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無一文スタートで東京でハープ弾き語りの旅をする昔の電波少年的Appear東京編!後編!

好きな音楽じゃ食べていけないなんて、誰が言った?いやあ幼少期から言われ続け、大人になってからだってバンドマンも音大生もピアノの先生たちですら、好きな音楽じゃ生活できないと言う。

かくいう私も、コロナ禍で音楽の仕事が0になった絶望感から、ここ数ヶ月は会社に正社員として勤務している。でも音楽がやりたい。沢山音楽がやりたい。この曲が持つ素晴らしさを、誰かに感動をシェアしたいし、異なる文化が相互理解を深めることで世界を少しだけ平和にして、私の歌とハープが届く範囲だけでも寒々しい景色を暖かくしたい。

どうすればいいんだろう。と思ったときに、道に出ればタダじゃん。やるだけじゃんってなった。元々チケットを売ったり、企画書書いたり、オーディション行ったりするのは苦手だったから、道に出るだけでコンサートできるなんて最高じゃんと思った。

10月21日に思いついたから、22日にさっそく我が家のハープを持ち出し、京都三条京阪駅前でやった。キューバの画家やケニヤ人の陶芸家の人たちと友達になれて楽しかった。投げ銭箱を置けとのアドバイスを受け、モロゾフの空箱にTwitterのQRコードを貼り、それ以降会社が休みの日はひたすら道で歌ってハープを弾いている。1ヶ月で30回くらいやった。

今までは交通費やご飯代は自分で出して、投げ銭はグランドハープ購入費用として貯めていた。

が!今回は0円スタートでハープ弾き語りの旅で生活出来るのかという挑戦をしてみたのである。前置きが長くなりました、後編はじまります。

現在11950円と1ドルと10台湾ドル!
本日は最終日15日です。

京都に帰る深夜バス代は大丈夫そうです。16日は深夜バスからのエクストリーム出社をするので…

といいつつ15日は朝から雨模様。湿気と雨が大敵なハープは雨だけどお休みです。昨日目黒の路上Appearにきてくださり、お友達になったハープ仲間Mさんのお家に遊びにいきました。

カマックのトリアノン!良い音!

コロナ禍が主な原因で売却してしまった我が家のグランドハープも、このフランス🇫🇷カマック社のものです。弾かせていただき豊かな響きに酔いしれました。いつか、私も再びグランドハープを手に入れて道で弾きたいなあ。

Mさんがお声がけくださったハープ奏者のTさんのめちゃくちゃ美味しいサツマイモの味がする何かをいただきながら朗らかに午後は過ぎてゆきます。

名前がわからない、すごく美味しいスライム

そうこうするうちに16時です、雨も上がってます。
今日もAppearを、はじめます✨

まずは恵比寿から!
そして、渋谷へ!

すごく人が多いです、渋谷…!

思えば渋谷は神山町に住んでいたころ、台風の日に王将が食べたくなり、髪を振り乱しながら自転車で夜中に爆走していたら、おまわりさんに職務質問され「台風の中だが閉店時間が迫る王将に向かっている、ラストオーダーまであと15分」と話したら笑いながら解放され、辿りついた王将は台風のためとっくの昔に早仕舞いしてて、絶望したのがこの角右に曲がった橋の下の王将です。

消えていた楽しい記憶も呼び覚まされるのが、旅の良さ。そして大変な目も絶望もいつか思い出に変わり、こうして懐かしく愛おしく思うのです。

夕食は、三味線Yねえさんの手作り!

山形県の置賜郡の郷土料理です。納豆とサバ缶!
美味しい!皆さまお試しを!

最後にもう一度、10時半から六本木

やはり東京タワーはこの色が安心します。深夜バスギリギリまで、演奏していたくなり。
11時半まで西麻布交差点で歌ってタクシーに飛び乗り、丸の内へ向かいます。

「あなた化粧したら綺麗なんだから、髪はヘアオイル買って!オルビスがいいわよ!夜会巻きに髪をあげて、あなたはきっと売れるから!応援してるから!」と矢継ぎ早にお金を入れて私が売れる方法を親身に考えてくださる六本木のクラブのお姉様や、足早に駅に向かうほろ酔いの方々、クリスマス前の高揚感で街はキラキラしていて、パトカーと救急車のサイレンが時折響く。客引きの黒人さんは大音量の店に手招きをし、金のネックレスをじゃらじゃらつけてセカンドバッグをもった日焼けした若者が闊歩。ヒアルロン酸の涙袋、バーキン25cmも素敵。

そんな混沌な街にラフマニノフのヴォカリーズは静謐に響き、ちゃんと誰かに届く。その人の来歴、人種、宗教も肌の色も性的嗜好も貧富の差も関係なく。私が好きな曲を、誰かも好きって思う。言葉がわからなくても、プーランクをドヴォルザークをラフマニノフを知らなくても。

ああ、これは楽しくて、ずっと歌っていたい。

お金がもらえるかは、ぶっちゃけ関係なくて聴いてもらえるのがとても嬉しい。

タイムリミット寂しくて、タクシーで少し泣いた。

ちなみに16日は深夜バスが京都駅に朝着いて、朝マックしたあと京都駅で出社前にAppearし、ハープ持ったまま出社したのと9時間働いたあとに、帰りに夜中まで京都の木屋町でまたAppearした。

いのこり給食的な旅の締めくくりが京都!
いつかNYにも演奏に行きたいと話したらドルをもらった。必ずNYに行き、そのドルを使う。約束。

本当は稼いだ総額を書くべきだし、使ったのも計算して書くのがバラエティ番組的なんだけれど、そこは濁させてほしい。

ゆうに新幹線で往復できるくらい。熱量を持って路上で演奏すれば音楽家は食べられる。CDが売れない、コンサートチケット売れない、オーディション受からない、クラシック音楽は食えない…とか嘆いていないで、音楽家は道で演奏すれば良いと思いました。

最近クラシックは敷居が高い(誤用)から、楽しむには素養が必要だから云々みたいな話題でTwitterの色んなとこで燃えてたんだけど、道に出てみれば関心持って聴いてくださる方は多くて、音楽に敷居なんてなかった。嬉しい☺️💕

以上、たくさんありがとうございました!

夢は世界を周り、あなたの街にもゆくこと。
これからも歌って弾いて生きてゆきます!


ハープと世界を周り、歌い続けます。いつかお会いできますように!