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赤ちゃんの股関節脱臼

先天性(発育性)股関節脱臼せんてんせい(はついくせい)こかんせつだっきゅうについてです。

赤ちゃんの股関節脱臼こかんせつだっきゅうは、以前は先天性股関節脱臼せんてんせいこかんせつだっきゅうとよばれていました。近年は、産まれた後に脱臼することがあるとわかり「発育性股関節形成不全」はついくせいこかんせつけいせいふぜんという名称になりました。

1000出生あたり2~3人の頻度になります。

図1 正常な股関節

丸い大腿骨頭だいたいこっとうが、器である骨盤こつばん臼蓋きゅうがいにおさまっているのが正常です。

発育性股関節形成不全には3つに分かれています。

脱臼だっきゅう 
 大腿骨頭だいたいこっとう臼蓋きゅうがいから外れている。
 下の写真の赤字側が脱臼しています。

レントゲン写真

その他に、以下の2つがあります。

亜脱臼あだっきゅう
 大腿骨頭が臼蓋から外れかけている。

臼蓋形成不全きゅうがいけいせいふぜん
 股関節の器側である骨盤の臼蓋が、浅く小さい。


■脱臼の危険性がある赤ちゃんって?

股関節脱臼になりやすいお子さん

上記のようなお子さんは、脱臼の危険性があると考えられます。


■気づくには?

赤ちゃんの発育性股関節形成不全は自覚症状が特にないんです。
脱臼をしていても、痛くないんです!
おかあさんや小児科の先生など大人たちが気付くしかありません。

図2

赤ちゃんの頃は、

  • 股の開きのかたさ

  • 太ももやお尻の皺の左右差

  • 脚の長さがちがう

といったことで気がつかれることから発見されます。

歩き始めてからは歩き方がおかしいかも
で発見されることもあります。


■検査方法は?

脱臼の診断のための検査方法

脱臼を診断するための検査方法には、
エコー検査とレントゲンがあります。
*どちらで診断をするかは、クリニックさんや病院さんで違います。


■治療方法は?

治療方法など

治療方法には色々あります。
上記のような生活指導や治療から始めることが多いです。
上記の治療で脱臼を直せない場合には、手術となることが多いです。


脱臼の状態、赤ちゃんの年齢、親御さんの環境など、
色々なことを加味して、そして相談の上、
決めることが多いように思います。
担当の先生と、しっかりと相談して決めてくださいね。


大事な生活習慣!


繰り返しになりますが、
赤ちゃんの股関節脱臼は自覚症状じかくしょうじょうはありません。
股関節の開きが悪いなど、気になることや心配なことがあれば、
かかりつけの小児科の先生や
赤ちゃんをみてくれる整形外科の先生
に相談しましょうね。


■資料

その他、脱臼を早く見つけ、そして予防するために作成されたビデオが
ありますので、興味のある方は下の写真をクリックしてみてください。

早期発見!先天性股関節脱臼(5分弱)


日本整形外科学会と日本小児整形外科学会から作成されたパンフレット
なんかもあります。
興味があれば、下の写真をクリックしてみてください。

先天性股関節脱臼予防パンフレット 


今回はここまでです。では。


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