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drops

さっきからカーソルが全然動いてないのは気付いてるさ。サイトで小説載せるようになってかれこれどんくらいかなぁ…?飽きてやめたり思い出したように始めたりの繰り返しだから、トータルで何年やってんだかなんて思い出せるわけねぇよ。サイトもペンネームもころころかわって何番目だろうねぇ。最初のペンネームが綾鷹なのは覚えてるよ。つけた理由とか意味は覚えてないけど。
週に一度は更新するようにしようって自分で決めて。曜日は特に決めてないけど週に一度。活発なサイトに来たからか時々読んでくれる人もいてくれるおかげで、とりあえずだらだらとでもその約束は守ってこれた、はずだった。
ずっと長編で書いてきたんだけどさ。最初に出した前提がなんか違うんじゃないかと思ってしまった。とある女性がずっとひとりの男性のことを思い続けているっていう、なんちゅーかやさぐれた俺としてはらしくない甘酸っぱい話を書いていたわけよ。書いてるものくらい夢を見たいじゃないのさ、ねぇ?男もまぁそれなりに優しくていいやつにはしたんだけど…なぁんかしっくり来ないんだよなぁ…こいつでよかったんだろうかと今更ながらに思い始めてきてしまった。
なんだろう、女性に肩入れしすぎちゃったのかな。もっと幸せにできないかなーなんて考えたのは確か。今のやつは優しいんだけど、大きな何かが起きたときに手を引っ張ってくれるやつじゃない。一緒に歩いてくれることはあるかもしれんけど。
いつもみたいに飽きたと放り出せればいいのに。やっぱりやめたということだってできるのに。それでもなんでこんなに頭抱えてさぁ、貴重な休みの前日にモニターとにらめっこしてるんだろうねぇ?遊びにも行かずに酒も飲まずにだよ?
そりゃあ俺だって昔は誰も書いたことのないような話を書こうとか、そういう意気込みがあった時期だってあるさ。でもさぁ…これまで長い年月の中でどれだけの話が産み出されたと思う?今なんてスマホでちょちょいのちょいで作品発信できちゃうでしょ?被らないわけがないんだよ。転生ものとか悪役令嬢ものとかよくわかんねぇジャンルばっかり増えやがって。内容が大体保証されるからうけてんのかな、あれ。あとあの長ったらしいタイトルつける文化もウザイ。余白の情緒はどこに行ったんだよ。
創るっていうのは中毒みたいなもんだと思うんだ。頭とか心のどっかでいつでも妄想をこねくりまわして、それをどうにか形にできないかともがいてしまうんだ。いつもきちんと全部形にできる訳じゃない。頭の中ではこんなにすごい話よく思いついた!って思ってたやつがさ、実際に文字に起こしてみたらスライムみたいにぐだぐだにしかならないとかよくある話。始めるのは意外と簡単なんだけど、終わらせるのがめっちゃ難しいわけよ。
作中の人物が急に暴走し始めて止まらなくなってどうしようもなくなるとかさ。俺の状態は逆だなぁ…男がいい人過ぎて踏み込んで来てくれないから膠着状態なんだわ。
「なんとか幸せにできんもんかなぁ…」
声に出して呟いてみた。幸せにしたいんだよ、自分が作ったキャラだもの。そして不幸にするのも俺だけ。
さて、だらだらと考え込んでいるだけで小一時間は過ぎた。一旦切り上げてソシャゲで周回したらまた続き考えようぜ。いや、このぐだぐだ考えている間に周回しときゃよかったんだよな。今イベント中なのにさ。
本当になんで書き続けるかなんて知らねぇよ?何も思い付かなくて書けなくって何回も筆は置いてる。でも、筆を折ったことだけはないんだよな。スマホとかパソコンで書いてるのに、未だに表現として筆使っちゃうの笑っちゃうけど。
きっとそれを知るために俺は書き続けるんだろうなっていうのは、ひとつのかっこつけだね。でも多分きっとそういうことなんだろうと思うんだ。