから、進もう。

まず初めにこのnoteを始めたのは、備忘録として、そして大阪芸大に入りたいなと思う方が今後何かの参考になるかもしれないと思ったことがきっかけだ。

一番初めに大阪芸大にコンタクトを取ったのは願書や学校案内を取り寄せるとき。

テレメールという方法で取り寄せたところ5日くらいで届いた。

画像1

その封筒を開けて驚いたのは言うまでもない。

ギンギラギンの学校案内パンフだったのである。初めて見た。

こんなに派手なパンフ。

それだけで楽しい。楽しいは大切。

正直、申し込んだ時点である程度は決めていたけど、キラキラパンフで確定。

ここに入学する。

志望動機を下書きし、文字数から1文字あたりに割けるサイズを測って手作業で指定の用紙にうっすーら鉛筆で枠を作った。大雑把な性格の私の割にはめちゃくちゃ頑張った。

学生証のために1枚写真が必要だった。これは命を懸けるしかない。たぶん4年間同じ写真のはずだ。ここで気を抜いたら一生後悔する。

証明写真で上手く行った試しなんてない。運転免許は最悪だし、撮り直せると言っても機械の撮影機も根負けして大した仕上がりにならない。

ここは自力でなんとかせねば。

とはいえ、盛れるアプリなどを使うのも自身の証明にならない。自宅の白い壁の前で、必死に手を伸ばし、見えないところに汗をかきながら奇跡の1枚を何とか撮影成功。自力で背景と自信を切り離し(アプリ使用)背景をグレーに合成。今までで一番マシな証明写真が出来上がった。

高校の卒業証明は一番初めに慶応だ法政だと言っているタイミングで取り寄せていた。

ただ、結婚したものだから姓が変わり、それを証明するために本籍地から戸籍抄本を取り寄せる必要があった。

さらには高校の成績証明が時間が経過しているため出せませんという証明も必要とのことで、再度高校に連絡し、送ってもらった。

この時に担当してくだった高校の事務室の方がとっても親切で、優しさが勇気をくれた。書類の発行は無料だったが送料の切手代84円を送ってくださいと言われたので、切手と併せて一筆箋に

「頑張ります」

と添えた。良い高校を卒業していたなと思ってうれしかった。

書類が揃うまでに気持ちが冷めるかと思ったが(どんだけ軽い気持ちなんだ。)そんなこともなく、きっちりと書類をそろえて、封筒に「封」の字を書いて提出した。

定員オーバーとか?もしくは普通に不合格なんてこともあるよな・・・

勝手に入る!!とか決めてはいたが、入れないかもしれないと思うと、毎日郵便受けを見ては落胆していた。

10日ほどたった夕刻。

ポストに入っていたのはB5の封筒。

差出人はどこからどう見ても大阪芸術大学。

薄い・・・あまりに薄い・・・

まじか、合格ならばどさっと資料が来るはずだが、来てないということは不合格だ。

封を開けてみると

画像2


「合格通知」

「振込用紙」

そりゃそうだ。

入学金も払ってないのに資料なんて来ないか。

ぎりぎりもいいところ5月半ばに入学金と前期の授業料を合わせ135,000円を振り込み、入学手続書類を発送。

すぐに学生証と履修登録や、勉強の手引きが届いた。

始まった。始まってしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?