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映画評論家・小野寺系を批評する

こんにちわ。
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SHIROBAKOの女性キャラを批判

映画評論家の小野寺系さんが「劇場版のSHIROBAKOがTVアニメ版から数年経っても、女性の描き方がアップデートされていなかった。男性キャラは年齢も体型も様々なのに、女性はある種の規格に収まらなければ存在価値がないことにされるという、業界の空気をリアルに映し出しているのでは?」というツイートが話題になっています。

SHIROBAKOに関する評価は、こちらで行ってますので、読んでいただければいいと思います。私の書いたものと小野寺系さんのツイート、どちらが良いのかは、noteを読んでいただいている方々のご判断におまかせします。

キャラデザインより小野寺系が問題である

他のP.A.WORKSの作品も見た私とすれば、はっきりと言えば「SHIROBAKOだけ見て判断するとは浅い」と言わざるを得ません。

花咲くいろは

P.A.WORKSの「お仕事シリーズ」の第2弾が、この「SHIROBAKO」ですが、第1弾である「花咲くいろは」では、主人公の松前緒花の祖母の四十万スイが登場し、物語が繰り広げられる「喜翆荘」のある湯乃鷺温泉の組合での会合で、様々な年代と体型をした女性が登場してきます。

そして、第3弾の「サクラクエスト」では、P.A.WORKSの本社がある富山県南砺市をモチーフとした田舎町の「間野山市」を舞台としているだけあって、登場人物は主演の5人の若い女性以外は、むしろ高齢者が多く登場している作品です。

つまり、小野寺系さんが「SHIROBAKOしか見ないで決めつけた」ということが分かるでしょう。

「アップデートされていない」と批判していますが、「SHIROBAKO」の前の作品である「花咲くいろは」でも、その後の「サクラクエスト」でも、P.A.WORKSは様々な女性を描くことが可能であることが分かるでしょう。

ただ、「SHIROBAKO」の舞台は、架空のアニメーション制作会社である「武蔵野アニメーション」であり、たまたま小野寺系さんのお望みのようにいかなかっただけでしょう。

「SHIROBAKO」を振り返ってみても、多くはアニメを制作している現場を中心に動いていることもあって、他のP.A.WORKSの作品と比べて「お客さんや地域住民などを描く必要性が低い」ということは頭に入れておかなければいけません。

つまり、小野寺系さんの考察は短絡的なのです。

小野寺系は主観を押し付けすぎ

「SHIROBAKO」が本当に描き分けができていないのか…という話に付き合うとします。そこで公式HPのキャラクター紹介を見てみることにします。

http://shirobako-anime.com/character.html

「女性はある種の規格に収まらなければ存在自体がないことにされる」と言っていますが、このキャラクター紹介を見て、すべての人が小野寺系さんと同じことを考えるでしょうか?

一番上の主役5人は、可愛く描かれていますが、他のキャラクターを見ると、髪型も髪の毛の色も様々で、眼鏡をかけているキャラクターもいますね。このキャラクター一覧を見て、「描き分けができていない」と言うのは、どういったエビデンスを持っているのでしょうか?

小野寺系さんが個人でそう思っただけならともかくとして、「ある種の規格に収まらなければいけない」「業界の姿を表しているのでは?」とまで言うなら、それ相応のエビデンスを持っていなければいけないでしょう。

そうでなければ「主観を押し付けている」だけでしょう。

去年はディズニーのアニメ作品で、ようやく眼鏡の女性ヒロインが登場し、話題になっていましたが、眼鏡のキャラクターが多く登場している「SHIROBAKO」は2014年の作品ですね。

眼鏡に関しては、日本のアニメの方が先に進んでいると言えてしまいます。

小野寺系は裏取ったのですか?

「SHIROBAKO」のキャラデザインの担当は、イラストレーターのぽんかんさんとP.A.WORKS作品にはおなじみの関口可奈味さんが担当しています。

小野寺系さんは、「男性キャラは年齢も体型も様々なのに、女性はある種の規格に収まらなければ存在価値がないことにされるという、業界の空気をリアルに映し出しているのでは?」とツイートしていますが、これはP.A.WORKSの作品を多く手掛けている関口可奈味さんにきちんと聞いたのでしょうか?

おそらく、関口可奈味さんとは全く関わりがないと考えられますが、関口可奈味さんがキャラデザインの仕事で抑圧を感じていることを実際に耳にしているのでしょうか?関口可奈味さんが自らの考えでキャラクターをデザインしているのであれば、小野寺系さんは「当事者の意志を尊重していない」と言わざるを得ません。

関口可奈味さんは、「花咲くいろは」「サクラクエスト」「ウマ娘プリティーダービー」の作画を担当されているので、さすがに「様々な描き方ができない」わけではないのは、それぞれの作品のファンはご存知だと思いますが、小野寺系さんはそういった下調べもないまま、短絡的に批判してしまったのだろうと感じられます。

小野寺系の表面でしか語ってない

「SHIROBAKOだけを見て全体の問題にしている」という考え方が、すでに評論家としては、かなり浅薄いと言わざるを得ないところですが、そもそも表面的なものだけを見て批判してしまうのは、あまりにも雑だと感じられます。

Amazonのレビューを見ましたが、批判的な意見でも「アニメ業界を美化しすぎ」「公道のカーチェイスするな」「アニメ制作に興味を持てないと楽しくない」といった意見で、それなりに内容に触れたものでした。

しかし、小野寺系さんの言うような「女性はある種の規格に収まらなければ存在価値がないことにされる」という批判は見られませんでした。批判するにしても、表面的な部分でしか見ていなくて、内容を見て批評していないので、これは「映画評論家」としての資質に疑いを感じざるを得ません

レビューでも書かれていますが、「SHIROBAKO」を見て、勇気や活力をもらった人もいますし、「仕事のあり方を見つめ直す機会になった」「仕事に悩んでいる人に見て欲しい」「青春を思い出す」「アニメの歴史に触れられて勉強になる」などのポジティブな意見も見られます。

おそらく、キャラデザインという表面的なものだけで、小野寺系さんが言った「誰かを抑圧している」と感じる人はいるかもしれませんが、それ以上に「勇気づけられた」女性の方が多いのではないでしょうか?

さすがに多くの視聴者は、小野寺系さんのように表面だけで断言するような、短絡的なことはしないでしょう。

小野寺系のピントがズレている

「キャラデザインや設定が世間にどんだけ影響を与えているのか考えろ」と小野寺系さんは言っていますが、これはピントがズレている意見と言えるでしょう。

映画もアニメも漫画もあらゆるエンターテイメントでもそうですが、クリエーターは「ファンに楽しんでもらう」ことを主軸として考えるものです。

社会的な悪影響を考えるならば、アクション映画などである、非現実的なアクションシーンや、格闘シーンなどは、悪影響はあるでしょう。「万引き家族」を見て、祖母を自宅敷地内に埋めてしまって、年金を不正受給をするような人は現れるかもしれません。「悪影響が懸念される」というものは、必ずしも漫画・アニメだけではなく、小説・映画にもあるものです。

つまり、小野寺系さんは、映画評論家という立場でありながら、映画やアニメなどは「ファンに楽しんでもらう」ためのものであることが、頭から抜け落ちていると考えられます。「影響が与えるんだよ」という話は、二の次三の次の話でしょう。

映画評論家なのに、最も重要な部分が後回しになっているとは、それは小野寺系という映画評論家としての存在価値自体を疑わざるを得ません

この記事は強制力ありません

小野寺系さんはこのようなツイートを行っています。

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