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『ヒップホップ・アナムネーシス ラップ・ミュージックの救済』

梁山泊 島元唯我

「本を読まない世代(現在25歳です)と言われる僕らですが、少なからず僕も読んできたものがあります。せっかく大阪古書研究会でこのnoteを始めたので、今まで少ないながら読んだ本の紹介と、僕自身スキルアップのために本を読み紹介していけたらと思っています。」

と書いたのが去年の7月半ばでそれからズルズルと僕自身も古書研究会note自体も休み休みになってしまい、これではダメだと会議の中で再開しようとなり、クジの結果、僕が一番目なりました。

一昨年のコロナど真ん中に読んだ本が

「ヒップホップ・アナムネーシス ラップ・ミュージックの救済」

山下壮起・二木信 編 新教出版社 です。

想起=アナムネーシスせよ、失ったものを、新しい世界を

内閉したキリスト教会の限界を乗り越えるギャングスタ・ラップの宗教性を論じた衝撃作『ヒップホップ・レザレクション』。その議論を引き継ぎ、ラッパーの人生、ブラック・ライヴズ・マター(BLM)、フェミニズム、コロナ以後の社会といった視点から、ヒップホップが発揮する救済の力=アナムネーシスをラディカルに描き出す。BLMと共闘する黒人牧師の説教、気鋭のDJ陣が寄稿したディスクガイドなども収録した、かつてないヒップホップ・アンソロジー

(新教出版社HP内容紹介より)

BADSAIKUSHやDyyPRIDE、J・Columbus今をときめくラッパーからDJ、牧師など、さまざまな視点からヒップホップ及び音楽とその社会について語られています。

音楽や芸術には力があると思っているし、そうあるべきだと思います。

ただコロナ真っ只中、アーティストたちが政治的なメッセージばかりをTwitterやYouTubeで発信する姿にすごい違和感があると先輩に話した時にこの本を薦められました。

感想をだらだら書いても仕方ないので特にエグいと思う箇所を書いておきます。

Chapter1の4 “五井健太郎さんの「情報戦争(インフォウォー)」時代における文化―星野源、A-THUG、Kamuiから考える” の53ページ (離脱という発想についてA-THUGが行っていたこと)

「世間がコロナ騒動に狂騒し、(比べるまでもないが)星野源が「みんなで手をとろう」とかなんとかと歌い、凡百のミュージシャンたちが「#stayhome」だ「#安倍やめろ」だというなかで、彼はなにをしていたか。あるいはなにをしているか。

スケボーである。マスクなどせず夜の街頭に出て、ただただスラッピーやキックフリップをメイクする。しかもめちゃくちゃ上手い。けして軽やかではないが野生動物をおもわせる緊張感のある滑りだ。断言できる。目下の状況のなかで、ひとはこれ以上にヒップホップ的であることはできないだろう。コロナ対策をきっかけに今後さらに激化するだろう「情報戦争」のなかにおける反戦的な身ぶりとは、たとえばそのようなものである」

A-THUGがリーダーを務めるSCARSの楽曲もおすすめです。

おわり

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