株式会社アピックス様 訪問レポート 


0.はじめに

私たちは大阪経済大学と地域企業が連携しておこなう「志プロジェクト」へ参加し、企業様のWikipediaを作成することになりました。参加者で数人ごとのグループを作り、グループごとに別個の企業様を取材することになり、私たちは株式会社アピックス様を担当することになりました。私たちはWikipediaに記載する情報を求めて、2022年12月9日金曜日に、株式会社アピックス大阪本社へ訪問しました。訪問当日の様子を報告します。

1.訪問当日の流れ 

まず4階会議室へ案内され代表取締役社長河村武敏さんと名刺交換をおこない、役員の方々と挨拶を交わしました。そのあと当日のスケジュールを軽く説明され、まずは社内見学をした後に質疑応答の時間を取ってくださる流れとなりました。

2.社内見学

社内見学は従業員の方々が実際の業務にあたっている様子を見学しつつ、業務内容や機材の説明をその都度してくださる運びとなりました。

大阪本社は1~3階がプロダクションマネージメント部であり、4階に社長室、会議室がある構造となっていました。3階から順を追って1階まで案内してくれましたが、機密情報を扱う業務の特性上、撮影は許可されなかったため、各自メモをとることに専念しました。

3階はデスクと印刷機が併設されており、主に製薬会社の治験に関する報告書や各種資料を扱う業務をおこなっていました。お客様の受付からデータ作成、文書の発送までを3階だけで業務が完結する小ロットの案件をこなしているとのことです。

2階、1階は連携して業務をおこなっており、大きいロットの案件を主に取り扱っているようです。入稿サイトからの受付やオフサイトでの案件が主で、大型の印刷機数台を稼働させています。カラープリントが人気で、必要な印刷物を必要な数だけ求められる現代のニーズに合わせた印刷業務をおこなっているとのことです。2階で印刷された文書は1階へ運ばれ、加工および製本を機械と手作業によっておこなわれます。1日に1,000冊以上製本することができ、約200件もの文書が取引先に発送されます。

以上で社内見学を終了し、会議室に戻り質疑応答をしていただきました。

3.質疑応答

以下、質問内容とその回答を記載します。

―志プロジェクトについて、参加の理由、そして良かったことなどあればお聞かせください。
当初は、富士ゼロックス(現在は富士フイルムビジネスイノベーション)が、全国の印刷ユーザーとともに全国各地域の大学とその地域の中小企業に向けて、地域の金融機関と一緒に地域活性化の一環として発足しました。地域活性化を目的にインターンシップとして会社案内の制作を通じて、大学生とエンドユーザー企業をつなぐ活動として、2016年頃から始まったのです。

アピックスは大阪地区において、大阪経済大学と商工中金船場支店ならびにそのユーザーとしての中小企業各社とともに当時から参画しています。

2016年頃から現在に至るまで、少子高齢化が激しくなり、人材採用が非常に難しい状況になっています。アピックスもインターンシップ活動の一つとして、現在も継続しており、現在は外国人留学生向けのインターンシップ活動や、リクナビ・マイナビなどの新卒活動にもつながってきており、会社を知り就職するという意味では、価値のある継続したインターンシップ活動ではないかという点では、メリットを感じています。

―社名の由来はどういったものなのでしょうか。

アピックスの社名の由来は、

A ABCのA、アイウエオのア 名簿の一番先に来る、あとability、adequate など
P 写真を扱うのでphotograph、印刷を扱うのでprinting、production、produceなど
I 情報を扱うのでinformation、統合という意味でintegration
X 未知なる未来のX

といったものになります。

アピックスへ社名変更したのが、1990年。それ以前は「日本複写センター」という名称でした。高度成長期に総合複写業としてモノの提供を中心に発展してきたが、複写サービスにとどまらず、印刷、デザイン、データ入力など、多様なサービス展開をしていた関係で、大阪本社の社屋増築のタイミングを機に、「アピックス」に社名変更をした次第です。

当時CI(コーポレートアイデンティティ)やVI(ビジュアル・アイデンティティ)を変える会社が多く、弊社もVIとしてのアピックスのロゴを作成したのがこの頃です。VIは変更できても、CIを変更するのは大変難しく、2022年の今、私が社長を27年経験し、少しずつCIが社内に醸成されてきたと感じる今日この頃です。

―株式会社アピックス様の経営上の特色についてお聞かせください。
アピックスには、社員との情報共有において、年2回の経営方針会議を開催しています。決算期が9月ですので、10月に正社員を中心に土曜日1日を使って、経営方針会議(通称キックオフ会議)を開催します。

その際に、社員の経営ツールとして、ASB(APIX STRATEGY BOOK)という経営ツールを社員に配布しています。今年は103年目ですので、ASB103が配布されています。

当社は現在、印刷業からBPOサービス業へ業態変革のまっただ中として、企業活動を行っています。今期から、「BPOサービスの質的拡大を目指す」をトップメッセージとして、企業理念のリニューアル、経営ビジョン2026、(新)行動規範の策定など、業態変革に向け会社の目指すべき指針を変革しています。

また、現在の業務割合において印刷を伴わないBPOサービスが7割を占めており、サービスの質が求められています。そのためISO取得にも力を入れており、情報マネジメントセキュリティシステムであるISO 27001、サービス品質を担保し、全社で品質の向上を目指すための、品質マネジメントシステムであるISO9001を取得しています。

―社章を見せていただくことはできますか。
社名を変更した1990年には作成していました。また、100周年の際は、100th anniversaryとして作成しましたが、その後はコロナ禍等もあり、徹底はしていません。

その後100年を超えるという意味で『100 Years and beyond』を名刺などに入れキャッチとして掲げています。

―管理職の設置はどのような構成をとられていますか。
社員数が120人前後ですので、管理職は重要な位置づけになります。役員4名、管理職10名です。

―昨今話題のテレワーク、サテライトオフィスは利用されていますか。
 テレワークをおこなっている従業員もいますが、大多数は出社して業務に取り組んでいます。なぜなら、機密情報を扱う上で在宅勤務だとセキュリティ面の問題があるからです。また、お客様にも不安を与えかねないため、社内での勤務を基本としています。
 サテライトオフィスも同様の理由のほか、オンオフのメリハリが大切な業務が主なため、利用していません。

4.今回の訪問を通じて

私たちは今回の訪問を通じて、100年以上続く会社の底力を実感しました。老舗であることに胡坐をかかず、変動し続ける時代の流れに順応するべく業務形態、業務内容を柔軟に変化改革してきたことこそがアピックス様が今日まで存続することができた理由であると思いました。

就職活動に差し掛かっている我々にとって、非常に良い刺激と経験になりました。訪問では、効率、役割、分担これらが徹底されていると、建物全体から肌で感じることができました。まさにチームワークのお手本だといえ、参考にできる部分があると思います。


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