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Vol.1「友引」

友引にお葬式をやってはいけない⁉️

お葬式の日時を決める上で、
気をつけることって何でしょう?
お寺さんのご都合?
火葬場や式場の空き具合?
もちろん、お客様のご希望が最優先です。
そのお客様が一番気にされるのが
友引(ともびき)」です。

どうして「友引」を気にするの?

「友引」に葬儀をすると、亡くなった人が周りの人を連れて行く(引いていく)。
迷信深い方々は、まことしやかにそうおっしゃいます。  たしかに字で書くと「友を引く」ですが、果たして本来の意味はなんでしょう?

「友引」は「六曜」のひとつ

「友引」が書かれたカレンダーを見ると、ほかにも「先勝」「先負」「大安」「仏滅」「赤口」と書かれていませんか?
これは「六曜」と言って、中国で誕生した暦(こよみ)です。三国志の天才軍師、諸葛亮孔明が考案したとも言われていますが、定かではありません。
カレンダーをよく見ると「友引」って「先勝」と「先負」の間に挟まれてないですか?
「勝ち」と「負け」の間。つまり、勝負がつかない「共に引きわけ」というのが本来の意味です。「六曜」は戦争や賭け事の吉凶を占うために使われていました。いつから「友を引く」に変わったのか諸説ありますが、科学的根拠はなく、仏教とはまったくの無関係です。

「友引」にお葬式をしない理由

全国的には、友引には葬儀をしないという地域があります。というより、葬儀がしたくてもできません。なぜかと言うと、火葬場が「友引」に開いてないから。つまり、定休日なんです。
こういった火葬場は民営の場合が多く、東京都など首都圏がこれに当てはまります。
対して、大阪市営の火葬場は元日だけがお休みです。友引もフル稼働しています。

「友引」を気にする人たちのために

それでも実際には、お年寄りなど友引を気にされる方は多いです。関東出身の方は友引に葬儀が出来るだけで驚かれます。
友引に葬儀を行う場合、「友人形」と呼ばれる人形を身代わりとして一緒に棺に納めます。故人が愛用していたぬいぐるみを納める場合には、燃える物かどうか確認してください。または「午後からは友明け」と言って昼からの葬儀を薦めるケースもあります。
それでも気にされるなら、それは遺族の意見を尊重して友引は避けた方が無難です。
お葬式屋さんなら「 友引」は気にするようにしましょうね。

「六曜」はこうして決まる

カレンダーでは先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口(しゃっこう)と順序よく並んでいるように見えますが、時々不規則になることに気付きませんか?
六曜は、月の満ち欠けを基準にした太陰暦「旧暦」に基づいています。新月を1日としてはじまる旧暦は、15日目が満月「十五夜」となります。およそ29.5日でひと月が経ちます。
六曜は旧暦のはじめにリセットされ、1日だけは次のように決まっています。
1月、7月…「先勝」
2月、8月…「友引」
3月、9月…「先負」
4月、10月…「仏滅」
5月、11月…「大安」
6月、12月…「赤口」
そこから順番に先勝→友引→先負…と繰り返されていきます。たまに規則が変わるのは、旧暦の月が変わるから、なんです。
これを計算式にすると、
(旧暦の月+旧暦の日)÷6…このあまりが、
0…大安、1…赤口、2…先勝、
3…友引、4…先負、5…仏滅
例えば旧暦5月5日は、
(5+5)÷6=1…4→→→「先負」!
これで旧暦さえわかれば、
いつが「友引」なのかすぐにわかりますね!?

(イラスト/きむら)

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